「僕の村は戦場だった」は、1962年のヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞受賞しています。ただ表現の問題を巡って賛否両論あり、イタリアの作家アルベルト・モラヴィアなどは批判し、フランスの哲学者サルトルは称賛しています。まぁ、難しいことはさておき、ソビエト映画を見ること自体がなかなか機会に恵まれませんからね。こうした優れた世界各国の映画を見れるというだけでもATGに感謝です。
この年、他にはアンジェイ・ワイダ監督「夜の終りに」、アニエス・ヴァルダ監督「5時から7時までのクレオ」、イングマール・ベルイマン監督「第七の封印」などが公開されました。
この年、他にはアンジェイ・ワイダ監督「夜の終りに」、アニエス・ヴァルダ監督「5時から7時までのクレオ」、イングマール・ベルイマン監督「第七の封印」などが公開されました。
1964年
この年も優れた映画を公開しているのですが、好みがあるとはいえ、ここはこの映画を挙げないわけにはいきません。観ないと一生の損と言っていいでしょうアラン・レネ監督の大傑作「去年マリエンバートで」です。
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豪華城館でのパーティで男女が出会う。男は去年マリエンバートで会ったというが、女にその記憶はない。しかし、男に迫られるうちに女は過去と現在の境を見失い、その記憶も曖昧なものになっていく…。
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞しており、ヌーヴェルヴァーグを代表する作品の一つ。ポスターからして今見てもスタイリッシュですよね。衣装デザインを担当したのは、あのココ・シャネル。流石です。
映画『去年マリエンバートで』予告編
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ストーリーは黒澤明監督の「羅生門」に触発されて作られたというだけあって、あるようなないような。。。観るしかありません。この内容は説明不能です。では面白くないのかといえば、メチャクチャ面白いんですよね。
この年には他に、ミケランジェロ・アントニオーニ監督「女ともだち」、ルイス・ブニュエル監督「ビリディアナ」、アンリ・コルピ監督「かくも長き不在」などが公開されています。
この年には他に、ミケランジェロ・アントニオーニ監督「女ともだち」、ルイス・ブニュエル監督「ビリディアナ」、アンリ・コルピ監督「かくも長き不在」などが公開されています。
1965年
ATGではホントに世界の名監督の作品を公開してくれていました。ATGがなかったならこうした作品が観られなかったかどうかは分かりませんが、もしも、観られなかったとしたら。。。考えただけでも恐ろしいです。大きな損失。1965年は、もしかすると、その大きな損失の一番手となったかもしれない監督の登場です。イタリアのフェデリコ・フェリーニ監督。その代表作の一つ「8 1/2」が公開されました。
8 1/2
監督:フェデリコ・フェリーニ
脚本:フェデリコ・フェリーニ、トゥリオ・ピネッリ、エンニオ・フライアーノ
ブルネッロ・ロンディ
原案:フェデリコ・フェリーニ、エンニオ・フライアーノ
製作:アンジェロ・リッツォーリ
出演者:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ
音楽:ニーノ・ロータ
撮影:ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
編集:レオ・カトッソ
配給:東和 / ATG
上映時間:140分
製作国:イタリア、フランス
脚本:フェデリコ・フェリーニ、トゥリオ・ピネッリ、エンニオ・フライアーノ
ブルネッロ・ロンディ
原案:フェデリコ・フェリーニ、エンニオ・フライアーノ
製作:アンジェロ・リッツォーリ
出演者:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ
音楽:ニーノ・ロータ
撮影:ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
編集:レオ・カトッソ
配給:東和 / ATG
上映時間:140分
製作国:イタリア、フランス
「人生はお祭りだ、一緒にすごそう」
温泉地に逗留している43歳の映画監督グイド(マルチェロ・マストロヤンニ)。
この地で新作の撮影を控えているのだが、冷え切った妻との関係……公私ともども悩みの多い彼の脳裏には幼少時の記憶やまだ見ぬ夢の美少女の幻影が現れては消える。
巨大な宇宙船発射台の屋外セットを前に、ストレスが頂点に達したグイドは……。
この奇妙なタイトルは、フェリーニ監督の制作本数を表しています。本作が監督9作品目なのですが、処女作は共同監督だったため「半分(1/2)」ということから「8 1/2作品」ということだそうです。
主人公は映画監督で、フェリーニ監督自身を投影した作品とされています。映画監督自身の苦悩を描いているのですが、こうしたストーリー及びラストシーンは、世界中で無数ともいえる作品に影響を与えました。
主人公は映画監督で、フェリーニ監督自身を投影した作品とされています。映画監督自身の苦悩を描いているのですが、こうしたストーリー及びラストシーンは、世界中で無数ともいえる作品に影響を与えました。
8 1/2 | Trailer
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主演のマルチェロ・マストロヤンニがこれまた素晴らしいです。いやぁ、役者だけに限らず撮影といい、ニーノ・ロータの音楽といい全てが完璧。まさしく観ないと損する1本ですよ。
この年に公開された他の作品には、リンゼイ・アンダースン監督「孤独の報酬」、ジョン・カサヴェテス監督「アメリカの影」、オットー・プレミンジャー監督「野望の系列」などがあります。
この年に公開された他の作品には、リンゼイ・アンダースン監督「孤独の報酬」、ジョン・カサヴェテス監督「アメリカの影」、オットー・プレミンジャー監督「野望の系列」などがあります。
1966年
制作費以上の興行収入があったのであれば、成功といって差し支えはないでしょう。が、その功績に比べるともっとヒットしてよかったのではないかと思える映画の第1位に輝くのが、この年ATGによって公開されたオーソン・ウェルズの監督デビュー作「市民ケーン」です。
ローアングルを多用した映像表現、直線的な時間配列を再構築した構成、パン・フォーカス、長回しなどによる独特な演出。AFI選出の「アメリカ映画ベスト100」でも、英国映画協会によるオールタイム・ベストテンでも現在に至るまで世界映画史上のベストワンに選出されている作品です。
ローアングルを多用した映像表現、直線的な時間配列を再構築した構成、パン・フォーカス、長回しなどによる独特な演出。AFI選出の「アメリカ映画ベスト100」でも、英国映画協会によるオールタイム・ベストテンでも現在に至るまで世界映画史上のベストワンに選出されている作品です。
市民ケーン
監督:オーソン・ウェルズ
脚本:ハーマン・J・マンキーウィッツ、オーソン・ウェルズ
製作:オーソン・ウェルズ
出演者:オーソン・ウェルズ、ジョゼフ・コットン
音楽:バーナード・ハーマン
撮影:グレッグ・トーランド
編集:ロバート・ワイズ
製作会社:マーキュリー・プロダクション
配給:RKO
上映時間:119分
製作国:アメリカ合衆国
脚本:ハーマン・J・マンキーウィッツ、オーソン・ウェルズ
製作:オーソン・ウェルズ
出演者:オーソン・ウェルズ、ジョゼフ・コットン
音楽:バーナード・ハーマン
撮影:グレッグ・トーランド
編集:ロバート・ワイズ
製作会社:マーキュリー・プロダクション
配給:RKO
上映時間:119分
製作国:アメリカ合衆国
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ある日、ひっそりとした大邸宅で新聞王のケーンは「ばらのつぼみ」とつぶやきその生涯を終えた。
彼の生涯をまとめた記録映画のプロデューサーのロールストンは作品の試写を見て、どこか物足りない思いでいた。
「もっとケーンという人物に深く切り込んだ内容にしたい。彼は一体どんな男だったのか?」。
ケーンというほかに類を見ない人物の謎を解くヒントが、彼の遺した言葉「ばらのつぼみ」にあると確信をしたロールストンは、
記者のトンプソンにその秘密を解くように指示を下す。
トンプソンは、ケーンと近い関係にあった人々を訪ねていくのだが・・・。
市民ケーン(Citizen Kane, 日本語字幕) part1
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脚本:アラン・ロブ=グリエ
製作:ピエール・クーロー、レイモン・フロマン
出演者:デルフィーヌ・セイリグ
音楽:フランシス・セイリグ
撮影:サッシャ・ヴィエルニ
編集:アンリ・コルピ、ジャスミーヌ・シャスネ
配給:コシノール、東和/ATG
上映時間:94分
製作国:フランス、イタリア