大傑作であるというのに日本において「市民ケーン」という映画は、一般的にはあまり知られていないように思えます。市民権を得ていないという感じでしょうか(うまい!)。
とまぁ、冗談はともかく、これもまた観ないと損をする1本であること間違いなしです。
この年には、ジョゼフ・ロージー監督「銃殺」、ルイス・ブニュエル監督「小間使の日記」、フェデリコ・フェリーニ監督「魂のジュリエッタ」などが公開されています。
とまぁ、冗談はともかく、これもまた観ないと損をする1本であること間違いなしです。
この年には、ジョゼフ・ロージー監督「銃殺」、ルイス・ブニュエル監督「小間使の日記」、フェデリコ・フェリーニ監督「魂のジュリエッタ」などが公開されています。
1967年
ATGの第1期最後の年。ヌーヴェルヴァーグといえばこの人。ヌーヴェルヴァーグを、いえ、フランスを、いえいえ世界の映画界を代表する監督ジャン=リュック・ゴダールの登場です。しかも作品は「気狂いピエロ」。彼の場合、他にも素晴らしい作品が多数ありますから、本作をゴダールの最高傑作と言い切るのは難しいのですが、いや、まぁ、やはりこれは最高傑作でしょう。
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フェルディナン(ベルモンド)は、金持ちの妻との生活に退屈し、逃げ出したい衝動に駆られていた。そんなある夜、夫婦がパーティに出かけるため、幼い娘のベビーシッターがやって来る。彼女はなんと、かつての恋人マリアンヌ(カリーナ)だった。パーティを抜け出し、1人で帰宅したフェルディナンは、彼女を車で送り、そのまま一夜を共にする。翌朝目覚めると、彼女の部屋に、首にハサミを突き立てられた男の死体が。驚く彼とは裏腹に、平然と朝食を作り歌うマリアンヌ。フェルディナンは、わけは後で話すという彼女と一緒に、着の身着のままでパリを後にし、マリアンヌの兄がいる南仏へ向かう。お金のない2人は、ガソリン代を踏み倒したり、物語を語ってチップをもらったり、車を盗んだり。はては海岸の一軒家で、ロビンソー・クルーゾーよろしく自給自足生活。フェルディナンは大満足だったが、マリアンヌは欲求不満を募らせ街に飛び出す。そこで出会った小男(カルービ)がまたもハサミで殺され、マリアンヌは姿を消す。フェルディナンはギャング2人組に捕まって、彼女の居場所を教えろと拷問されるが、何も知らないと分かり解放される。マリアンヌを探し歩いたフェルディナンは、ようやく彼女を見つけるが…。
「気狂いピエロ」には、他の多くのゴダール作品と同じように脚本といったようなものがなく、ほとんどのシーンは即興で撮影されています。が、安心してください。この映画にはしっかりとしたストーリーがあります。ATG初心者の方でも楽しめますよ。カラー作品でもありますしね。それにしても、このビビットな色彩は、なんと美しいことでしょう。
ゴダールの傑作映画『気狂いピエロ』予告編
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う~む、素晴らしい。是非とも本編をじっくりと観ていただきたいです。
ところで、ATGは映画の配給だけを行っていたのではありません。この年に今村昌平が映画「人間蒸発」の企画を持ち込んだことがきっかけとなり、以降1000万円(独立プロと費用折半)程度の低予算の実験映画ではあったとはいえ、ATGはいよいよ製作に参加することになるのでした。
これ、続きます。
ところで、ATGは映画の配給だけを行っていたのではありません。この年に今村昌平が映画「人間蒸発」の企画を持ち込んだことがきっかけとなり、以降1000万円(独立プロと費用折半)程度の低予算の実験映画ではあったとはいえ、ATGはいよいよ製作に参加することになるのでした。
これ、続きます。
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
製作:ジョルジュ・ド・ボールガール
出演者:アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド
音楽:アントワーヌ・デュアメル
撮影:ラウール・クタール
編集:フランソワーズ・コラン
配給:日本ヘラルド映画
上映時間:110分
製作国:フランス、イタリア