昭和の親父の冬の定番「ラクダシャツ」
2021年2月7日 更新

昭和の親父の冬の定番「ラクダシャツ」

父親が冬になると必ず来ていた「ラクダシャツ」。肌着だと思うが、ラクダの上下で一日を過ごす姿を思い出しませんか?ラクダシャツとラクダシャツに合わせるアイテムを調査。

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ラクダシャツって?

昭和の親父が、こぞって身に付けていたもの。それは「ラクダシャツ」。
かつて冬の定番アイテムだった、このラクダシャツですが、

ラクダのシャツやももひきが登場した頃は、実際にラクダの毛が素材でした。
軽くて保温性に優れていたため、寒い冬には手放せない下着でした。
次第にラクダの毛が希少となり、ラクダ色の肌着として、ウールやカシミアが使われるようになりました。
ラクダの毛は、双こぶらくだの産毛を指します。 らくだの毛は漂白しにくいため、多くはそのままの色で用いられます。 「キャメル」が繊維の名前でもあり、色の名前にもなっているのはそのためです。 キャメルは靴下や毛布に用いられ、汚れにくくヘタリにくいという特徴が挙げられます。

ですが、細身のスーツや体にフィットした服装が流行し始めると次第に見かけなくなりました。
ラクダ - Wikipedia (2255367)

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股引(ももひき)

股引(ももひき)は、日本の伝統的ボトムスであり、下着としても使われました。
腰から踝まで、やや密着して覆う形のズボン型。腰の部分は紐で締めるようになっています。
安土桃山時代にポルトガルから伝わったカルサオ(カルサンとも)と呼ばれる衣服が原形とされています。

江戸時代には鯉口シャツ(ダボシャツとも)や、「どんぶり」と呼ばれる腹掛けと共に職人の作業服となり、農作業や山仕事などにも広く使われました。

また、半股引といって、膝上までのハーフパンツに似た形のものがあり、祭りにおける神輿の担ぎ手の服装として知られています。
股引 - Wikipedia (2255358)

ぱっち

ぱっちは、腰から足首までを覆う男性用下着です。
ズボン型の衣服は、18世紀には日本に定着していたと見られ、上方では丈の長いものを「ぱっち」、短いものを「股引(ももひき)」と呼んでいました。

宝暦ごろから江戸でも流行し始め、木綿製を「股引」、絹製を「ぱっち」と呼んで区別したようです。当初のぱっちは必ずしも下着ではなかったのですが、現代では主にズボンの下、トランクスやブリーフの上にはく、木綿製または羊毛製のものを指して「ぱっち」と言います。
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猿股(さるまた)

猿股(さるまた)は、腰から股のあたりをおおうズボン形の男子用下着です。
よくおばあちゃんが、西洋ももひきなんて言っていました。

洋式の下着が日本で一般化したのは大正時代後期からで、この頃に紹介されたのが、現代のボクサーブリーフに似た伸縮性のあるニット製の肌着でした。

このため、当時のスタイルを継承したラクダ色のメリヤス地で、深い股上とある程度の股下を持つボクサー型の肌着をこう呼ぶことが多いのですが、股下のないブリーフ型や伸縮性のない生地のトランクスなどを猿股と呼ぶこともあります。
特に形状や素材においてこれといった定義は存在しないようです。
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ステテコ  夏のアイテム

ステテコとは主に男性が着用し、裾の丈が膝下ほどまである薄手の生地で作られたズボンです。

猿股や股引とは違い、幅広で肌に密着せず、パンツの上にズボンの下に穿くものです。
汗を吸着したり滑りをよくしたりする役目もあり、ズボンを傷めにくくする効果があるほか圧手の生地のものは防寒効果もあります。
祭において担ぎ手・曳き手が股引と同じ用途で着用したり、祭りにおいてふんどしの代わりに着用する者もいます。

素材は綿の平織りでクレープ生地と呼ばれるもので、横糸に強撚糸をつかい織り上げ、一旦大きくちぢめて成型したものです。表面にアコーディオン状の凹凸があるのが特徴で、凹凸が肌への接地面積を少なくし、吸汗、速乾、涼感に優れた生地です。

着物や袴の下に穿く下着として、明治以降の日本の近代化に伴い全国的に普及しました。
戦後、繊維業が隆盛となった日本では高温多湿の気候に合わせて素材や織りを工夫した楊柳クレープやキャラコ織の物が登場しました。
長年、おじさまのインナーとして使用されており、メーカー各社が無地白色のものを中心に販売しています。

昭和30年代になるとクレープ肌着の需要は最高潮に達し、「吸湿性の良さ」や「爽やかな着心地」を兼ね備え、蒸し暑い日本の夏に適したその肌着はあっという間に一般に普及し、特にステテコは、ゆったりとしていて肌にぴったり付かないので着心地が良く、大変涼しいということなどから、夏のお父さん達の定番スタイルとして大流行しました。
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余談 肌着と言えば「グンゼ」とは

グンゼ株式会社は、大阪府大阪市北区に本社を置く、男性用肌着・インナー及びストッキングを主とする日本の繊維製品メーカーです。

社名の「グンゼ」は創業時の社名「郡是製絲株式會社」に由来します。
「郡の是」とは、国の方針である国是、会社の方針である社是のように、創業地の何鹿郡(現・京都府綾部市)の地場産業である蚕糸業を、郡(地域)を挙げて振興・推進していこうという、元農政官僚で殖産興業の父と呼ばれた前田正名の趣旨に基づいています。

創業者の波多野鶴吉が、前田正名の講演を聞き感銘を受け、1896年(明治29年)8月10日に、創業地の産業である蚕糸業の振興を目的に、郡是製絲株式會社として設立しました。
蚕糸・紡績業が国家的事業として力が注がれていた明治期にあって、早くから海外に生糸を輸出し、高い評価を得ていました。

また、製糸工場では女性の労働者が中心であり、地域の養蚕農家の子女を集めて操業していました。女工哀史という歴史があるように、当時が劣悪な労働環境で働かせる工場が多かった時代に、グンゼは女工ではなく「工女」と呼んで大切にし、工場内に女学校まで設立して人間教育に務めたのです。

同様に、大資本を背景に財閥オーナー企業で創業する場合が多い明治期に、創業時から株式会社制度でスタートした同社は極めて稀有な企業で、低賃金労働による搾取も感じられない、現代のCSR(企業の社会的責任)という言葉をそのまま体現したような会社だったといえます。

太平洋戦争後の1946年(昭和21年)、日本国内で初めて肌着・下着の一貫生産に着手します。
それまでは分業による生産が当たり前であり、世間では「メリヤス(当時、下着の生地をそう呼んでいた)工場と腫れ物は大きくなると必ず潰れる」と揶揄され、懐疑的な意見ばかりだったそう。
当時、宮津工場長だった岩内菊治郎は「品質第一主義」を掲げて徹底的に品質改良に取り組み、優れた肌着を開発しました。戦後の厳しい経済環境下で粗末な製品(メリヤスは、漢字で一般に「莫大小」と表記することもあり、莫=ニットのループの大きさバラつき、生地が縮んだり、ダレたりして形態安定が良くない)がほとんどだった時期に、逆に優れた商品を発売したことで人々に受け入れられました。

そんなグンゼの肌着は、現在も高品質で根強い人気があります。
グンゼ - Wikipedia (2255394)

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