黎明期のゲーム、コンピュータ、コミュニティ事情を明快に記した名著
絶版本「ダンジョンズ&ドリーマーズ」の無償版PDFが配布開始
ブラッド・キング、ジョン・ボーランドの著作「ダンジョンズ&ドリーマーズ」が、訳者平松徹氏の尽力により無償公開されることになった。
「ダンジョンズ&ドリーマーズ」はタイトル通りダンジョン(ゲーム)とドリーマー(プレイヤー)に焦点をあてた著作。
舞台は1980年代――コンピュータゲーム黎明期が中心で、当時の優れたゲーム作品とクリエイター、そしてそれ周囲に存在していたプレイヤーとコミュニティについてドキュメンタリー風に語られている。
だが単なるドキュメンタリーではなく、ゲーム、文化、技術、組織、時代についてそれぞれ考察されている優れた名著だ。
元々は2003年、ソフトバンククリエイティブより出版されていたが現在は絶版状態。
平松氏が著作権の移行と原著者への許可申請を行い、レイアウトを変更したPDF版が無償公開されることになった。
舞台は1980年代――コンピュータゲーム黎明期が中心で、当時の優れたゲーム作品とクリエイター、そしてそれ周囲に存在していたプレイヤーとコミュニティについてドキュメンタリー風に語られている。
だが単なるドキュメンタリーではなく、ゲーム、文化、技術、組織、時代についてそれぞれ考察されている優れた名著だ。
元々は2003年、ソフトバンククリエイティブより出版されていたが現在は絶版状態。
平松氏が著作権の移行と原著者への許可申請を行い、レイアウトを変更したPDF版が無償公開されることになった。
『ダンジョンズ&ドリーマーズ』無償版PDF - 平松 徹 (Toru Hiramatsu) - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード)
2004年にソフトバンクパブリッシング(現SBクリエイティブ)から刊行された『ダンジョンズ&ドリーマーズ』の無償PDFです。 2018年に同社から著作権を返してもらい、原著者のBrad King氏より日本での配布を許諾していただいたので、当時のレイアウトを変え、独自にPDF化しました。表紙にはリチャード・ギャリオット氏から許諾を得て、同氏のデビュー作「Akalabeth: World of Doom」の画像を使用しました。 用紙サイズはA4で作成しました。総ページ数は表紙を除いて314ページです。タブレットでお読みいただくのがおすすめです。
なおこちらはBOOTHというサービスを用いて提供されている。
無料でダウンロードすることが可能であるが、逆に〝有料で購入することも可能〟になっている。
著者、訳者の仕事、近い分野や業界に興味がある方は投資(?)を行うことでその繁栄を願うのもおおいにアリだろう。
無料でダウンロードすることが可能であるが、逆に〝有料で購入することも可能〟になっている。
著者、訳者の仕事、近い分野や業界に興味がある方は投資(?)を行うことでその繁栄を願うのもおおいにアリだろう。
概要
ドラクエもFFもすべてはここから始まった!
「ウルティマ」シリーズで、過去20年間にわたりゲーム業界に影響を与え続けるリチャード・ギャリオット。「DOOM」「QUAKE」でオンラインゲームを社会現象までにしたイド・ソフトウェアの開発者たち。彼らはどのような人間で、いかにして社会に多大な影響を与えたゲームを作り上げたのか。その背景には常に「コミュニティ」の存在があった。
そして、かつてはテーブルトークゲームを中心として地域的に形成されていたゲームコミュニティも、それ自体が生み出したコンピュータゲームとネットワークの発展によって性格を変えてゆく。
Ultimaシリーズのギャリオット、DOOM/QUAKEのカーマックとロメロ。彼らはどのような人間で、いかにして大ヒットゲームを作り上げたのか。そして、ゲームが米国社会に巻き起こす数々の現象や事件とは。本人や関係者の証言で明かされる情熱のドキュメンタリー。
Amazonの商品説明の方ではもうちょっと突っ込んだ内容に迫っている。長文になるがこちらも引用しておこう。
コンピュータゲームという文化は、いつ、どこで生まれ、誰によって、どのように育てられたのか。30年にわたるそのムーブメントを、関係者の証言をもとに構成したドキュメンタリーだ。登場人物は、ロールプレイングゲームの金字塔「ウルティマ」シリーズを作り上げたリチャード・ギャリオット、プレイヤーがより深くゲームの世界観に関わる文化を創った「DOOM」「QUAKE」のジョン・カーマックとジョン・ロメロ、そしてこれらのゲームの隆盛を支えた数多くのゲーマーやプログラマーたちだ。
本書は、画期的な“テーブルトークロールプレイングゲーム”であった「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の誕生を皮切りに、さまざまなエポックを織り込みながらドラマティックに展開する。ゲームに魅せられた青年が純粋な好奇心から始めたことがやがて大きなビジネスとなり、成功、挫折、変遷が訪れる様子は、ちょっとした青春物語のようでおもしろい。さらに、ネットワークを通じて“普通の人々”がつながり、多数のコミュニティを作りはじめるくだりなどは、革命の一部始終を見るようでスリリング。そこで起こったことは、道徳的な観点から言えば必ずしも「良い」ことばかりではないが、21世紀のコミュニケーションのありようを確かに予見させる。
そして2003年、多くの人々がオンラインゲームでチームを作って怪物と戦い、酒場で親交を深めている。スポーツさながらに、プロゲーマーのリーグを作ろうという動きもある。「ゲームはしょせん仮想世界」なんて言葉は、そう遠くないうちに陳腐なものとなるだろう。そこに至るまでの経緯がこうしてまとめられる価値は、確かにある。(安川正吾)
著者
ブラッド・キング
海外の書籍なので当然(?)著者は外国人だ。彼はカリフォルニア大学出身、ジャーナリズムの修士課程を修了している。〈米ボールスステート大学ジャーナリズム学部で准教授〉とあるがおそらく誤字で、ボールステイト大学のことだろう。
ジョン・ボーランド
フリーのライターにしてプログラマー。守備範囲は文化、技術、政治などと幅広い。ブラッド・キングの相方といったところだろう。
平松 徹
大阪外国語大学卒の翻訳家。本著の訳を担当している。
目次
目次はおおきく3部に分かれており、《第1部 コンピュータゲームの夜明け》《第2部 ネットワークゲームの時代》《第3部 プレイヤーの時代》と分けられている。
○○の時代、○○の時代という分け方を見るとなんとなくAge of empireを思い出す方もいらしゃるかもしれない。
そしてその最初と最後に《プロローグ――すべての始まり》と《エピローグ――新たなる旅立ち》がある。エピローグの後には謝辞、訳者あとがき、参考文献と続く。
さておわかりの方もいるだろう。この本、かなり真面目である。
1部が1~4章、2部が5~7章、3部が8~10章という構成をとっているが、それぞれの章が15~30ページ程度のボリュームを持っている。合計300ページ超。実際に手にとってみれば結構厚いものになっていただろう。そこに、参考文献付きときている。
というわけでこちらは単なる《名作ゲーム紹介本》ではない。
それぞれのゲームの紹介があり、成立した原因と結果についての考察があり、時代背景について、技術について、文化について語られている。
Amazonのレビューでも触れている方がいたが、この本の登場が15年前――2003年だからといって今読む価値が低いかと言えばそうではない。
コンピュータゲームの黎明期をまとめ、当時の〝眼〟をもって観察したことは一種の偉業だったと言えるだろう。
○○の時代、○○の時代という分け方を見るとなんとなくAge of empireを思い出す方もいらしゃるかもしれない。
そしてその最初と最後に《プロローグ――すべての始まり》と《エピローグ――新たなる旅立ち》がある。エピローグの後には謝辞、訳者あとがき、参考文献と続く。
さておわかりの方もいるだろう。この本、かなり真面目である。
1部が1~4章、2部が5~7章、3部が8~10章という構成をとっているが、それぞれの章が15~30ページ程度のボリュームを持っている。合計300ページ超。実際に手にとってみれば結構厚いものになっていただろう。そこに、参考文献付きときている。
というわけでこちらは単なる《名作ゲーム紹介本》ではない。
それぞれのゲームの紹介があり、成立した原因と結果についての考察があり、時代背景について、技術について、文化について語られている。
Amazonのレビューでも触れている方がいたが、この本の登場が15年前――2003年だからといって今読む価値が低いかと言えばそうではない。
コンピュータゲームの黎明期をまとめ、当時の〝眼〟をもって観察したことは一種の偉業だったと言えるだろう。