ロードムービーの傑作 「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」
「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」は、監督を務めたトーマス・ヤーンがボブ・ディランの同名曲から着想しつくられたロード・ムービーです。
1997年にドイツで公開され、日本でも1999年に公開し高い評価を受けた作品です。
タクシードライバーで生計を立てていたトーマス・ヤーンがティル・シュヴァイガーに脚本を送ったところ、ティルがこの映画の脚本を気に入り、スポンサーを探し回った。
また、『ブレードランナー』などで大物となったルトガー・ハウアーにどうしても出演してもらいたいと考えていたティルに対し、ルトガーのマネジメントは1日10万ドルのギャラを要求。
とても払えないと一旦はあきらめかけたが、ルトガー本人から「マネジメントの言うことは気にするな。出ると決めている」と出演を受諾したという逸話がある。
当時32才のトーマス・ヤーン監督は、「ドイツのタランティーノ」と評判になり、ドイツ映画界に彗星のごとく現われた新鋭監督として一躍有名なりました。
ヤーン監督の才気あふれる映画センスは、音楽(サウンド・トラック)にも現われおり、冒頭と劇中、グロリア・ゲイナー(Gloria Gaynor)のディスコ音楽「恋のサバイバル(I'll Survive)」を挿入するなど映画のプロットが、暗くなりがちな‥末期腫瘍を宣告され死期の迫る若者二人のアナーキーにして破滅的なロードムービーを明るく盛りあげ、映画を見ている者の気持ちをワクワクさせる効果は、抜群でした。
予告から面白い「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」
ノッキンオンヘヴンズドア 予告編 - YouTube
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<あらすじ> 余命僅かな男達のハチャメチャな大冒険!
ひょんなことから病室が一緒になったマーティンとルディ。
マーティンは行動的でルディは引っ込み思案と正反対の性格の二人でしたが、マーティンは脳腫瘍を、ルディは骨髄腫を患い、お互いに残された命が少ないという共通点がありました。
意気投合した二人は、病室で偶然テキーラを見つけ、病院の調理室に忍び込み酒盛りを始めます。
そこでルディは「海を見たことがない」と打ち明けます。
マーティンは、「知ってるか?今天国では海の美しさについて語るのが流行ってるんだ。海を見たことがないお前はおいてけぼりにされるぞ」とからかいます。
二人はパジャマのまま病院を抜け出し、海を目指すことを決めます。
病院の駐車場には、鍵の付いたままのベンツが停めてありました。
二人はこれを盗んで逃走します。
しかし、その車はなんとマフィアの車で、中には大金が詰まれていたのです。
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落ちこぼれのギャング(モーリッツ・ブライブトロイ)は大物に渡すはずだったその大金を取り返すべく、ふたりの後を追う。かくして心ならずもギャングを向こうにまわした逃避行をする羽目になったふたりの病身の男は、正真正銘の人生最後の冒険に乗り出すのだった。
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警察に捕まりそうになった時は、ルディを「人質」として銃を突きつけ逃げた。
途中、一文無し(盗んだ車のトランクに大金が入っているとはまだ知らなかった。)だった二人はガソリンスタンドや銀行で金を強奪。
その後、警察とギャングに追われる展開に。
途中、一文無し(盗んだ車のトランクに大金が入っているとはまだ知らなかった。)だった二人はガソリンスタンドや銀行で金を強奪。
その後、警察とギャングに追われる展開に。
拳銃を突きつけられ、ついに捕まってしまう二人。
金を返せば命だけは助けてやると脅すマフィアたちに、死期の近い二人は顔を見合わせて笑います。
マフィアに金はもうすべて使ってしまったと告げるマーティン。二人を殺そうと銃を突きつけるマフィア。
しかしそこへマフィアのボス・カーチスがやってきます。
金を使い切ったこと、海を観にいくつもりだったことをカーチスに話す二人。
カーチスは二人の話を聞き「時間がないんだろ。早くいけ」と二人を解放します。
カーチスは部下たちに諭します。「天国で誰もが話題にするのが海だよ」と。
そしてとうとう海にたどり着いたマーティンとルディ。その雄大な姿に二人は無言で立ち尽くします。
砂浜に座り込んでタバコをふかしていたマーティンがゆっくりと倒れ、ルディはそっとその横に寄り添うのでした。
目的の海へ到着した二人。
二人の最後の会話。
マーチン「ルディ、話があるんだ」
ルディ「分かってる 僕が言うよ 何も怖くないさ」
とマーチンの死期を悟り、微笑みを返す。
その後、一本のテキーラを飲み交わす二人。
そして、マーチンが砂浜にゆっくりと倒れ込み、物語は終わる。
ここで「Knockin' on Heaven's Door」が流れる。
二人の最後の会話。
マーチン「ルディ、話があるんだ」
ルディ「分かってる 僕が言うよ 何も怖くないさ」
とマーチンの死期を悟り、微笑みを返す。
その後、一本のテキーラを飲み交わす二人。
そして、マーチンが砂浜にゆっくりと倒れ込み、物語は終わる。
ここで「Knockin' on Heaven's Door」が流れる。
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ボブディランの名曲「Knockin' on Heaven's Door」に着想を得た!
トーマス・ヤーンは、タクシーの運転手で生計を立てていたころ若手俳優のティル・シュヴァイガー(1963~)が、偶然お客として彼のタクシーに乗りました。
映画の話をしているうちに意気投合、トーマスは、今まで書き溜めた脚本を見てもらうとティルに送りました。
その中でトーマスが、ボブ・ディランの名曲「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(1973年リリース・サウンドトラック・アルバム「ビリー・ザ・キッド」収録))にインスパイアーされて書いた同名の脚本をいたく気に入ったティルは、自分の製作で映画化することを提案しました。