身の硬直、震え、気絶も…。意外と深刻なピエロ恐怖症
「道化恐怖症」というものがあります。本来はゆかいで陽気なはずのピエロに、なぜだか恐怖心を抱いてしまうという、実に読んで字のごとしな症状です。たしかに、メイクアップされたピエロの顔は笑っているのにどこか無機質で不気味。道化恐怖症ではなくても、怖さを覚えるという人は多いことでしょう。
via en.wikipedia.org
しかし、道化恐怖症の人は、単純に「怖い」と感じる程度では済まされないといいます。サーカスや遊園地にいるような実物のピエロでなくても、置物や人形のピエロを見ただけで、震えが止まらなくなり、身体が金縛りのように硬直。最悪、気絶する場合さえあるそうです。有名人だとジョニー・デップもこの症状に悩まされている一人であり、自宅にピエロの人形を置いて克服につとめているのだとか。
ピエロ恐怖症の発端といわれる『IT』
この道化恐怖症の起源となったといわれる作品が、1990年にアメリカABCで放送されたテレビシリーズ『IT』です。原作は、巨匠・スティーブン・キング。キングといえば、2016年のハロウィーンシーズン、アメリカでピエロの恰好した強盗・暴行事件が横行し、それを受けて、マクドナルドがドナルドの使用を自粛するなど、ピエロ忌避のムードが漂ったときに以下のようなコメントをSNSで発信していました。
「ねえ、みんな、ピエロに対して少し冷静になろうよ。ほとんどのピエロが善良で、子どもを楽しませ、人々を笑顔にさせてくれるんだ」
この発言に対し、「誰のせいだと思ってるんだ」「お前が言うな」世界中であなただけが、ピエロ擁護の言葉を口にしてはいけない」など、多くの人が非難を浴びせかけたのです。
「ねえ、みんな、ピエロに対して少し冷静になろうよ。ほとんどのピエロが善良で、子どもを楽しませ、人々を笑顔にさせてくれるんだ」
この発言に対し、「誰のせいだと思ってるんだ」「お前が言うな」世界中であなただけが、ピエロ擁護の言葉を口にしてはいけない」など、多くの人が非難を浴びせかけたのです。
via stephenking.com
殺人ピエロに翻弄される人々を描いた作品
『IT』は、殺人ピエロと主人公たちの戦いを描いたお話です。監督を務めたのは、『ハロウィンⅢ』や『トワイライトゾーン』、『フライトナイト2/バンパイヤの逆襲』など、数々のホラー映画を手掛けてきたトミー・リー・ウォーレスでした。
物語は、アメリカメイン州のデリーで、子供だけを狙った連続殺人事件が発生するところからスタート。7人の幼馴染たちはこの事件を、30年前に自分たちが“IT”と呼んでいたマッドピエロ・ペニーワイズの仕業だと確信。彼らは故郷の町に戻って、過去の忌まわしき記憶と対峙することを決意するのでした…。
物語は、アメリカメイン州のデリーで、子供だけを狙った連続殺人事件が発生するところからスタート。7人の幼馴染たちはこの事件を、30年前に自分たちが“IT”と呼んでいたマッドピエロ・ペニーワイズの仕業だと確信。彼らは故郷の町に戻って、過去の忌まわしき記憶と対峙することを決意するのでした…。
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執拗に精神攻撃を仕掛けてくる殺人ピエロ・ペニーワイズ
via www.imdb.com
ピエロ恐怖症の根源説があるだけあって、本作の悪役・殺人ピエロ・ペニーワイズのインパクトはとにかく強烈です。
彼は、物体を操ったり、相手が恐怖心を覚える姿に変身したり、幻覚を見せたりと、さまざまな超能力を駆使して子供たちを殺していきます。姿を現すのは基本的に子供の前だけであり、大人は視認することもできません。それに、執拗かつ神出鬼没です。
主人公たちには、彼ら一人ひとりのトラウマを喚起させるような精神攻撃と奇妙な魔法を何度も仕掛けて追い詰めていき、最終的には、下のような恐ろしい顔で襲いかかるのです。たしかにこのビジュアル、幼少期に見ていたら、ピエロ恐怖症に目覚めてもおかしくないというものでしょう…。
彼は、物体を操ったり、相手が恐怖心を覚える姿に変身したり、幻覚を見せたりと、さまざまな超能力を駆使して子供たちを殺していきます。姿を現すのは基本的に子供の前だけであり、大人は視認することもできません。それに、執拗かつ神出鬼没です。
主人公たちには、彼ら一人ひとりのトラウマを喚起させるような精神攻撃と奇妙な魔法を何度も仕掛けて追い詰めていき、最終的には、下のような恐ろしい顔で襲いかかるのです。たしかにこのビジュアル、幼少期に見ていたら、ピエロ恐怖症に目覚めてもおかしくないというものでしょう…。
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ペニーワイズを演じたのはティム・カリーというイギリス人俳優。素顔はとっても良い人そうです。
ペニーワイズにはモデルが存在した
なお、ペニーワイズにはモデルがいます。それは“キラー・クラウン”と呼ばれた実在の殺人鬼・ジョン・ゲイシーです。彼は道化師「ポゴ」に扮して福祉施設を訪れる地域の人気者であり、子供たちからも慕われていました。それを逆手にとって9歳から20歳までの男子を誘い、犯し、殺し続けたのです。被害者は33人に及び、当然、死刑となっています。
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ちなみに、彼が刑務所で描いたピエロの絵は一部マニアの間で高い人気を誇っており、先述したピエロ恐怖症のジョニー・デップも、ゲイシー作の絵を家に飾っているといいます。