花と蛇(団鬼六)
SMです。サドとマゾですね。 サディズムとマゾヒズムですよ。あまり一般的とは思えませんが、実はそうでもない。この、ある意味、特殊な世界には数多くのファンが根付いているんです。それを証明するかのような作品が「花と蛇」です。
そもそも「花と蛇」は団鬼六が昭和37年(1962年)8月、奇譚クラブという雑誌に発表した小説です。団鬼六といえば泣く子も黙るSM小説の大家。SMですよ、SFではありませんよ。
そもそも「花と蛇」は団鬼六が昭和37年(1962年)8月、奇譚クラブという雑誌に発表した小説です。団鬼六といえば泣く子も黙るSM小説の大家。SMですよ、SFではありませんよ。
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「花と蛇」は、待ってました!とばかりに大衆に受け入れられるのですが、どのくらい受け入れられたかと言いますと、続編がそれを物語っています。
「花と蛇」は、誘拐の巻からはじまり、、涕泣の巻、飼育の巻、調教の巻、憂愁の巻、羞恥の巻、屈辱の巻。号泣の巻、そして完結編と掲載誌を変えながらも実に13年間にわたって掲載されています。文庫本にして全9冊。現在は加筆されており全10冊となっています。
大ヒットしたんです。その特殊性を考えると、快挙と言うべきでしょうね。
「花と蛇」は、誘拐の巻からはじまり、、涕泣の巻、飼育の巻、調教の巻、憂愁の巻、羞恥の巻、屈辱の巻。号泣の巻、そして完結編と掲載誌を変えながらも実に13年間にわたって掲載されています。文庫本にして全9冊。現在は加筆されており全10冊となっています。
大ヒットしたんです。その特殊性を考えると、快挙と言うべきでしょうね。
花と蛇(谷ナオミ)
この小説の人気に目を付けない日活ではありません。「花と蛇」は1974年、谷ナオミを主役に映画化されます。
via diskunion.net
【ストーリー】
大人の玩具店を経営している美代。終戦当時はG・Iたちを相手に肉体を売り、一人息子の誠を育てあげた。今では一流会社に勤務している誠だが、幼い頃、母を抱いていたG・Iを拳銃で殺して以来、勃起不能になり、わずかに女の緊縛写真を眺めては自慰でまぎらわせているのだった。ある日、誠は社長の遠山千造の自宅に呼ばれた。千造は誠母子のことを調べていて、千造の欲求を拒む妻の静子を縛って教育しろというのだった。誠は悪酔いした静子を自分の部屋に連れ込み、ベッドに縛りつけた。眼を覚ました静子は抗議するが、千造のいいつけだと聞いて呆然とする。彼女の着物を剥ぎ取った誠は執拗に責め始めた。初めは悲鳴を上げていた静子だが、次第に恍惚にのたうちはじめていた。興奮した誠は思わず彼女を抱いてしまった。誠の不能が回復したのだ。こうして誠の飼育によってマゾの快感を覚えた静子を、誠は千造に返そうとはせず、自分の玩具のように可愛いがるのだった…。
SM小説の大家 団鬼六の作品を演じられるのは、初代SMの女王と称される谷ナオミしかいないというわけです。とはいえ「花と蛇」の前にはSM関係の作品は「奴隷未亡人」だけですので、谷ナオミは、これ以降メキメキと女王としての頭角を現していくことになります。
"Flower and snake (1974)" review, beyondRatedR, part 3
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続編「花と蛇 地獄篇」が制作されたのは1985年です。なんと11年ぶり!根強くというか、しぶとくというか、ファンは潜んでいるんですね。
主演は、麻生かおりにチェンジしています。谷ナオミで続けてほしかったところですが、11年も経ってしまっては仕方のないところでしょうね。
主演は、麻生かおりにチェンジしています。谷ナオミで続けてほしかったところですが、11年も経ってしまっては仕方のないところでしょうね。
さて、ここからは主役を変えながら怒涛のラッシュが始まります。翌年1986年には小川美那子主演で「花と蛇 飼育篇」が公開されます。
「飼育篇」かぁ、もうタイトルからしてただ事ではないですね。しかし、そこが愛好家にとっては「たまらん」ところでもあります。
同年12月にはこれまたナイスなネーミングの「花と蛇 白衣縄奴隷」が公開されます。
同年12月にはこれまたナイスなネーミングの「花と蛇 白衣縄奴隷」が公開されます。
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主演は真咲乱ですが、前作から引き続き小川美那子が出ているところがファンには嬉しいところですね。
飼育、奴隷とくれば、次は調教ということで、「花と蛇 究極縄調教」が長坂しほりを主役にして1987年に公開されています。
飼育、奴隷とくれば、次は調教ということで、「花と蛇 究極縄調教」が長坂しほりを主役にして1987年に公開されています。
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80年代は「花と蛇」のためにあったと言いたくなるほどの充実ぶりですね。しかし、多くの人々に衝撃を与えることになるのは2000年代に入ってからのことです。