【アイギーナの予言】は常人にはクリア不可能!? 理不尽とも言える難易度の高さの秘密に迫る!!
2019年11月4日 更新

【アイギーナの予言】は常人にはクリア不可能!? 理不尽とも言える難易度の高さの秘密に迫る!!

難解なファミコンソフトは数多ありますが、その中でも異色の存在感を放っているのが「アイギーナの予言」です。アクションに謎解きの要素を加えた意欲作なのですが、その異常なまでの難易度の高さから当時、多くの少年が途中で投げ出してしまいました。その「アイギーナの予言」の難しさとはどんなものなのか、改めて見ていこうと思います。

12,649 view

「アイギーナの予言」とは、どんなゲームなのか?

ファミコンソフト「アイギーナの予言」は、ビック東海(現TOKAIコミュニケーションズ)から1986年11月21日に発売されました。ゲームの内容は、青年考古学者である主人公「ジェイソン」を操作し、様々な謎を解きながら進めていくアクションゲームです。
 まだまだアクションやシューティング全盛の1986年当時、単なるアクションではなく、謎解きというアドベンチャー要素を付加するなど、なかなか挑戦的なゲームであったと言えるでしょう。
パッケージイラスト

パッケージイラスト

「アイギーナの予言」を出したビック東海ってどんな会社?

このビック東海という会社、ファミコンでは「アイギーナの予言」の他、「カケフくんのジャンプ天国スピード地獄」や「ゴルゴ13 第一章 神々の黄昏」など、非常に難易度の高いゲームを出したことでも有名です。そのため、一部では「クソゲーメーカー」などと呼ばれる不遇な会社でもあります。
 ちなみにセガファンなら、「バトルマニア」2作品を出した会社と言えば分かるでしょう。こちらは現在でもプレミアが付くなど、かなり人気のあるゲームですね。

アクションと謎解き、どちらも難しい

クセのあるアクション

「アイギーナの予言」の操作方法は、十字ボタンの左右で移動、Aボタンでジャンプ、十字ボタンの上を押しながらAボタンでハイジャンプとなります。この2種類のジャンプを使いこなすことが攻略の上で重要になるのですが、ジャンプ自体にクセがあって非常に使いにくい!
 しかも、敵がいる状態で使い分けるには、練習と慣れが必要になります。操作に慣れる前に投げ出した人もいるほどクセが強いですので、まずは操作方法を完全にマスターするのが攻略の第一歩と言えるでしょう。
遺跡内部のプレイ画面

遺跡内部のプレイ画面

上下移動はジャンプで。狭いので意外に神経を使います

特殊な攻撃方法

固有の攻撃方法を持たない主人公「ジェイソン」唯一の攻撃方法は、特定の床を下から叩くと出現する「シューター」を使うことです。つまり、敵を攻撃するには、

①シューターを出現させる
②シューターに重なる
③ジャンプしてシューターを起動する

という手順が必要になるため、非常に手間がかかります。そのため、急に目の前に出現する敵に対応できない、といった難点があり、攻撃は基本的には待ちの姿勢になってしまいます。地道な作業ながら、これも練習で克服する必要があります。

ファミコン版 アイギーナの予言【Aigina's Prophecy】

実際のシューターの使い方が分かると思います。

ほぼノーヒントの謎解き

「アイギーナの予言」を超難解ゲームとしている最大の要因が、理不尽とも言えるほどの謎解きの難解さです。このゲームでは、先に進むために各種アイテムを入手する必要があります。一応、そのアイテムの入手方法のヒントは、各ステージにいる人物から聞くことはできます。しかし、そのヒントが非常に断片的で、ヒントからの推測が非常に困難なのです。
 例えば、あるステージでアイテムを入手するのに「特定の部屋で3回ジャンプする」というヒントが得られます。しかし、部屋は判明しても、部屋のどの場所でジャンプするかは完全なノーヒントです。そのため、プレイヤーは場所を予測するか、時間はかかるが部屋全体をローラー作戦よろしく、しらみ潰しに調べていくしか方法がありません。
 ただし、ヒントがある場合はまだマシな方です。場合によっては、完全にノーヒントで謎を解かなければならない場所も多くあるのです。もうこれは、超能力者かニュータイプじゃないと見つけるのは不可能! と思わずサジを投げるほどです。このあたりが、多くの少年を絶望の淵に落とした「アイギーナの予言」の真骨頂と言えるでしょう。
マップ画面

マップ画面

マップ画面で新たなステージに移動。道を切り開くヒントはほぼありません(笑)。

最後に施された理不尽極まりないトラップ

現在でも語り草になっている、ファミコン史上最凶最悪のトラップが「アイギーナの予言」にはあります。それはゲーム終盤、神殿で眠っていたライラ姫の救出後に発生します。
 あるほこらに入ると、そこにいる人物に「その姫はニセモノ。ココに置いていきなさい」と言われ、「はい・いいえ」の選択肢が表示されるのですが、ここで「はい」を選ぶと最悪です。実はその人物が悪魔で、これまでのプレイ内容は全てリセット、ゲーム開始直後に戻されるという、理不尽と呼ぶのも生易しいトラップが仕掛けられているのです。
 当然、これまでのゲーム中で悪魔の存在など微塵も感じさせず、また伏線も全くありません。そして、今までヒントを与えてくれた人物のグラフィックとまったく同様なので、ちょっと怪しいけれど、もしかしたら…と思わせるような演出も凶悪さに一役買っているでしょう。
 こんな極悪なトラップを平気で用意できるあたり、「ビック東海、恐るべし」といったところでしょうか。ちなみにトラップに引っ掛かった場合、素直に最初からプレイするか、事前に取得したパスワードで再開するか、どちらかしか方法はありません。
攻略本もあります

攻略本もあります

ホントにヒントが少ないので、攻略本に頼るのは恥ではありません!

プレイの助けになる裏技を紹介

難易度の高い「アイギーナの予言」ですが、謎解きはともかく、アクション部分では無敵コマンドを使うことで、ある程度は進めやすくなります。以下にコマンドを記載しますので、どうしてもアクションが苦手な場合、使ってみるのもいいでしょう。
 なお、この無敵コマンドでは当たり判定がなくなるだけで、炎の沼に落ちるとミスになりますので注意してください。
25 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

カケフくん、まじかるキッズどろぴー、バトルマニア…知る人ぞ知るゲーム会社「ビック東海」の現在!!

カケフくん、まじかるキッズどろぴー、バトルマニア…知る人ぞ知るゲーム会社「ビック東海」の現在!!

80年代から90年代にかけて、ファミコンやメガドライブ用のゲームなどを制作していた「ビック東海」が世に送り出したゲームソフトと、現在の状況について特集したいと思います。
ファミコン『電撃ビッグバン!』カンフーアクションかと思いきや、ロックマンのような装備を着用していた!!

ファミコン『電撃ビッグバン!』カンフーアクションかと思いきや、ロックマンのような装備を着用していた!!

『電撃ビッグバン!』は、ビック東海から発売された探索アクションゲームで、ハイテクアイテムや仙術などを上手く使いながら敵を倒します。ロックマンに探索・謎解き要素を加えた様なゲーム作品です。
星ゾラ | 5,465 view
【ファミコン】任天堂、ナムコ、コナミ、バンダイ、カプコン、エニックス、スクウェア…錚々たるゲームメーカーたちのファミコンゲーム参入第一弾を振り返る。

【ファミコン】任天堂、ナムコ、コナミ、バンダイ、カプコン、エニックス、スクウェア…錚々たるゲームメーカーたちのファミコンゲーム参入第一弾を振り返る。

1980年代ファミコン黄金期、様々なゲームメーカーがファミコンソフト市場に参入しました。参入第一弾はどの会社にとっても勝負作だったはず。しかし、かの名作スーパーマリオやドラクエ、FFも第一弾からは生まれていません。そこで各社のファミコン第一弾がどんな作品だったかまとめてみました。当時表現力の貧弱だったファミコン、魅力を伝えようと工夫されたパッケージデザインにも注目です。
青春の握り拳 | 140,331 view
【ファミコンゲームのカセット形状】メーカーごとに形状が異なるファミコンカセット、その特徴を振り返る。

【ファミコンゲームのカセット形状】メーカーごとに形状が異なるファミコンカセット、その特徴を振り返る。

「ファミコンカセットの形に注目」子供のころ、おもちゃ屋さんで眺めるファミコンカセットのパッケージデザインはどれも趣向を凝らしていて購買意欲をそそりました。いざ購入してプレイしてみると、ハードの表現力が貧弱なこともあってサウンドやグラフィックは似たようなゲームが多かったのもご愛敬。そして、パッケージデザインとゲームの中間に位置したものが「ゲームカセット」でした。メーカーごとに特徴があったカセットの形状、ちょっと思い出してみませんか?
青春の握り拳 | 124,399 view
【1987年のテレビゲーム】コンピュータゲームが大きく発展した1980年代を、ファミコンを中心に1年ごとに丁寧に振り返る。

【1987年のテレビゲーム】コンピュータゲームが大きく発展した1980年代を、ファミコンを中心に1年ごとに丁寧に振り返る。

【1987年のテレビゲーム】1980年代に幼少期から青春時代を生きた私たちは、家庭用ゲーム期黄金世代と呼ばれる世代です。1983年のファミコン登場以降、家庭用ゲーム機が遊びの主流へと駆け上がる中で、私たちは「外遊び」「家遊び」「勉強」を巧みに使い分けながら、ファミコンを中心とした家庭用ゲーム機の進化を肌で味わってきたといえるでしょう。そんな1980年代を1年ごとに振り返る、今回は1987年について振り返ってみます。
青春の握り拳 | 42,907 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト