日曜のお昼の番組と言えば「あっちこっち丁稚」
2022年10月23日 更新

日曜のお昼の番組と言えば「あっちこっち丁稚」

夕食時を笑わせてくれていたのが「8時だよ全員集合!」でしたが、昼食時を笑わせてくれたのは「あっちこっち丁稚」ではないでしょうか。

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日曜笑劇場の第1回作品

朝日放送(ABCテレビ)の日曜笑劇場の第1回作品でもあり、シリーズの最長寿番組だったのが「あっちこっち丁稚」です。

1975年4月から1983年9月18日まで、日曜のお昼に放送された公開コントバラエティ番組で、元々は、1974年9月から1978年3月まで朝日放送で放送されていた演芸番組「夕やけ笑劇場」の中で週一回放映されていたものが日曜笑劇場に移行したものです。毎日放送の「番頭はんと丁稚どん」のリメイクともいわれています。

月菓粋 木金堂(げっかすい もっきんどう)

舞台は大正時代の大阪です。
老舗のカステラ屋「月菓粋木金堂」というお店で働く丁稚たちと店主とのドタバタコメディで、吉本の芸人さんもたくさん出演していたので、さながら吉本新喜劇でした。

オープニングでは、当初は丁稚3人(木松、寛松、利松)の漫才で、その後木松と伝次郎(お店の向かいに飼われている犬)が旗揚げゲームをやり、オール阪神・巨人と伝次郎が進行役で子供たちが対戦する尻相撲へと変わっていきました。

舞台となるカステラ屋の旦那さんと御寮さんに、前田五郎と山田スミ子の配役でした。
旦那さんは婿養子で気弱、御寮さんはヒステリックという設定です。
左:坂田利夫  右:前田五郎

左:坂田利夫  右:前田五郎

山田スミ子

山田スミ子

そして、ドタバタを引き起こすのが3人の丁稚です。
木松役に木村進、寛松役に間寛平、利松役に坂田利夫と配役されています。丁稚の名前にはそれぞれの芸名を一文字使われています。
左:木村進  右:間寛平

左:木村進  右:間寛平

画像を見ての通り、旦那さんである前田五郎と丁稚の坂田利夫は、コメディNo.1という漫才コンビでした。二人を含め、山田スミ子、木村進、間寛平は吉本新喜劇の芸人さんたちということもあり、息の合った掛け合いが楽しかったですね。

そして、カステラ屋の一人娘のこいさん役には女優やアイドルなどが起用されました。初代は麻田ルミです。ドラマ「おさな妻」でもご存知ではないでしょうか。
麻田ルミ

麻田ルミ

その他は、
 大番頭役(谷吉):谷しげる、菓子職人(親方)役:花紀京、
 中番頭(伴吉)役:伴大吾、小番頭(黒吉)役: 室谷信雄、小番頭役:高石太、
 女中(お見江)役: 楠本見江子、
 向いのご隠居役:井上竜夫、向いの丁稚役:うのりういち、
 泉屋の旦那役:泉ひろし 、泉屋の番頭(首吉)役:淀川五郎、
 隣の若旦那役:浜裕二、
 巡査役: 由利謙、関係のない男(赤フン男)役:木村あきら
とそうそうたるメンバーです。楽しくないわけはありません。

そして、忘れてはならないのが向かいのご隠居が飼っている犬の伝次郎です。犬らしくない素振りがたまらなく印象に残っています。この伝次郎の着ぐるみの中に入っていた方が「さんまのまんま」のまんまちゃんであることは広く知られていますね。

坂田利夫と犬の伝次郎

それぞれの役者さん達にはテッパンネタというかテッパンセリフがあり、毎回これを聞かないと話が進まない、話が終わらないといった雰囲気がありました。

いつもキレる御寮さんは、
 「どこに居てるんや~!」と旦さんを探す
 「あかんて言うてんのが分からへんのんか〜!」、
 「あかん言うてますのに、どないやねんな〜!」と言い放ち、旦さんをビンタする

旦さんと御寮さんの登場前の丁稚とのやり取りでは、
 「旦さん〜! 五郎造〜! 養子〜!」「こらっ! 御店の主人つかまえて養子とはなんや!!」
 「ご寮さん~! おスミ〜! 白豚〜!」「誰や! いま白豚ゆうたんは!!」

大番頭(谷吉)の口癖には、
 「よいしょと! ああ忙し忙し」「ま〜あぁ、ごきげんさん!」

小番頭(黒吉)の口癖には、
 「ごちゃごちゃ言うとったら、しゃーきまっそー!よ、ワ~レ~」

向いのご隠居さんと伝次郎(飼い犬)が登場するときは、
 「おじゃましまんにゃわ」

隣の若旦那の登場は、「ごめんくさい」

など、テッパンネタが面白かったですね。

この他に、御寮さんがキレた後に現れる謎の「赤フン男」。セリフもなく赤い褌をつけた小太りの男が黙って平泳ぎをしながら去っていくシーンは滑稽です。

山田スミ子と赤ふん木村明

おしまいに

とても楽しい番組だったのに、これほどまでに情報がないとは思ってもみませんでした。そんな中でも自分と同じように懐かしい楽しかった思い出としてツイートしていらっしゃる方がいましたので、ご紹介します。
チェリーボウイさん同様に今観ても十分面白いと自分も思うのです。吉本新喜劇とは、また少し違った面白さがあります。観に行きたかったな。
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