老舗ギャルゲーメーカー『エルフ』をご存じの方は居るだろうか。
『同級生』や『下級生』、更には『YU-NO』や『臭作』シリーズという
名作の数々、そして別ブランドのシルキーズを立ち上げ、そちらでは
『河原崎家の一族(元エルフ作品)』や『野々村病院の人々(元エルフ作品)』をリリース。
創立者の蛭田昌人による独特なセンスの文章と練り込まれたシナリオが
好評となり、ギャルゲーファンだけでなく一般ゲームユーザーからも
注目を浴びるほどであった。
昔は「東のエルフ、西のALICESOFT」と言われていたくらいである。
1990年代後半には、ライセンス許諾の形でコンシューマ市場に参入。NECアベニューやバンプレストなどにより移植された代表作数本は、
計約40万本を売り上げる。また、18歳未満購入禁止の制限枠(18禁枠)を設けてアダルトゲームからの移植を容認する方針を示したセガサターンへは自社移植の形でも参入したが、その発売作品の多くがあまり間を置かずにほぼ同じ内容のWindows95版も発売されていることから、逆移植を参入当初より視野に入れたものであったことが窺える(しかし、後にセガが18禁枠を撤廃した時を境に、SSへの自社移植からは撤退した)。
このコンシューマ参入と同時期に発売した『臭作』は、凌辱物としては
異例の10万本を売り上げている。なお、剣乃は諸事情から『YU-NO』のSSへの自社移植完了を待たずに退社すると、ペンネームを菅野ひろゆきに戻して株式会社アーベルを起ち上げている。
2000年夏には、看板ソフトのほとんどをディレクションしてきた蛭田が代表取締役の座を下田篤に譲り、引退[1]。以後は企画や開発の中心を、外部ライターとのコラボレーションに移行してゆくこととなる。
青春アドベンチャーゲーム 同級生の魅力
基本シナリオは夏休みの前半部分をナンパ資金調達のアルバイトに
明け暮れた主人公が、8月10日から8月31日までの間に街や学園を
ナンパして回るというものであるが、話が進むにつれ、各ヒロインが
持つ悩みやコンプレックスといった問題に主人公が向き合っていく
という恋愛ドラマや青春ドラマが待っており、「どうして主人公は
ヒロインに好かれ、セックスに至るのか?」という問いへの回答が
提示される。
高校生最後の夏休み、というのがまた良い舞台設定ですね。
甘酸っぱい青春って感じです。
甘酸っぱい青春って感じです。
といったキャラクターと会話を繰り広げつつ、女の子を
攻略していきます。すると……
攻略していきます。すると……
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
無数に存在すると言われる並列世界を渡り歩き、隠された謎を解くことがゲームの目的である。並列世界はSFの題材としてはなんら珍しくないが、物理、数学、哲学、歴史、宗教の知識を元に作られた独特の世界観は多くの支持を得た。特に名高いのがA.D.M.S(アダムス、オート分岐マッピング・システム)と呼ばれる、分岐した並列世界をマップにして視覚的にわかりやすくし、探索を助けるためのシステムである。
境町学園の三年、有馬たくやは、一学期がようやく終わり明日から
夏休みだというのに学校にとどまっていた。そこに、少し前に赴任した
女医で新担任でもある武田絵里子が現れる。二言三言の会話の後、
たくやは彼女から慰めの言葉を受けた。それは彼の父、有馬広大が
死亡した事への彼女なりの気遣いだった。
二ヶ月前、歴史学者だった広大は研究のため家を出た後に落石事故で
行方不明になった。捜索はしたものの結局発見できず、1ヶ月前に
死亡と認定された。ただたくやには、父は非常にアクが強く
アグレッシブで、その性格が死と結びつかなかったためか不思議と
父が死んだという印象が沸かなかった。
たくやは既に実母も幼い頃に亡くしており、父の死後は父の後妻である
亜由美と暮らしていた。たくやの父と結婚してからほんの半年で未亡人となってしまった亜由美だが、そんな影を見せないよう気丈に
振舞っていた。だが、たくやはそれが演技であるとうすうす感じていた。
亜由美は町内に勤務先があるジオ・テクニクス社の社員で、現在はその新オフィス建造の総責任者となっている。だが、その工事において
最近おかしな事件が起こっていた。工事現場となっている境町の海岸で、三度も落雷死亡事故が起こったのだ。落雷が同じ場所に三度も落ちた
ことだけでなく、全て死亡事故となっていたことでその事故は「三角山の祟りのせいではないか」という妙な噂が立っていた。「三角山」とは工事現場の海岸の端に立っているまるで塔のような岩のことで、その麓にまだ解明のされていない古代の遺跡の痕跡らしきものが存在した。