概要
女子高校の演劇部に所属する生徒たちの心模様を描く。
毎年春の創立記念日にチェーホフの『桜の園』を演じるのが伝統になっている女子校・桜華学園で、演劇部に所属する少女たちの葛藤を通じて、少女たちの人間関係と心理を描いた作品。
開演前の2時間の出来事をほぼリアルタイムで描いている。
キャスト
志水由布子(ドゥニャーシャ / 部長):中島ひろ子
ラネフスカヤ役の倉田知世子に恋心を抱く演劇部部長。
櫻の園上演前に起る数々のトラブルにも冷静に対処する。
何故か禁止されているパーマをかけてきています。
とにかく中島ひろ子の演技が素晴らしいです。
抑えた演技でありながら秘めた葛藤をうまく表現していると思います。
杉山紀子(ヤーシャ):つみきみほ
部長の清水を慕っている。
他校の生徒と煙草を吸っているところを見つかり補導される。
それによって櫻の園が公演中止になりかけるが・・・
映画公開時に生徒役で名前を知っていたのは、このつみきみほだけでした。
孤立している杉山の感じをうまく演じていました。
開演直前に「志水さん今日誕生日でしょ?」と言った顔が可愛く印象に残っています。
部室前の演技も切なくて好きですね。
倉田知世子(ラネフスカヤ):白島靖代
背が高い事が悩みで、女主人ラネフスカヤを演じる事にプレッシャーを感じている。
上演前にはかなりナーバスになっているが、志水部長の言葉で覚悟を決める。
美人でスタイルも良いのだが繊細で気が弱い倉田をうまく演じてます。
舞台メイクするとさすがに綺麗です。中庭?のシーンは素晴らしい。
城丸香織(舞台監督):宮澤美保
多分伝統的に櫻の園の舞台監督は2年生がやらされるんでしょうね。
とにかくバタバタとして忙しい感じでした。
この作品がデビュー作らしいですが自然な演技が出来ていると思います。
本作で男性との絡みがあるのは城丸だけ。
俗に言うイケてるグループの子なのかな。
しかし1990年とはいえ彼氏の服装はダサくないですかね・・・・
久保田麻紀(ロパーヒン):梶原阿貴
いわゆる怖い先輩。気が強そうで物事をはっきり言うタイプのようです。
舞台に出る志水部長の「行きます!」の声に小さく「はい」って言うところ好きです。
深夜食堂の2でお見かけしました。ちなみに3にはつみきみほさんが出演なさってました。
大町真由美(トロフィーモフ):三野輪有紀
久保田の子分的なスタンスの部員ですかね。
平井和代(ガーエフ):白石美樹
戸田麗子(シャルロッタ):後藤宙美
ナルシストっぽい部員。いつも手鏡を持っています。
河合喜美子(ピーシチク):いせり恵
井上志摩子(ワーリャ):金剛寺美樹
アーニャ役の敦子とコンビみたいな部員
志摩子と敦子はクラスでは目立つ存在なんでしょうね。
前はCMにも出演されていて、その関係で笑っていいともに出た時は
志摩子だ!って言ってしまいました(笑)
中野敦子(アーニャ):菅原香世
志摩子とコンビの敦子。綺麗系の方です。
声に特徴があって可愛いので声系の仕事すればいいのに・・・
櫻の園以降の情報が無いのが残念です。
藤城千晶(フィールス):永田美妙
木村環(エピホードフ):丸山昌子
桜華学園・演劇部2年
松本圭子(舞台監督助手):古川りか
美術係
三島一子:西村雪絵
神奈川潮美:永椎あゆみ
高田真理子:佐藤友紀
大西加奈子:浅沼順子
照明係
堀口さゆり:山田純世
高野久美:白戸智恵子
音響係
田代有美:阿部千種
佐野留美子:大原麻琴
生徒役で名前を知っているのは、つきみみほだけと書きましたが
この大原真琴さんも知ってました。
女優ではなくテレ朝のバラエティ番組のアシスタントとしてですが。
顔が好みだったので応援していたのですが、セクシー系に転向、
ヘアヌード写真集を出してからの活動が無くなりました・・・
聖華女子学園
森沢なつ子
西山友紀子
植竹よしみ
杉山と煙草を吸っているところを見つかった3人組。
森沢さんだけなんとなく他の作品で見た事があるかも。
不良っぽいのでしょうが衣装がちょっと酷いです。
島田祐介:三上祐一
城丸さんの彼氏っぽい大学生
何度も言いますが服装が酷い
中野綾子:橘ゆかり
アーニャ役の敦子の姉。元演劇部ですが中退したので櫻の園の舞台には立っていないようです。
坂口:上田耕一
どこの学校にもいる怖い先生。櫻の園を中止にしようとします。
タバコを持っていた聖華女子学園の3人組を追いかけますが
追いつけずむせて倒れそうになります。
里美先生:岡本舞
演劇部顧問。櫻の園を上演する為に必死で交渉したらしい。
中村先生:南原宏治
坂口先生とは違って落ち着いた先生。櫻の園には思い出があるようです。
ストーリー
映画『櫻の園』予告編 - YouTube
予告編だけでも、つみきみほと中島ひろ子の凄さが解ります。
白島靖代の鞄の持ち方や立ち姿が男前です。
いやこれ本当に素晴らしい予告編だと思いますね。
拙い文章でストーリー書くより、この2分半の予告編観れば充分な気もします。
どうやらオール明けのようです。
タバコを吸おうとする彼氏から取り上げ部室から追い出します。
入れ替わりで部長の志水が部室に入ってきます。
パーマをかけてきた事に驚く城丸。
そこへ次々と部員がやってきます。
話題はもちろん志水のパーマの事です。
話をうまくかわし屋上へ声出しに行く志水。
代わりに話題は喫煙で捕まった杉山に移ります。
杉山の話で盛り上がる部員達。
その時、屋上では志水がセットの下から見つけた城丸の彼のタバコを
くわえます。火をつけようとしますがつきません。
ただ火のついていないタバコをくわえている志水。
部室には顧問の里見先生がやってきます。
部員の出席状況を城丸に確認しますが、倉田がまだ登校していません。
部員たちを各クラスのHRに行かせますが、ちょうど部室に戻って来た志水のパーマを見て舞台監督の城丸と志水を部室に残します。
杉山の事を話して困った事になりそうだと打ち明けます。
中止になりそうなんですか?との志水の問いかけに
櫻の園をやらない創立記念式典なんて聞いた事ないと応えます。
ここのカメラの長回しと、何気なさそうな会話が良いです。
里見先生は席を立ちます。
城丸がスケジュールを黒板に書いていると倉田が現れます。
志水はどこかに行ってしまっているようです。
そこへ志摩子、敦子コンビが来て遅刻してきた倉田に
臨時の職員会議があるから急いで職員室に行くように言います。
櫻の園が中止になるかも知れないと言います。
職員室で顧問の里見と坂口が言い争いをしているとの事。
久保田は行こう!と駆け出します。
後に続く部員達。城丸と倉田も後に続きます。
一人部室に残る志水。そこへ杉山がやってきます。
すいませんと謝る杉山に、大丈夫?と気遣う志水。
そこへ敦子の姉、綾子が差し入れのアイスを持って来ます。
二人でアイスを冷蔵庫にしまう志水と杉山。
その時校内放送で2人は進路指導室に呼ばれます。
入れ替わりに入って来た部員に謝る杉山。
全員でアイス
櫻の園が中止になるかどうかを話す部員たち。
城丸の「毎年同じ様に過ごす先生は来年来年って言うけど、先輩たちには今年しか無くて、私たちには来年しか無いんですよ!」と涙ながらに言うセリフが良いです。
その頃、部室では櫻の園が上演出来るのか部員たちが話しています。
ここで久保田がカッコイイ台詞を言って他の部員に
それって青春みたいじゃない?と茶化されますが
だって青春だもん!と言い返します。ここ好きですね。
照れ隠しの様に声を出しに行こうと部室を出る久保田とそれに続く部員たち
進路指導室にて
櫻の園と言えば部室横で写真を撮る志水と倉田のシーンが有名ですが、個人的には、この進路指導室の場面が一番好きです。
杉山が志水と2人きりでいられるのが嬉しくてたまらないのに、志水に「倉田さんの事好きでしょ?」と聞くところとか切なくて良いです。
ここの演技は本当に素晴らしいと思います。
製作 ニュー・センチュリー・プロデューサーズ=サントリー
配給 アルゴプロジェクト
監督:中原俊
脚本:じんのひろあき
製作者:岡田裕
プロデュース:笹岡幸三郎
撮影:藤澤順一
美術:稲垣尚夫
演奏:熊本マリ「ショパンの主題による変奏曲」
助監督:冨樫森、篠原哲雄、原正弘、竹内正樹
ロケ協力:聖望学園中学校・高等学校
スタジオ:日活撮影所
現像:東京現像所
上映時間:96分
90年度キネマ旬報日本映画ベスト・テン第1位、日本映画監督賞、脚本賞受賞
90年度日本アカデミー賞編集賞受賞
90年度毎日映画コンクール日本映画優秀賞、女優助演賞(つみきみほ)受賞
第15回報知映画賞作品賞受賞
90年度山路ふみ子映画賞 ○
90年ヨコハマ映画祭作品賞、監督賞、脚本賞、最優秀新人賞(中島ひろ子