櫻の園が中止になったら暴動を起こそうかな!と言い出す志水。
手伝ってくれる?と言われて嬉しそうな杉山。
パーマ似合ってますね。倉田さんに見て欲しかったんでしょ?
と言う杉山に挙動不審になる志水。
話題を変えてどうして女子高に来たかを話す2人。
志水は男子に対してトラウマがあるようです。
そこへ顧問の里見が現れ「櫻の園やるからね!」とだけ言い残し
退室します。
拍子抜けする2人。「志水さん暴動出来なくて残念?」「残念!」と志水。
そこへ城丸が櫻の園の上演が決まった事を伝えに来ます。
すぐ後に志水と杉山も来ます。
再度謝る杉山。一番不良っぽいのに一番地味なジャージがいいですね。
何か倉田に話しかけ、杉山と2人ウォーミングアップする志水。
身体を動かした後、語り出す志水。何か吹っ切れたようで、心の内を正直に話します。
教室には志水が待っていて衣装を直してくれる。
励ます志水だったが、極度に緊張している倉田は櫻の園が中止になればいい!と教室を飛び出します。
講堂にセットを搬入しようとする2年生ですが、中では杉山の事でPTAの話が長引いてるようです。
外階段ではまだ搬入が出来ずに美術係の4人は遊んでいます。
講堂から出てくる聖華女子学園の3人。続いて里見も出て来ます。
「あんなバカなやつらの話なんか聞いてらんないわよ」と言い放ち去っていきます。
その時、校内の廊下では1人倉田が芝居の台詞を繰り返しています。
どんなに繰り返しても不安は拭えないようで座り込んでしまいます。
校舎裏のようなところで杉山が1人メイクをしています。
進路指導室で志水から預かったタバコを一本出して火をつけようとした、その瞬間に火災報知機の音が鳴り響きます。
足早に廊下を歩く倉田を見つけますが見失います。
倉田の歩いてきた方向にはボタンが押された火災報知機が・・・
校舎裏と思われるところで会う杉山と聖華の3人。
志水の事を慕っている事を知っている3人に冷やかされます。
そこにはメイクを終えた倉田が座っていました。
安堵の表情を浮かべる志水。
部員たちは先に講堂に移動し部室には倉田と志水が残ります。
「これありがとう」と倉田。
「緊張してる?覚悟決めよ。中止になんかならない」
そして倉田と志水は芝居の台詞を二人で口ずさみます。
そんな二人を階段の途中で見つける杉山。
足を止め楽しそうな二人を複雑な表情で見つめます。
杉山・・・・
後方の窓の向こうでは倉田と志水がきゃっきゃしながら写真を撮ろうとしています。
進路指導室で喉弱いし櫻の園があるから最近吸ってないって言ってたのに・・・
でも気持ちはわかるぞ!
倉田と志水は写真を撮る為に中庭に移動します。
二人の仲良さそうな声を聞きながら杉山はタバコに火をつけます。
並んで写真を撮り始める二人。
「私、倉田さんの事が好き!・・・ダメ?」
「ううん。ダメじゃない」
「倉田さん好きよ!大好き!」
「嬉しい。もっと言って!」
そんな声を聞きながら宙を見つめる杉山。
「もっと寄ろ!」「もっと」
密着して写真を撮る二人。
杉山がタバコの火を消した時、城丸が呼びに来る。
二人を呼びに部室に飛び込もうとする城丸を制し
その場で倉田と志水に声をかける杉山。
ここでの作った声もうまいですね。
中村先生は若い時に演劇をやっていたようで当時の事を語ります。
その時、トイレでタバコを吸っていた聖華の3人が坂口に見つかります。
校内を逃げる3人と追う坂口。逃げ切った聖華の一人が火災報知機を殴ります。
講堂では城丸が開演のアナウンスをして開始のベルを押そうとします。
指がスイッチに届く寸前に非常ベルが鳴り響きます。
振り返って志水を見る城丸。志水はただそっとうなずきます。
その時、杉山が声をかけます「志水さん今日誕生日じゃない?確かそうじゃない?4月14日そうでしょ?」
おめでとうと声をかける部員たち。誰とはなしにハッピーバースディを歌います。
今度こそ本当の開演のベルが鳴り、志水が軽く後ろを振り返り「行きます」後ろの久保田が「はい」と緊張を感じる声で応えます。
白く光る照明の中、ステージに歩を進める志水。
その姿を見つめる部員たち。
誰もいない部室に桜の花びらが舞っています。
終わり
最後まで読んでくれる方がいるのだろうか・・・
何故1990年版「櫻の園」が素晴らしいのか
ただ感じたままに書き連ねてみます。
20人以上の演劇部部員は全員オーディションで決めてしかも
ほとんどの部員が、初出演の素人だったようです。
つみきみほ、白島靖代、中島ひろ子は映画出演もあり演技力は別格でしたが、他の部員たちも自然な演技が出来ていたと思います。
撮影に入る間に何ヶ月も演技指導が行われ、部員が一緒に過ごす時間をとったそうです。
その甲斐あってか、まるで本当に桜華学園演劇部が存在するんじゃないのかと錯覚するくらいの出来になっています。
引きの画で部員たちがしゃべっているところとかは、まるで部室を覗いているような気になります。
個々の個性もうまく作られていて素なのか演技なのかわからないんですよね。
中島ひろ子が、あまりに役に没頭した為、本当に白島靖代に恋愛感情に近いものを持ってしまったと言うのは有名な話です。
観ている側も、変に有名な俳優さんが出ているわけではないので、感情移入し易かったのではないでしょうか。
今では古臭いと思われる台詞もありますが、当時の女子高生のリアルな会話のようで自然に聞こえます。
志水、倉田、杉山の三角関係がメインなのですが、それ以外のキャラも良いのでダレる事が無く、特に梶原阿貴演じる久保田のツンデレ感など実に良いですね。
まとまりがありませんが、簡単に言うとこんな感じですかね。
志水の誕生日を祝い、開演のベルが鳴り、舞台に立つ。ああもう終わってしまうんだ・・・ そんな切ない様な寂しい様な気にされる映画でした。
「あなたたちの事、良く思ってなかったの。羨ましかったのかな・・・」
「倉田さんの事、好きなのも本当。」
それを聞いた時の杉山の顔がこの画像です。
気がついていたけど、いざ本人の口から聞くとやっぱりショックなんですね。それを目だけで表現したつみきみほ。良いです!