『メトロイドシリーズ』(1986年)シリアスでダークな世界観を貫いているSFアクションゲームの金字塔
2017年1月24日 更新

『メトロイドシリーズ』(1986年)シリアスでダークな世界観を貫いているSFアクションゲームの金字塔

任天堂のコンピュータゲームとしてはやや珍しい、シリアスでダークな世界観を貫いているSFアクションゲーム「メトロイドシリーズ」。ひたすら無機質に淡々と進むイベントと、グロテスクな舞台・キャラクターが、不気味な世界を演出しています。メトロイドシリーズと主人公のサムス・アランのおさらいをしましょう。

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メトロイドフュージョン(ゲームボーイアドバンス(GBA...

メトロイドフュージョン(ゲームボーイアドバンス(GBA)・2003年2月14日)

『メトロイドフュージョン』(METROID FUSION)は2003年2月14日に任天堂から発売された、ゲームボーイアドバンス用アクションゲーム。8月10日の値下げ以前にニンテンドー3DSを購入した人対象のお詫びである「アンバサダー・プログラム」にて3DSのバーチャルコンソールの限定配信が2011年12月16日に開始され、その後2014年4月30日にWii Uのバーチャルコンソールとして正式に配信された。

前作『スーパーメトロイド』の発売から8年後に発表された、メトロイドシリーズの第4作目。作中のオープニングデモでは『METROID 4』と銘打っている。なお、フュージョンの発売から14日後に『メトロイドプライム』が発売された。

『スーパーメトロイド』と繋がっている続編であり、前作では文章による説明が余りなかったが本作では多く取り入られると共に、表示される文章の内容を「子供に分かりやすい内容で、文字をひらがな・カタカナを多く使用したコドモ向け」「作品のシリアスな雰囲気に合わせた大人向け」の2種類、またゲームの難易度もイージー、ノーマル、ハードの3種類から選択する事ができる。
惑星SR388に元来生息していたとされるゲル状の寄生生...

惑星SR388に元来生息していたとされるゲル状の寄生生命体「X(X-parasite)」

惑星SR388に元来生息していたとされるゲル状の寄生生命体。黄・緑・青・赤の4色と、刺々しい外殻を持つ大型のコアXが存在している。

見た目からは想像できないほど知能がある(B.S.L.の施設や機器の用途を理解して、自身に有益かつサムスに対する妨害行為を行うなど)。

空中を浮遊しながら他の生物の体内に浸透・寄生して分裂・増殖すると共に、最終的に寄生した生物を殺害。その際に得たDNA(遺伝子)情報などを基にその生物そっくりに擬態する能力を持つ。

この擬態能力は生物の形質・容姿を真似るだけでなく、寄生元の生物が所持していた能力・技術、知識や記憶など後天的な学習要素も正確に模写可能であり、さらにX同士が所持している情報を合成したり、遺伝子情報を自ら組み換えて自己強化(進化)することもできる。

しかし、サムスを倒すことを優先した余り、自分たちも全滅するにも関わらずB.S.L.を自爆しようとしたり、SA-Xがメトロイドに遭遇した際にアイスビームを使用しないなど、その行動は至って動物的な本能に依存しており、どのような生物に擬態してもただ種を増やす欲求が常に優先されるため、感情や理性と言った「心」を模写することは決してない。
青いX。敵を倒して擬態を解除した「X」を入手(吸収)す...

青いX。敵を倒して擬態を解除した「X」を入手(吸収)することでエネルギーおよびミサイルなどが回復する。

本作では敵を倒して擬態を解除した「X」を入手(吸収)することでエネルギーおよびミサイルなどが回復するようになっており、Xは吸収しないとあちこち動き回り、最終的には逃げ出したり、再度別の生物に擬態してしまう。

またサムスの潜在能力の取得も、元々所持していた能力を特殊なXを吸収して覚醒させる、もしくはデータルームと呼ばれる施設で能力データをダウンロードすることで入手できるものになっている。
バリアコアX

バリアコアX

バリアコアX(Mega Core-X)
セクター6-NOCに出現した強化型コアX。サムス・アランに対する防衛本能により、バリアスーツデータを自らの意思でダウンロード(吸収)した結果、通常のコアXに比べて外殻が肥大化している。

擬態していないため弱点は全身だが、周囲には小型のコアXがバリアの様に旋回しており攻撃・防御の両方に利用している。また、ミサイル攻撃を無効化してしまうためチャージビーム攻撃でのみダメージを与える事ができる。ある程度ダメージを受けると、元のコアXに戻ってしまう。
ラスボス「オメガメトロイド」

ラスボス「オメガメトロイド」

オメガメトロイド(Omega Metroid)
惑星SR388に生息していたメトロイドの最終形態。シークレットラボの自爆から逃れた1体がセクター1-SRXで急成長した事で、ドッキングベイで遭遇したサムスに襲いかかる。B.S.L.が惑星SR388に衝突する前に脱出する、その最中に戦闘となるため制限時間以内に撃破しなければならない。攻撃能力は強靭な前腕による爪の振りかざしのみだが威力は脅威的であり、直撃すると暫く身動きする事ができなくなってしまう(レバガチャ動作で回復を早める事はできる)。

フュージョンスーツの特性上、メトロイドの弱点であるアイスビームが使用できない(アイスミサイルも無効化してしまう)ためサムスを境地に追い詰めるが、天敵のメトロイドを倒す本能に従い現れたSA-Xが瀕死のサムスを無視して乱入、最終的に返り討ちにあったSA-Xをサムスが吸収し本来のパワードスーツの能力・体質を取り戻したことでアイスビームが覚醒、有効なダメージを与えることができる。

本作で唯一Xの擬態した生命体では無い敵キャラクターである。なお、メトロイドの成長過程は4段階だが、作中の説明によると幼生体から一足飛びに成体に成長させる技術が確立しているという。終盤のマップ中には幼生体のまま大型化した抜け殻が複数存在し、途中段階のものは見当たらない。
「メトロイドフュージョン」(2003年)の「サムス・アラン」

「メトロイドフュージョン」(2003年)の「サムス・アラン」

サムス・アラン
銀河連邦からも依頼が舞い込む凄腕の女性バウンティハンターであり、シリーズの主人公。本作冒頭ではかつて惑星SR388に足を運んだ経験を買われ、バイオテクノロジー企業B.S.L.の警護を依頼される。その際謎の寄生生命体Xに中枢神経を冒されてしまい、帰還中に意識不明の状態となる。コントロールを失ったスターシップはアステロイドベルトに突入、自動的に脱出装置が作動したものの、大破してしまった。

メトロイドワクチンで一命を取り留めるが、応急処置としてスーツの大部分をX諸共切除された事で能力の殆どを喪失してしまう。回復後は、B.S.L.で起こった謎の爆発事故に言い知れぬ不安を感じて自ら調査を申し出る。唯一Xに対抗できる存在となったサムスは、Xとの戦いに身を投じる事となる。
クリアタイムごとの「サムス・アラン」

クリアタイムごとの「サムス・アラン」

メトロイド ゼロミッション(GBA・2004年5月27日)

メトロイド ゼロミッション(GBA・2004年5月27日)

メトロイド ゼロミッション(GBA・2004年5月27日)

『METROID: ZERO MISSION』(メトロイド ゼロミッション)は、2004年5月27日に任天堂から発売された、ゲームボーイアドバンス用アクションゲーム。

シリーズ第一作『メトロイド』のリメイク作品である。しかし第二部として『メトロイド』では語られることの無かったサムスの惑星ゼーベスからの脱出や登場するボスや取得できる能力の大幅増加、また新規エリアや要素も多数存在するため実質上は「初代メトロイドの世界観を基にした新作」といえる。
初代メトロイドのリメイク作品である。だが内容は新作と言ってもいいほど変わっている。
現時点で最後の2D作品。

物語は初代メトロイドのシナリオ通りの第1部と、新規シナリオの第2部とで構成されている。
メトロイド ゼロミッション(GBA・2004年5月27...

メトロイド ゼロミッション(GBA・2004年5月27日)の「サムス・アラン」

コスモ歴20X5年、深刻な事件が起きる。惑星SR388にて銀河連邦の調査船が捕獲した未知の生物「メトロイド」がスペースパイレーツにより奪われてしまう。このメトロイドという生物は他の生命体に取り付き生態エネルギーを吸収してしまうというとても危険な生命体であった。

しかもβ線を照射する事により爆発的に増殖させる事が可能だという。惑星SR388の滅亡原因はこのメトロイドが起因していると確実視されていた。メトロイドがパイレーツにより増殖させられ生物兵器として使われては銀河文明は壊滅してしまう。

銀河連邦警察は必死の捜索の末にパイレーツの本拠地「要塞惑星ゼーベス」を発見する。銀河連邦軍は惑星に総攻撃を行うがパイレーツの抵抗により攻め落とす事は出来なかった。

しかも地下要塞の中心ではメトロイドを増殖させる準備が進められているらしい。銀河連邦は最後の手段として謎に包まれた最強のバウンティ・ハンターであるサムス・アランを惑星ゼーベスの内部に侵入させ要塞を管理している機械生命体「マザーブレイン」を破壊させる作戦を決定した。単身惑星ゼーベスへの潜入に成功したサムス。

実は惑星ゼーベスは幼き日のサムスの育った場所でもある。様々な想いを秘めて任務を遂行するサムスを待ち受けるマザーブレインの罠。サムスは無事に任務を全うし銀河を守る事はできるのだろうか?

メトロイド アザーエム(Wii・2010年9月2日)

メトロイド アザーエム(Wii・2010年9月2日)

メトロイド アザーエム(Wii・2010年9月2日)

『メトロイド Other M』(メトロイド アザーエム、METROID Other M)は、Team NINJA開発・任天堂発売のWii専用ゲームソフト。

コンピューターゲーム『メトロイドシリーズ』の一つ。E3 2009にて初公開され、それまでのシリーズとは全く異なる操作体系などを持つ新機軸の作品として制作された。時系列は『スーパーメトロイド』と『メトロイドフュージョン』の間に当たり、『フュージョン』劇中において断片的に描写されていた過去のエピソードに纏わる内容となっている。

ゲームコンセプトおよびキャッチコピーは「最新技術を使ったファミコンゲーム」となっている。これは「誰でも楽しむことが出来るようなシンプルな操作体系の3Dアクションゲームを実現する」という意味であり、Wiiリモコン単体での少ないボタンによる操作体系としつつ、各所のアクションをシチュエーションなどに応じたものが半自動的に選択され発動するなどでダイナミックかつ爽快感ある操作を実現している。

ゲームシステムだけではなく、従来の作品よりもストーリー性にも重点が置かれており、CGムービーやプロの声優を使った音声などが挿入されている。

音声は日本語と英語から選択するようになっており、字幕表示の日本語/英語やON/OFFの設定も可能。日本語音声が入るのはシリーズとして初めての試みである。

ストーリーの中には、それまでの作品ではあまり触れられることがなかった主人公サムス・アランの線密な心理描写や過去のエピソードなどが登場している。ストーリー性にも重点を置いた結果として従来の任天堂作品と比較してムービーの量が多く、『大乱闘スマッシュブラザーズX』以来の二層ディスク使用ソフトとなった。
「メトロイド アザーエム」(Wii・2010年9月2日...

「メトロイド アザーエム」(Wii・2010年9月2日)の「サムス・アラン」

サムス・アラン (Samus Aran)
声優:小林愛 / Jessica Martin
主人公。銀河の危機を幾度となく救ってきたフリーの女性バウンティハンター。今回は航行中にボトルシップからの救難信号を受信して向かい、そこでかつての仲間たちと再会。事態の究明と解決のため共闘することとなる。

本作では上記のようにサムスの内面的・本質的な性格の描写が強調されている。また、従来作と顔のデザインが異なり、口の左下(向かって右下)にホクロがある。

なお、本作におけるサムスの性格設定および描写(感情的で繊細な面の強調)に関して、海外から従来作との相違の指摘があったが、坂本賀勇は「海外のユーザー・開発者のイメージや『メトロイドプライム』などで描写されるサムス像は一側面に過ぎないものであり、元々自分たちが設定していたサムスの性格は本作のものである」と説明しており、月刊マガジンZの公式漫画版のサムスと本作のサムスとはほぼ同様の性格描写となっている。
サムスの口の左下(向かって右下)にホクロがある。

サムスの口の左下(向かって右下)にホクロがある。

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