2016年11月13日 更新

「人形=ヒトガタ」?その由来はケガレを祓うアイテムにありました。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが企画したハロウィーン期間限定アトラクション『祟 TATARI ~生き人形の呪い~』が話題になっていましたが、人形は古来「ヒトガタ」と発音し、ケガレを祓うアイテムでした。

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冬になり、少し前までハロウィーンだ仮装だと盛り上がっていた世間もすっかりクリスマスに意識が向かっている今日この頃。
とはいえ、そういえば、大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」が企画したハロウィーン期間限定アトラクション『祟 TATARI ~生き人形の呪い~』が一時期話題になっていました。

映像【 USJ ハロウィン2016 Jホラー・エリア】祟付近 ネタバレ 9月9日JCB貸し切りイベント

10月18日の時事通信によると、日本人形協会から「日本人形を恐怖の対象として扱っており、イメージを著しく損ねている。供養を目的に神社に奉納された人形を転用するのも問題がある」と正式に抗議文が出されたそうです。

古来「ヒトガタ」 と発音した「人形」

ところで、皆様は「人形」をどう発音しますか?おそらく「ニンギョウ」ですよね。
しかし、日本古来の姿を辿ると違う。「ヒトガタ」と発音していました。人を形どったモノ、ということです。呪いというより、ケガレを祓うアイテムでした。

ケガレを祓うアイテム「人形(ヒトガタ)」

現代でも6月末になると「夏越の祓」「茅の輪くぐり」とも言われる行事が全国の神社で行われます。ここでヒトガタが登場します。人の形をした白い紙切れです。人の形の代わりなので「形代(カタシロ)」とも言います。

何をするのかというと、鳥居に設置された茅の輪をくぐり暑い夏を無事に過ごせるよう祈願する行事です。この時、自分の体にこのヒトガタ(カタシロ)をこすり付けて、自分についているケガレ(穢れ。病気や怪我の元)をヒトガタに移すのです。そして、そのケガレ付きのヒトガタ(カタシロ)は水に流したり燃やしたりして、ケガレともども消滅させます。
流すだけで厄を祓うとされる「形代雛」

流すだけで厄を祓うとされる「形代雛」

光源氏も行ったとされる「流し雛」、転じて「雛祭り」に

このケガレを流す発想は3月の行事でも行われておりました。古典『源氏物語』の「須磨」の巻に、光源氏がお祓いをしたヒトガタを船に乗せ、須磨の海に流したとあります。これ、行事的には「流し雛」といわれます。

流し雛とは、3月3日の節句の夕方、川や海に流し去る雛人形またはその行事・風習のことを指します。雛送りとも言います。罪やケガレをヒトガタ(カタシロ)に移して水に流したこの行事は、今の雛祭りのルーツなんですヨ。

紙から木、板から立体、関節が生まれ糸を通して操れるように、そして「人形」へ

日本の芸能史目線から見ると、そんな紙切れが木材にかわり、板から立体になり、関節が生まれ、糸を通して操れるようになり、最終的に日本を代表する人形芸能「人形浄瑠璃文楽」にまで昇華するのですが、それはまた別の話。ですが、ぜひ文楽もご覧ください。昼ドラばりにどろどろした大人の関係が表現されており、社会勉強にもなりますよー!
日本を代表する人形芸能「人形浄瑠璃文楽」

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