さて、今回は桃太郎以外の鬼退治伝説を紹介させていただきます。気の毒な鬼のお話です。
恋人欲しさに頑張ってあと一歩で挫折する鬼
日本には恋人欲しさに頑張ってあと一歩で挫折する鬼の話があります。
青森県弘前市十腰内の巖鬼山神社の鬼神太夫伝説
その昔、怪力の刀鍛冶・鬼神太夫がいました。彼は刀鍛冶長者の娘を嫁に欲しくて長者に申し込むも長者は「一晩で十腰(本)の刀を作ったらね!」と回答します。しかし、太夫が本当に一晩で十腰の刀を作ったため、焦った長者は一腰盗んで川に捨てました。それを知らない太夫は、何回数えても九腰なので「十腰ない…」と呟きながら立ち去りました。この呟きが「十腰内(とこしない)」の由来になりました…という話です。
秋田県男鹿市の赤神神社五社堂の石段伝説
その昔、漢の武帝が5匹のコウモリを連れて男鹿に来ました。コウモリは5匹の鬼に変わり家来に。鬼たちは正月休みになると里に来て村娘に手を出すなど暴れたので、困った村人は「一晩で1000段の石段を作れたら、1年に1人娘を差し出すよ。作れなかったらもう里には来ないで!」と提案しました。鬼がコツコツ作り出し、1000段作れそうなことに慌てた村では、モノマネ上手な村人が鶏の鳴き声の真似をしてみました。その声を聞き、あと1段!というところで夜が明けたと勘違いした鬼たちは山に帰ってしまいました…という話です。
埼玉県嵐山町の鬼鎮神社
刀鍛冶親方の娘を嫁にしたい弟子に対し、親方が「1日に100本の刀を作れたらね!」と無茶ぶりをします。弟子は凄まじい勢いで刀を打ち始め、その凄まじさから弟子はいつしか鬼に!慌てた親方は鶏を無理やり鳴かせて弟子に夜が明けたと誤解させます。最後の1つを作るところで鳴き声を聞いた弟子はショックで死亡。(自分のせいとはいえ)それを哀れんだ親方は弟子を「鬼鎮様」として祀りました…という話です。
宮崎県都城市の東霧島神社の鬼岩階段伝説
霧島山の麓の村に住んでいた悪鬼が娘を嫁に欲しいと親に頼むも断られ、怒って暴れて村の田畑を荒らしましたため、困った村人は神様に相談しました。神様は鬼に「願いを叶えたいなら一晩で鶏が鳴くまでに1000個の石で石段を作って。出来なければ諦めて!」と提案します。鬼はモクモク作り出し999個使ります。その様子を見て焦った神様は東の空を少し明るくし、鶏を鳴かせます。あと1段ができず鬼は諦めて山奥に消えました…という話です。
一気に紹介しましたが、それぞれ微妙に違いますが、なんだか気の毒な感じがしてしまう自分です…。これでいいのか、と。
退治する側の行動にも問題があることがあるよね、ということを教えてくれる伝説だなあ、と思います。「片方の言い分だけを聞いて判断してはいけない」と教えてくれている気がします。
退治する側の行動にも問題があることがあるよね、ということを教えてくれる伝説だなあ、と思います。「片方の言い分だけを聞いて判断してはいけない」と教えてくれている気がします。
「鬼ごっこ協会」とは?
一般社団法人鬼ごっこ協会 公式HP
一般社団法人鬼ごっこ協会の公式ホームページです。 スポーツ鬼ごっこ大会やいろいろな鬼ごっこについての情報はこちらから見れます。 「鬼ごっこのある町づくり」をビジョンに掲げています。
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