スージー鈴木に聞いた【イントロ】の魅力!80年代ヒット曲のイントロに特徴あり!
2018年11月20日 更新

スージー鈴木に聞いた【イントロ】の魅力!80年代ヒット曲のイントロに特徴あり!

音楽評論家のスージー鈴木さんが「日本音楽史上最強」と呼ぶ1980年代のヒット曲について語った著書『イントロの法則80's 沢田研二から大滝詠一まで』が好評発売中。発売を記念してインタビューを行いました!

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音楽評論家のスージー鈴木さんの著書『イントロの法則80's 沢田研二から大滝詠一まで』が好評発売中です。

スージー鈴木さんが「日本音楽史上最強」と呼ぶ1980年代。
同書は数々のヒット曲が生まれたあの時代の「イントロ」にフォーカス。多くの方が耳にしたであろう名曲たちの”ツカミ”がいかに、我々の心を躍らせ、身体を揺らせたか。

その「最強」たる所以を、厳選された40曲を題材に見事言い当てています。タイトルにもあるように沢田研二から大滝詠一まで、さらにはユニコーン、おニャン子クラブ、田原俊彦、オフコースなどなど、様々なジャンルのイントロを扱い、それぞれの楽曲を豊富な音楽知識と独特の語り口で解説してくれます。

今回、同書の発売を記念して、ミドルエッジ編集部がお話を伺いました。
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音楽トークバラエティ番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」にも出演中!スージー鈴木さん(右)とマキタスポーツさん(左)が往年の名曲に迫る!

スージー鈴木さんにインタビュー!「イントロ」の魅力を語ってくれた!

《Q.》
スージー鈴木さんの著書『イントロの法則80’s』の幕開けとなるイントロは、沢田研二《TOKIO》の考察から始まっています。
最近ドタキャンのニュースで世間を騒がせていますが、彼の狂気を纏った個性はやはり今も魅力的に感じます。

同書で触れられている《TOKIO》の特徴的なイントロ。
衣装も相まって80年代を象徴する楽曲のひとつとなりましたが、それ以前のザ・タイガース時代のイントロにも、何かインパクトのあるものはございましたか。
沢田研二《TOKIO》(1980年)

沢田研二《TOKIO》(1980年)

《A.》
はい。思いつくのは、デビュー曲『僕のマリー』の、マイナーのクリシェ(半音ずつ音が変化する)を使ったイントロや、それこそ銀河にパっと華が咲くような『銀河のロマンス』、バロック風の『廃虚の鳩』など。すぎやまこういちや村井邦彦など、ハイカラ志向の作・編曲家による、ハイカラなイントロを思い浮かべますね。でも、一番好きなのは『美しき愛の掟』のニューロック風イントロです。


《Q.》
スージー鈴木さんも名曲と語る荻野目洋子の《六本木純情派》。以前、ミドルエッジ編集部で同曲の作詞家・売野雅勇さんの取材をさせて頂いた際に、デモテープで音源を聴いた時に「楽曲がマイナーのロックだったので、すごく得意だから自信があった。」とコメントされています。

イントロと作詞、特に歌詞の出だしの関係で、ヒット曲には何か特徴があったりするものなのでしょうか。
荻野目洋子《六本木純情派》(1986年)

荻野目洋子《六本木純情派》(1986年)

《A.》
オフコース『Yes・No』が特徴的です。イントロが終わって、歌に入るときに、キーが半音上がる転調をするんですよね。その、半音すっと上がる感じと、歌い出しの歌詞「♪今なんて言ったの」がリンクしています。話を聞いていなかった男性が、彼女からの問いかけで、ふと現実に戻される感じが、半音転調でうまく表現されています。ぜひ聴いてみてください。


《Q.》
ミドルエッジユーザーに非常に人気の高いBOØWYに関してのご質問です。
1986年にBOØWYが《B・BLUE》でブレイクしました。同曲は10秒程続くドラムスのイントロが印象的でした。

スージー鈴木さんは彼らのブレイクに「唐突感」を感じたと同書で語られています。後にBOØWYがあれほどの伝説的なロックバンドになっていくと、当時思われていましたか。
BOØWY《B・BLUE》(1986年)

BOØWY《B・BLUE》(1986年)

《A.》
いやぁ、全然分からなかったですね。あさっての方向から突然出てきて、急に繁殖した特定外来種みたいな(笑)。バンド名も読みにくいし、音も圧倒的に新しくてね。で、大ブレイクした要因は、生理的な快感性にあると思います。音がとにかく気持ちよかった。快感は突然、急に繁殖しますよね。


《Q.》
“イントロ“を切り口に、楽曲やアーティストを深掘りされている同書。さらにはご自身がご出演されている音楽番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」でも、「イントロがいい曲特集」(10月14日放送回)を組まれるなど、イントロの魅力を発信されています。

私どもミドルエッジ編集部でも、イントロクイズ大会を開催した際には、非常に盛り上がり、コンテンツとしての発展性を感じています。

かつてそのゲーム性を前面に押し出したイントロクイズの元祖的番組「クイズ・ドレミファドン!」(1976年~1988年放送)がございましたが、1966年生まれのスージー鈴木さんは、ご覧になっていたのでしょうか。イントロの原体験として、もし何かございましたらお聞かせ下さい。
また、子供の頃に聴いたイントロで、何か記憶に残っている楽曲があれば教えて下さい。
ラジカセのイラスト

ラジカセのイラスト

《A.》
子供の頃は、そんなにマニアックじゃなかったので(笑)、しっかりとは見ていなかったです。子供の頃、70年代に聴いたイントロで好きだったのは、郷ひろみの『恋の弱味』です。これはもう圧倒的。筒美京平のベストイントロだと思います・

《Q.》
スージー鈴木さんのこれまでの人生に関してお話を伺います。
高校時代に渋谷陽一の「ロックミュージック進化論」を見て、音楽評論家を志したスージー鈴木さん。早稲田大学を卒業後にサラリーマンとして働き、“野球音楽評論家“という立場でコラムを執筆されるなど、独自の活動をされてきています。

そうした活動でこそ培われた経験値や独自の視点など、何かございましたらお聞かせ下さい。
渋谷陽一「ロックミュージック進化論」

渋谷陽一「ロックミュージック進化論」

《A.》
実は何気に、今年で評論家生活30周年になるのですが(笑)、音楽と野球を30年間追い続けて、やっと、その2つの共通点が分かりました。それは――どちらも「スウィングしなきゃ意味がない」ということです(笑)

スージー鈴木さん プロフィール

1966(昭和41)年大阪府東大阪市生まれ。音楽評論家。早稲田大学政治経済学部卒業。
歌謡曲から映画、野球と幅広いジャンルを網羅し、評論されています。

近年、多くの著書を発売し、メディア出演も増えています。ご本人曰く「大器晩成的に盛り上がっている」状態とのこと。

【著書】
・「1984年の歌謡曲」
・「サザンオールスターズ1978-1985」
・「カセットテープ少年時代 80年代歌謡曲解放区」
・「【F】を3本の弦で弾く ギター超カンタン奏法~シンプルなコードフォームから始めるスージーメソッド」など。
スージー鈴木さん

スージー鈴木さん

「80年代イントロ十番勝負 vol.3 ☆クリスマスの宴☆」が開催!!

2018年12月12日 (水)に東京都渋谷区「 LOFT9 Shibuya」で、 エイティーズの専門メディア「リマインダー」がお届けする、ユーザー参加型イベント「80年代イントロ十番勝負」第3弾が開催されます。

そのナビゲーターを、スージー鈴木さんとミドルエッジ主催のクイズイベント「いち早く思い出せ!ミドルエッジクイズナイト!」でもお世話になっているイントロ・マエストロの藤田太郎さんがご担当!

イントロクイズの楽しさにリマインダー妙味の楽曲解説を加えるという、他では体験できないショーケースとなっています。

イベントの詳細は下記よりご覧いただけます!
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