【悲劇のナンバー2】全米シングルチャートで1位になれなかった連続2位記録
2022年8月1日 更新

【悲劇のナンバー2】全米シングルチャートで1位になれなかった連続2位記録

ヒットチャートで、タイミングが悪かったばかりに2位止まりに終わる曲はたくさんあります。しかも、それが何週も連続してとなると、もう不運としか言いようがない。そんな悲劇のナンバー2の中から、今回は、全米シングルチャートで6週以上連続で2位となった曲を、80〜90年代に限定してご紹介します。

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【6週連続】オール・アイ・ワナ・ドゥ

シェリル・クロウ(Sheryl Crow)『オール・アイ・ワナ・ドゥ(All I Wanna Do)』は、1994年10月8日から6週連続で2位を記録しました。

ボーイズIIメン(Boyz II Men)『メイク・ラヴ・トゥ・ユー(I'll Make Love To You)』の14週ナンバーワンと時期が重なり、2位止まりに終わっています。

しかし、チャートの結果とは対照的に、1995年に行われた第37回グラミー賞では、最優秀レコード賞、最優秀新人賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞の計3部門を受賞。新人アーティストながら、いきなりの快挙を果たしました。

Sheryl Crow - All I Wanna Do (Official Music Video)

【6週連続】サムタイムズ・ラヴ・ジャスト・エイント・イナフ

パティ・スマイス&ドン・ヘンリー(Patty Smyth and Don Henley)『サムタイムズ・ラヴ・ジャスト・エイント・イナフ(Sometimes Love Just Ain't Enough)』は、1992年9月26日から6週連続で2位を記録しました。

同年の年間1位となった、ボーイズIIメン(Boyz II Men)『エンド・オブ・ザ・ロード(End Of The Road)』が13週連続でナンバーワンの座に君臨し、結局一度も超えることはできませんでした。

一方、カナダのシングルチャートでは、7週連続ナンバーワンとなり、1992年最も売れたシングル曲に選ばれています。

Patty Smyth ft. Don Henley - Sometimes Love Just Ain't Enough (Official Video)

【6週連続】オープン・アームズ

ジャーニー(Journey)『オープン・アームズ(Open Arms)』は、1982年2月27日から6週連続で2位を記録しました。

J・ガイルズ・バンド(The J. Geils Band)『堕ちた天使(Centerfold)』が6週連続ナンバーワン、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ(Joan Jett and The Blackhearts)『アイ・ラヴ・ロックン・ロール(I Love Rock 'n' Roll)』が7週連続ナンバーワン、この2曲で計13週ものナンバーワンの壁を作られ、2位止まりに終わっています。

しかし、本曲は、"最も美しいバラード"、"最も優れたラブソング"などと称され、後に、バリー・マニロウ(Barry Manilow)ボーイズIIメン(Boyz II Men)セリーヌ・ディオン(Celine Dion)マライア・キャリー(Mariah Carey)など、多くのアーティストによってカバーされています。

Journey - Open Arms (Official Video - 1982)

【8週連続】ノーバディズ・サポーズド・トゥ・ビー・ヒア

デボラ・コックス(Deborah Cox)『ノーバディズ・サポーズド・トゥ・ビー・ヒア(Nobody's Supposed To Be Here)』は、1998年12月5日から8週連続で2位を記録しました。

セリーヌ・ディオン&R・ケリー(Celine Dion and R. Kelly)『アイム・ユア・エンジェル(I'm Your Angel)』に6週間ナンバーワンの座を阻まれた後、さらに、ブランディ(Brandy)『ハヴ・ユー・エヴァー?(Have You Ever?)』に2週連続でトップの座を奪われ、2位止まりに終わっています。

一方、R&B/Hip-Hopチャートでは、14週連続ナンバーワンとなり、当時の新記録を樹立。1999年の年間シングルチャートでは、第9位を記録しています。

Deborah Cox - Nobody's Supposed To Be Here (Official Video)

【9週連続】ラヴ・オールウェイズ

ダナ・ルイス(Donna Lewis)『ラヴ・オールウェイズ(I Love You Always Forever)』は、1996年8月24日から9週連続で2位を記録しました。

世界的に大ブレイクした、あのロス・デル・リオ(Los del Río)『恋のマカレナ(Macarena)』が14週連続でナンバーワンの座に君臨し、結局一度も超えることはできませんでした。

しかし、そのキャッチーなメロディーから大衆に親しまれ、アメリカではオンエア回数が100万回を超えた史上初の楽曲となりました。1996年の年間シングルチャートでは、第8位を記録しています。

英国ウェールズ出身のアーティストとしては、ボニー・タイラー(Bonnie Tyler)以来の大ヒット曲となりました。

Donna Lewis - I Love You Always Forever (Official Music Video)

【10週連続】ガール・ライク・ユー

フォリナー(Foreigner)『ガール・ライク・ユー(Waiting For A Girl Like You)』は、1981年11月28日から10週連続で2位を記録しました。

オリビア・ニュートン=ジョン(Olivia Newton-John)『フィジカル(Physical)』に9週間ナンバーワンの座を阻まれた後、10週目でついに『フィジカル』を追い抜きますが、ホール&オーツ(Hall & Oates)『アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット(I Can't Go For That (No Can Do))』に追い抜かれ、最後のチャンスを逃してしまいます。

その2年後の1984年、フォリナーは『アイ・ウォナ・ノウ(I Want To Know What Love Is)』で悲願のナンバーワンを果たしています。

Waiting for a Girl like You

ナンバーワン曲に負けず劣らずの名曲

今回は、連続2位にこだわってご紹介しましたが、断続的なものも含めると、シャイ(Shai)『イフ・アイ・エヴァー・フォール・イン・ラヴ(If I Ever Fall in Love)』が1992年にトータル8週間シャナイア・トゥエイン(Shania Twain)『スティル・ザ・ワン(You're Still The One)』が1998年にトータル9週間、という記録があります。

冒頭で "悲劇のナンバー2" と表現しましたが、実際にはグラミー賞を受賞していたり、年間チャートで上位にランクインしていたり、多くのアーティストにカバーされていたりと、ナンバーワン曲に負けず劣らずの歴史的名曲になっています。チャートがすべてではありませんが、こんなユニークな記録の中から、名曲探しをするのも楽しいかもしれません。
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