2020年12月21日 更新
【悲報】昭和を代表する消毒薬「赤チン」が2020年をもって製造終了。
昭和の時代に「赤チン」の愛称で親しまれた消毒薬「マーキュロクロム液」の製造が、12月25日包装分をもって終了となることが国内最後の赤チン製造会社である三栄製薬の発表で明らかとなりました。
【悲報】昭和を代表する消毒薬「赤チン」が2020年をもって製造終了。
昭和の時代に「赤チン」の愛称で親しまれた消毒薬「マーキュロクロム液」の製造が、12月25日包装分をもって終了となることが国内最後の赤チン製造会社である三栄製薬の発表で明らかとなりました。
第一報はこちらです!
昭和の時代、公園などで遊んで怪我をした子供たちのひざやひじを赤く染めていた「赤チン」。しみにくい手軽な消毒薬として、学校や家庭には必ずと言っていいほど常備されていました。しかしながら、赤チンを製造する際に発生する水銀が問題視され、60年代に100社程度存在したメーカーは2000年代には3社にまで減少。2018年には、このたび製造終了を明かした三栄製薬のみとなっていました。
さらに2019年には、厚生労働大臣が定めた医薬品の規格基準書である「日本薬局方」から赤チンが削除され、2021年以降は国内での製造が規制されることとなりました。そのため、三栄製薬は2020年いっぱいでの製造終了を決断。惜しまれる声の中、このたびの発表となりました。
我々の膝を赤くしていた「赤チン」ってそもそも何?
子供時代に怪我をした際、母親や保健室の先生に塗ってもらったりしていた「赤チン」。そもそもこれはどんな薬品なのでしょうか?赤チンとは、「メルブロミン」という正式名称を持つ有機水銀の化合物であり、皮膚の傷に広く使用される消毒薬です。そして赤チンは「赤いヨードチンキ」という意味であり、うがい薬などに使われるヨードチンキが茶色であるのに対して、赤色をしていることからそう呼ばれるようになりました。
こちらが「赤チン」の構造式。水銀を意味するHgがあります。
赤チンの殺菌作用が発見されたのは1918年のことであり、安価で製造が可能なことからヨードチンキに並ぶ消毒薬として急速に全世界へと普及していきました。水銀を用いてはいるものの外用薬としての毒性は低いとされており、現在でも発展途上国を中心に重要な消毒薬という位置づけになっています。
しかしながら、製造過程における水銀の発生といった問題点があり、公害に苦しむ先進国を中心に規制が相次ぎ、日本においても1973年に赤チンの原料の国内製造が終了、以降は原料を輸入に頼っていました。そしてこのたび、日本薬局方からの削除や「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」による規制強化により、赤チン自体の製造が終了することとなりました。
赤く染まったひざ小僧が、我々をなんともノスタルジックな気持ちにさせてくれた赤チン。全国に根強いファンが多数存在し、その別れを惜しんでいます。なお、類似品である透明の「マキロン」の製造は継続されます。マキロンも昭和の時代からの定番の消毒薬であり、今後はマキロンのパッケージを見ながら赤チンを思い出すことになりそうです。
12月21日現在、まだ購入は可能です!
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