警察の懸命な捜査の結果、偽札を使用した「犯人らしき人物」は目撃されたものの、犯人の特定には至らず。そして1973年11月、公訴時効が成立し捜査は打ち切りとなり、事件は迷宮入りとなってしまったのです。
和D-53号事件
次にご紹介するのは、平成に入ってからの事件「和D-53号事件」。これは1993年に発生した偽札事件なのですが、特筆すべきはその偽札の使用方法。前述のチ-37号事件はその精巧さで人の目を騙すものでしたが、一方で和D-53号事件は「機械の目」を騙すものでした。
おもちゃのお札のように、一見して偽札だとわかる物だったのですが…
※画像はイメージです。事件とは無関係です。
※画像はイメージです。事件とは無関係です。
この事件で製造された偽札は、一見して偽札だと判別出来る物なのですが、磁気インクを使用し「両替機などを通過させる」タイプの偽札でした。この手の偽札が日本で登場したのはこの事件が初めてであり、捜査は難航。2003年4月に公訴時効が成立し、未解決のまま迷宮入りとなってしまいました。
映画でも時折登場する偽札シーン!!
定期的に社会を騒がせる偽札ですが、映画においても偽札を扱うシーンは時折見かけますよね。ここでは、偽札を扱うシーンが出てくるいくつかの映画をご紹介したいと思います。
ルパン三世 カリオストロの城
1979年に公開されたアニメ映画「ルパン三世 カリオストロの城」。作中でカリオストロ公国が国家ぐるみで製造していた偽札(幻のゴート札)に関する描写が登場します。
ブラック・レイン
1989年に公開され、劇場映画作品としての松田優作の遺作であることでも有名な「ブラック・レイン」。日米の警察とヤクザとの戦いを描いた作品で、作中におけるヤクザ間の抗争の背景として、偽札製造を巡る利権争いがクローズアップされました。
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スワロウテイル
1996年公開の映画「スワロウテイル」。架空の歴史を辿った日本の街を舞台にした作品で、作中で子供が偽札を使用するシーンが問題視され、このシーンにより映倫からR指定(15歳未満観覧禁止)を受けることとなりました。
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このように、現実世界でも映画などの世界でも長年題材とされている「偽札」。今後も社会を欺くような精巧な偽札が登場するのでしょうか?社会に大きな影響を与える問題なだけに、フィクションの中だけに留まって欲しいものです。
※写真は「三丁目の夕日」が連載されていた「ビッグコミックオリジナル」。