自伝映画『Respcet(リスペクト)』の主演はジェニファー・ハドソン
それまでにも彼女のサクセスストーリーの映画化案は何度もありました。
しかし映画のハイライトとなる歌唱シーンを演じられるような俳優が見つからなかったそうです。
アレサ・フランクリンといえば、黒人女性として全米No.1に幾度となく輝き、圧巻の歌唱力でローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大シンガーに1位に選ばれています。
彼女のたぐいまれな歌唱力は、幼少時代から通う黒人教会のゴスペルが基礎となり、歌手になった後も、その根底にある信仰が歌声に反映されていたと言われています。
教会出身ということで、ゴスペルのアルバムも出していて、たとえその場が教会でなくても、彼女が歌うとそこが教会になる、と言われるほどゴスペルシンガーとしても影響力は大きかったようです。
ジェニファー・ハドソンは、アメリカのオーディション番組『アメリカンアイドル』の出身で、サードシーズンで7位という順位には終わりましたが、彼女の印象は強く、デビューを勝ち取りました。
ジェニファーの歌の原点もまたアレサと同じ黒人教会のゴスペルです。
アレサは自分と同じルーツをもつジェニファーに自分の役を指名したのも納得です。
加えて、ジェニファーはアレサを演じるプレッシャーにも打ち勝てる強さと歌唱力の持ち主だからではないでしょうか。
実際に、ジェニファーはイベントなどでアレサの歌を何度も歌い、その実力を証明しています。
アレサの葬儀でも彼女のゴスペルの代表曲、「Amazing Grace(アメイジンググレイス)」を追悼の意をこめて、ジェニファー・ハドソンが歌いました。
その歌声は圧巻で、アレサの選択はまちがっていなかったのでしょう。
Trailer: First Look at Jennifer Hudson As Aretha Franklin in RESPECT https://t.co/e9pYAETQgB pic.twitter.com/2EsunxWaUh
— Movies.ie Film Site (@movies_ie) December 30, 2019
アレサ・フランクリンの名を知らしめた曲「Respect(リスペクト)」
その曲の意味をアレサは女性の尊厳を表し、フェミニズムや公民権運動の参加になったと言われています。
アレサ本人もこのように語っていたそうです。
「私の父は、黒人たちのプライドを何十年にも渡って訴え続けた。そして世界は、黒人がどれだけ美しい人間であるかを再発見しはじめた。だから私も、『大声で言おう。私は黒人だ。それを誇りに思っている』と歌い続ける」
2014年、優れたアーティストに与えられるケネディ・センター名誉賞を受賞した際に、アレサが歌った「ナチュラル・ウーマン」に思わず涙したバラク・オバマは、彼女をこう讃えた。
「アフリカ系アメリカ人の精神、そしてブルース、R&B、ロックンロールを結び付け、苦難と悲哀を、希望へと変えた。アレサが歌う時、アメリカの歴史が浮かび上がってくる」
世界のアーティストや著名人がアレサ・フランクリンを追悼
その多くが彼女への感謝でした。
マライヤ・キャリーは、アレサとTV歌番組で共演したことを振り返り、歌の師であり、友人であったと語りました。
マライア・キャリーは、いつくかのツイート通して、アレサ・フランクリンを”究極の歌手の中の歌手”であり、”彼女の人生において最も偉大な歌手であり、音楽家である”と讃えている。そして、「音楽と市民権におけるあなたの声のパワーは、私やその他多くの人々にその扉を開いてくれました。あなたは私のインスピレーションであり、恩師であり、そして友人でした」と続けた。
その中の1人、大黒摩季も公式ツイートでアレサに追悼の意を表していました。
2019年8月には、大黒摩季や小柳ゆきら、アレサ・フランクリンを敬愛するアーティストたちで追悼ライブをビルボード東京で行いました。
敬愛し歌の守護神 #アレサフランクリン が天国へ旅立った。16歳の時 #札幌 の #cisco ジャケ買いした中に #LadySoul があった。
— 大黒摩季_公式 (@m_ohguro) August 16, 2018
初めて本気で歌を学んだコピーしまくった。痩せない高音に魅せられた歌の本質知らされた…。アレサがいなかったら今の #大黒摩季 の歌はない。https://t.co/1u7cjCNgaN pic.twitter.com/jKcAzJLeml
日本でも多くのファンが圧巻の歌声を生で聴いてみたかったことでしょう。
彼女自伝映画をきっかけに、彼女の素晴らしさが知らしめられるのではないでしょうか。