日本の歴史の教科書が、今はこんなに違う!語呂合わせで覚えた年号が変更・見慣れた肖像画は別人?
2016年1月18日 更新

日本の歴史の教科書が、今はこんなに違う!語呂合わせで覚えた年号が変更・見慣れた肖像画は別人?

日本の歴史上の重要人物が登場する中学・高校の社会科教科書では、おなじみの肖像画がまったくの「別人」と判明して掲載されなくなったり、説明を大幅に変更したりするケースが近年相次いでいます。

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鎌倉幕府成立が1192年から1185年に変更、語呂合わせも「イイクニ(1192)」から「イイハコ(1185)」へ!

語呂合わせ「1192(いい国=いいくに作ろう)鎌倉幕府」と年号を覚えましたね。
鎌倉幕府は、1192年(建久3年)に源頼朝が征夷大将軍(以下、将軍)に任官して始まったとされているが、2006年頃から、頼朝の権力・統治機構はそれ以前から存続しているので実質的な成立は1192年より前の1185年とする新説が、マスメディアを中心に紹介され始めた。また、「日本で初の武家政権」とされたこともあったが、今では平氏政権に次ぐ武家政権と位置づけられている。

源頼朝は武家政権の成立を明確に宣言したわけではないこともあり、後世の研究家の間に鎌倉幕府の成立時期について論議を生んだ。

幕府の成立時期については諸説あり、その理由としては、鎌倉幕府がその武家政権としての体制を整えるまでにはいくつかの段階を経ていることがあげられる。

まず1180年(治承4年)に鎌倉の大倉郷に頼朝の邸となる大倉御所が置かれ、また幕府の統治機構の原型ともいうべき侍所が設置されて武家政権の実態が形成された。

朝廷は寿永二年十月宣旨(1183年)で頼朝に対し、東国における荘園・公領からの官物・年貢納入を保証させると同時に、頼朝による東国支配権を公認した。

文治の勅許(1185年)では頼朝へ、与えられた諸国への守護・地頭職の設置・任免を許可した。

そして1190年(建久元年)頼朝が権大納言兼右近衛大将に任じられ、公卿に列し荘園領主の家政機関たる政所開設の権を得たことで、いわば統治機構としての合法性を帯びるようになり、さらに征夷大将軍の宣下(1192年)がなされた。

特に、壇ノ浦の戦い(1185年)で平氏を滅ぼしたことは決定的であった。こうして鎌倉幕府は鎌倉時代を通じて名実ともに武家政権として成立することとなった。守護の設置で諸国の治安維持を幕府は担当したものの、その支配は限定的であったが次第に範囲を拡大し承久の乱や元寇などで全国的な支配権を確立するに至った。
語呂合わせ「1192(いいくに)つくろう」で、鎌倉幕府が成立した年号を覚えた人は多いはず。しかし、現在の中学歴史教科書の多くは、鎌倉幕府の成立が、1192年ではなく1185年に変わっている。語呂合わせなら「1185(いいはこ)つくろう鎌倉幕府」ということになる。

 東京書籍などによると、92年は源頼朝が征夷大将軍に就いた年。頼朝は85年、軍事・行政官「守護」や、税金集めなどをする「地頭」を任命する権利を得、幕府の制度を整えたのだという。

 社会編集部副編集長の和田直久さんは「実質的に幕府が成立したのが85年。92年は征夷大将軍という『名』を得て名実ともに幕府が完成した年と考えられます」と話す。
頼朝へ、与えられた諸国への守護・地頭職の設置・任免を許...

頼朝へ、与えられた諸国への守護・地頭職の設置・任免を許可した1185年が鎌倉幕府成立時期として最も適切という判断

1185年に源頼朝が朝廷に日本全国への守護・地頭の設置を認めさせたことから、実質的な支配が頼朝に移ったと考えられるためだそうです。

また、同年に壇ノ浦の戦いで平家を破ったこともその一因とみられています。

語呂合わせも「(1185年)いいはこ創ろう鎌倉幕府」に変更されてしまった。

「源頼朝」の肖像(京都神護寺所蔵)は、「伝源頼朝像」に変更されている

源頼朝の肖像画(京都神護寺所蔵)は足利直義の肖像画?

源頼朝の肖像画(京都神護寺所蔵)は足利直義の肖像画?

通説では、源頼朝の肖像画とされ、12世紀末の似絵の名手藤原隆信の作とされてきた。しかし、1995年に頼朝像は足利直義の肖像画であるとする新説が発表され、以後、像主・成立時期などをめぐって論争が続いている。

1995年、当時東京国立文化財研究所の米倉迪夫により、伝源頼朝像は足利直義像であるとする新説が発表され大きな反響を巻き起こした。その後、歴史学者の黒田日出男が米倉説を補強する所説を発表している。

米倉・黒田らの論拠は多岐に渡るが、主要なものとしては源の論説を追認し、着用している冠の形式が鎌倉末期以降にしか見られないこと、修理報告書で確認できる毛抜型太刀の下部に残存する痕跡から、当初は尊氏が後醍醐天皇から賜った桐紋の俵鋲をつけた太刀であったこと、三像に使用されるほどの大きさの絹は鎌倉後期以降に出現し、それ以前は絹をつないでいたこと、三像の表現様式(眉・目・耳・唇等の画法)は、14世紀中期(室町時代前期)の肖像(「夢窓疎石像」天龍寺妙智院蔵)との強い類似が認められること、などであり、これらから三像の成立は南北朝期に置くことが最も自然であるとする。

もう一つ新説の有力な論拠となっているのが、康永4年(1345年)4月23日の日付の『足利直義願文』である。同願文は足利直義が神護寺にあてて発出したもので、「当家(足利家)は特に因縁があり、代々深く帰依して参りましたので、阿含経一軸と供に征夷将軍(足利尊氏)と自分の影像を神護寺に安置します。良縁をこの場で結び、現世と来世の(私の)所願がことごとく円満に成就しますように。」との内容を持つ。

三像の強い共通性は足利将軍家に由来し、この願文を元に、通常2人の肖像が並立する場合、右に上位者、左に下位者を配置することなどを根拠として、米倉は左向きの伝平重盛像が足利尊氏、右向きの伝源頼朝像が足利直義であると比定する。

また、伝重盛像と同じ左向きの伝藤原光能像は、新説では足利義詮に比定されている。米倉は、京都等持院所蔵の足利義詮木像の風貌が伝藤原光能像と酷似していることを論拠としている[注釈 5]が、他方、黒田は政治史的観点に基づく義詮説を提示している。1345年から数年間は尊氏・直義の二頭政治が行われたが、観応の擾乱で両者の関係が崩壊し、観応2年に直義が尊氏に勝利すると、尊氏は一旦政治の第一線から退き、直義は尊氏の子・義詮をパートナーに選び、新たな二頭政治を開始した。黒田は、この時に尊氏像(伝重盛像)の代替として新たに義詮像(伝光能像)が描かれたのであり、尊氏像に見られる大きな欠損や折りジワは、義詮像が描かれた際に用済みとなった尊氏像が折り畳まれていたことを示すものだとした。他にも義詮像(伝光能像)は、口元という顔のパーツの基本的な部位に修正がされているが、これは義詮が貞和5年(1349年)10月まで長く鎌倉にいたため、義詮の相貌に関して得ていた情報に不備があったためと説明することができ、通説における伝光能像が少し後に出来たという判断にも合致すると論じた。
(出典:Wikipedia「神護寺三像」)
源頼朝として有名だった神護寺(京都市)所蔵の肖像画も「伝源頼朝像」と記載。頼朝像の真偽をめぐっては、冠の特徴などにより50年以上前から多くの疑問が出されていたと説明している。

士農工商は記載がなくなった

士農工商は、あくまでも職業の違い・分類であって、職業間...

士農工商は、あくまでも職業の違い・分類であって、職業間の差別や格差を示す身分制度ではないという認識です。

それぞれに上下関係はない。カースト制度のようなものではない。
士農工商(しのうこうしょう)とは、儒教において社会の主要な構成要素(官吏・農民・職人・商人)を指す概念である。「四民」ともいう。日本では、近代になり江戸時代の身分制度を意味すると捉えられるようになったが、1990年代ごろから実証的研究が進み、誤った認識であることが理解されるようになった。
1990年代になると近世史の研究が進み、士農工商という身分制度や上下関係は存在しないことが実証的研究から明らかとなり、2000年代には「士農工商」の記述は教科書から外されるようになった。
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