はじめに
NHK大河ドラマでは、同じ主人公を題材としたものが、描かれることがあります。武将で人気の高い豊臣秀吉や、徳川家康、織田信長などですが、大石内蔵助を主人公とした作品については、最多の3作品になります。そんな3作品の違いをみていきたいと思います。
「赤穂浪士」 1964年
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1964年に放送された大河ドラマ2作目の「赤穂浪士」。
原作は大佛次郎の「赤穂浪士」です。これは大佛次郎の代表作で大河ドラマ以外にも映画化は4回、テレビ映画化は3回にもなります。従来の『忠臣蔵』では、主君の仇をとる「義士」として捉えられていた47人を、幕藩体制や時代風潮に抗う「浪士」とし、赤穂事件を架空の浪人・堀田隼人の視点を通して描いています。
原作の主人公は堀田隼人なのですが、映像化の際に主人公を大石内蔵助としています。赤穂四十七士たちの討ち入りを決意するまでの苦悩や葛藤、彼らに関わる人々の思惑などをじっくりと描き、また討入り後も切腹までを4回にわたって放送しています。
キャストは、当時大映の看板俳優だった長谷川一夫や歌舞伎界や新劇界の大物、歌謡界の人気アイドルを起用しています。
大石内蔵助 : 長谷川一夫
浅野内匠頭 : 尾上梅幸
吉良上野介 : 滝沢修
浪人・堀田隼人 : 林与一 ※原作のメインキャラクター
お仙 : 淡島千景 ※原作のメインキャラクター
盗賊・蜘蛛の陣十郎:宇野重吉 ※原作のメインキャラクター
視聴率は優に30%を超え、浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%という大河ドラマ史上最高視聴率記録をも打ち立てました。また、芥川也寸志のテーマ曲も話題となり、板ムチによるビシッ、ビシッという音が討ち入りの厳しさを感じさせ、視聴者の共感を得てレコードも発売されています。現在も「忠臣蔵といえばこの音楽」というイメージが定着しているのではないでしょうか。
原作は大佛次郎の「赤穂浪士」です。これは大佛次郎の代表作で大河ドラマ以外にも映画化は4回、テレビ映画化は3回にもなります。従来の『忠臣蔵』では、主君の仇をとる「義士」として捉えられていた47人を、幕藩体制や時代風潮に抗う「浪士」とし、赤穂事件を架空の浪人・堀田隼人の視点を通して描いています。
原作の主人公は堀田隼人なのですが、映像化の際に主人公を大石内蔵助としています。赤穂四十七士たちの討ち入りを決意するまでの苦悩や葛藤、彼らに関わる人々の思惑などをじっくりと描き、また討入り後も切腹までを4回にわたって放送しています。
キャストは、当時大映の看板俳優だった長谷川一夫や歌舞伎界や新劇界の大物、歌謡界の人気アイドルを起用しています。
大石内蔵助 : 長谷川一夫
浅野内匠頭 : 尾上梅幸
吉良上野介 : 滝沢修
浪人・堀田隼人 : 林与一 ※原作のメインキャラクター
お仙 : 淡島千景 ※原作のメインキャラクター
盗賊・蜘蛛の陣十郎:宇野重吉 ※原作のメインキャラクター
視聴率は優に30%を超え、浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%という大河ドラマ史上最高視聴率記録をも打ち立てました。また、芥川也寸志のテーマ曲も話題となり、板ムチによるビシッ、ビシッという音が討ち入りの厳しさを感じさせ、視聴者の共感を得てレコードも発売されています。現在も「忠臣蔵といえばこの音楽」というイメージが定着しているのではないでしょうか。
赤穂浪士op
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「峠の群像」 1982年
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1982年に放送された大河ドラマ20作目の「峠の群像」。
原作は堺屋太一の「峠の群像」です。堺屋は、当時の時代が元禄時代と同じような時代変化する時期(峠の時代)であるという観点に基づき、赤穂事件を現代的に描いています。赤穂藩断絶を現代の企業倒産になぞらえ、仇討ちのヒロイズムよりもサラリーマンつまり赤穂の藩士たちがいかに行動したかを再考する作品となっています。
原作は架空の人物・石野七郎次が主人公なのですが、ドラマではやはり大石内蔵助を主人公にして描かれています。
キャストは、ベテラン俳優の緒形拳を主役とし、当時人気絶頂にあった「たのきんトリオ」の野村義男はじめ次世代のアイドルが多数起用されました。
大石内蔵助 : 緒形拳
浅野内匠頭 : 隆大介
吉良上野介 : 伊丹十三
矢頭右衛門七: 野村義男 ※赤穂浪士
かる : 三田佳子 ※その他キャスト
つる : 小泉今日子 ※その他キャスト
この作品は、過去の作品と同じ主人公が採用された初めての作品でもあります。平均視聴率は23.7%、最高視聴率は33.8%です。1995年に放送された「八代将軍吉宗」での刃傷松の廊下事件のシーンは、この作品の映像が使用されています。
原作は堺屋太一の「峠の群像」です。堺屋は、当時の時代が元禄時代と同じような時代変化する時期(峠の時代)であるという観点に基づき、赤穂事件を現代的に描いています。赤穂藩断絶を現代の企業倒産になぞらえ、仇討ちのヒロイズムよりもサラリーマンつまり赤穂の藩士たちがいかに行動したかを再考する作品となっています。
原作は架空の人物・石野七郎次が主人公なのですが、ドラマではやはり大石内蔵助を主人公にして描かれています。
キャストは、ベテラン俳優の緒形拳を主役とし、当時人気絶頂にあった「たのきんトリオ」の野村義男はじめ次世代のアイドルが多数起用されました。
大石内蔵助 : 緒形拳
浅野内匠頭 : 隆大介
吉良上野介 : 伊丹十三
矢頭右衛門七: 野村義男 ※赤穂浪士
かる : 三田佳子 ※その他キャスト
つる : 小泉今日子 ※その他キャスト
この作品は、過去の作品と同じ主人公が採用された初めての作品でもあります。平均視聴率は23.7%、最高視聴率は33.8%です。1995年に放送された「八代将軍吉宗」での刃傷松の廊下事件のシーンは、この作品の映像が使用されています。
峠の群像op
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「元禄繚乱」 1999年
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1999年に放送された大河ドラマ38作目の「元禄繚乱」。
原作は舟橋聖一の「新・忠臣蔵」です。浅野家赤穂藩藩主浅野内匠頭が備後国三次藩浅野家の息女阿久里を正室として迎えるところから始まり、赤穂事件までのエピソードが描かれています。
仇討ちにより、箍が緩んだ元禄時代の世相と五代将軍・徳川綱吉の治世への抗議を目論む大石内蔵助、吉良上野介の親類である米沢藩上杉家と赤穂浪士とを相争わせ、己の権勢のために両藩の取り潰しを狙う柳沢吉保、その柳沢の謀略の阻止を狙う米沢藩家老・色部又四郎、この3人の謀略戦を主軸にして忠臣蔵を描いています。
キャストは、五代目中村勘九郎を主役とし、過去の大河作品で主役・準主役を演じたスター達が数多く助演しているほか、歌舞伎俳優や歌舞伎出身の俳優が数多く起用されました。また、その後の大河ドラマで主役を演じる事となる滝沢秀明と宮崎あおいを加えると、大河主演経験者の出演が最多の作品となっています。
大石内蔵助 : 五代目中村勘九郎
浅野内匠頭 : 東山紀之
吉良上野介 : 石坂浩二
柳沢吉保 : 村上弘明
色部又四郎 : 松平健
阿久里 : 宮沢りえ
矢頭さよ : 宮崎あおい ※赤穂藩の勘定方・矢頭長助の娘
吉良義周 : 滝沢秀明 ※上杉綱憲の息子で吉良上野介の養子
平均視聴率は20.2%、最高視聴率は28.5%です。残念ながらこの作品は撮影中からトラブルが絶えず、連日ゴシップ誌を賑わせていました。そのためか、3度も描かれた忠臣蔵は、この作品以降大河ドラマで採用されていません。
原作は舟橋聖一の「新・忠臣蔵」です。浅野家赤穂藩藩主浅野内匠頭が備後国三次藩浅野家の息女阿久里を正室として迎えるところから始まり、赤穂事件までのエピソードが描かれています。
仇討ちにより、箍が緩んだ元禄時代の世相と五代将軍・徳川綱吉の治世への抗議を目論む大石内蔵助、吉良上野介の親類である米沢藩上杉家と赤穂浪士とを相争わせ、己の権勢のために両藩の取り潰しを狙う柳沢吉保、その柳沢の謀略の阻止を狙う米沢藩家老・色部又四郎、この3人の謀略戦を主軸にして忠臣蔵を描いています。
キャストは、五代目中村勘九郎を主役とし、過去の大河作品で主役・準主役を演じたスター達が数多く助演しているほか、歌舞伎俳優や歌舞伎出身の俳優が数多く起用されました。また、その後の大河ドラマで主役を演じる事となる滝沢秀明と宮崎あおいを加えると、大河主演経験者の出演が最多の作品となっています。
大石内蔵助 : 五代目中村勘九郎
浅野内匠頭 : 東山紀之
吉良上野介 : 石坂浩二
柳沢吉保 : 村上弘明
色部又四郎 : 松平健
阿久里 : 宮沢りえ
矢頭さよ : 宮崎あおい ※赤穂藩の勘定方・矢頭長助の娘
吉良義周 : 滝沢秀明 ※上杉綱憲の息子で吉良上野介の養子
平均視聴率は20.2%、最高視聴率は28.5%です。残念ながらこの作品は撮影中からトラブルが絶えず、連日ゴシップ誌を賑わせていました。そのためか、3度も描かれた忠臣蔵は、この作品以降大河ドラマで採用されていません。
大河ドラマ OP
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おしまいに
こうやって3作品をみていきますと、同じ忠臣蔵でも原作者の視点の違いで面白みが変わっていますね。
改めて3作品を見比べてみるのも面白いのでないでしょうか。
改めて3作品を見比べてみるのも面白いのでないでしょうか。
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