東映版特撮テレビドラマ『スパイダーマン』(1978年)
スパイダーマン・山城拓也(演: 香山浩介)「地獄からの使者・スパイダーマン!」
スパイダー感覚で敵の動きを察知できるほか、人間離れした体力も有するが、クモの生態に準じた「寒さに弱い」などの弱点(スパイダーエキスによる副作用的なもの)も存在する。
正体は秘密にしているが、存在自体は早い段階で「正義のヒーロー」として認知されていた。第7話では、「スパイダーマンブギ」(作詞:上原正三、作曲:渡辺宙明、歌:小林幸太郎 & BB5)という歌がレコード化されて、ヒットしているほど有名になっている。インターポール秘密情報部には正体を知られており、協力関係にある。
スパイダーマンとマシーンベムの直接対決はほとんど描かれず、そのマシーンベムを倒すのはレオパルドンの役目になっている。
そのため、スパイダーマンは自分の手で直接怪人(に相当する敵役)を倒したことが無いという、日本のヒーローとしては特異な地位を占めている。これは、仮面ライダーのライダーキックやキカイダーのデンジ・エンドに相当する「必殺技」や「必殺武器」と呼べるものが設定されていない事に起因する。
スパイダーマンが搭乗する「スパイダーマシンGP-7」
東映版『スパイダーマン』は巨大ロボット・レオパルドンに乗り込んで戦う
特撮史上最強秒殺ロボの巨大ロボット「レオパルドン」はありとあらゆる敵(最終ボス含む)を必殺技・ソードビッカーの一撃で秒殺する
特撮史上最強のレオパルドンの能力
村上克司がドイツの戦車「レオパルド」から命名し、デザインも担当した。一部には漫画家の聖悠紀がデザインを行ったとする資料もあるが真偽は不明。
レオパルドンの唯一の弱点は着ぐるみの都合上、動きが非常に悪いことだけ。
高下駄を履いている着ぐるみの内部構造ゆえに敵の怪人と身長が釣りあわず、また激しい動きもできなかった。
また着ぐるみの補修部品の紛失(盗難説もあり)といったトラブルにより、敵の怪人と格闘戦をする機会をできる限り減らさざるを得なかった。そのためにソードビッカーによる一撃必殺の武器で敵を倒す流れになってしまったのだ。
東映とマーベル・コミックの「5年間にわたり、お互いのキャラクターを自由に使用してよい」という契約により生まれたのが、本作である。それにしたがってスパイダーマンのキャラクターを使用しているが、設定や物語は東映が独自で創作している。
スパイダーマンが単身で戦うだけでなく、巨大ロボット・レオパルドンに乗り込んで戦うという設定をはじめ、悪役側の組織構成やブレスレットの操作による変身描写など、多くの要素は後年の「スーパー戦隊シリーズ」に引き継がれていった。