リットン調査団  芸歴34年目、19年ぶりに単独ライブを行うまで
2025年4月20日 更新

リットン調査団 芸歴34年目、19年ぶりに単独ライブを行うまで

お笑いという正解がない世界で「自分がやりたいことをやる」という信念を貫き、ダウンタウンから「リットンは面白い」といわれながらも全然売れず、たくさんの後輩に尊敬されながら追い抜かれ、ある意味で他の追随を許さない最強コンビ。

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後輩のケンドーコバヤシが東京に進出してくると
「コバ、いろいろ不安はあると思うけど、不安になったときは深呼吸しろ」
とアドバイス。
ケンドーコバヤシが
「深呼吸したら楽なりました」
というと
「楽なったんちゃうねん。
お前が今、深呼吸したここは東京やぞ。
大阪と比べて圧倒的にアイドルの女の子歩いていることが多いねんからな。
そのアイドルのスカートの下をくぐった空気を、お前は今吸えたぞ!
だから東京で頑張っていこう」
と元気づけた。
「水野さんも早よ、来いや」
「温かくなったら行くわ」
といい続けて、3年が経ち、藤原光博は、東京ドームで行われるアントニオ猪木の引退試合のチケットを2枚購入。
1枚を
「東京ドームの21番ゲートで待ってるで」
といって大坂の水野透に送った。
1998年4月4日の引退試合当日、藤原光博開門時間から待っていたが、水野透は30分くらい遅れてやってきて、汗だらけの顔で
「水道橋の駅からドームまで遠いな」
そして2人でアントニオ猪木の引退試合に涙したが、その途中で水野透は
「東京に引っ越す」
といった。
こうして37歳の水野透が合流し、リットン調査団は東京に進出。
Just a moment... (2604061)

しかし1本あった東京のレギュラー番組「かざあなダウンタウン」は、すでに終了。
さらに水野透が上京した直後、渋谷公園通り劇場もなくなってしまった。
「君にはダマされたわ」
そういう水野徹は、東京の喫茶店に入って
「れーこー、くらあい」
と注文したが、
「は?」
「だかられーこー、くらあい」
「はい?」
キツい大阪弁のために通じなかったが、藤原光博いわく
「ええカッコしいなところがある」
という水野徹は、
「アイスコーヒー下さい」
が決していわなかった。
そしてはリットン調査団は、新宿のルミネtheよしもとを中心に活動しながら、藤原光博は、ホテルの皿洗い、水野透は、羽田空港の荷捌き場でアルバイトをしながら、1999年1月31日にジャイアント馬場が死んだときは
「バイトも手につかへんし、飲んだくれて自暴自棄になって泣いたわ」
Just a moment... (2604024)

「今ちゃんの中野探検隊」という若手芸人がロケをしたVTRを流す番組でレギュラーになったリットン調査団は、「色んなものをぶつけられる企画」を体当たりで実行。
藤原光博が、8mぐらいの高さから地面に寝転んでいる相方の顔面に絹ごし豆腐を落とすと、水野透は必死に
「絹ごし豆腐でも高さがあったら危険や!
死んでまうわ!」
通天閣の上から絹ごし豆腐を落とされたこともあり、
「通天閣の上から落ちてくる絹ごし豆腐は凶器や!
ホンマに死んでまうわ!」
と魂の叫び、1mの高さかスイカを頭上に落とすと、一瞬、水野透の首が体にメリ込んだ。
「走ってくる軽トラがブレーキをかけて止まる瞬間にぶつかる」
という企画も視聴者がハマったため、軽トラからトラック、最後は観光バスになった。

しかしリットン調査団の芸人の仕事は徐々に減り、出番は新宿のルミネtheよしもとの新喜劇だけに。
新喜劇では石田靖率いる「石田班」に所属していたが、ある日、水野透が
「大衆に迎合するような笑いはやりたくないねん」
といい出し、唯一の仕事である新喜劇の仕事を断った。
「人の書いた台本でウケようがスベろうが充実感、達成感がないねん。
何かが違う。
イヤやねん」
という水野透に対し、藤原光博は
「新喜劇の仕事もコンビの仕事も全部やりたい」
といい、考えが合わず、コンビの仕事は激減。
「そのときは他にもたまたま仕事が多かったから月収80万あって、次の月が1万円で、その次の次の月がゼロで、もうずっ~とゼロになった」
という藤原光博は、もともとルミネに出ながら
「なにがあるかわからん」
と月数回アルバイトに出ていたので、そこで時間を増やして働くようになったが、それも東日本大震災によってなくなった。
やがて郵便受けに督促状がたまるようになり、吉本興業に借金し、その借金を返すために友人から金を借りた。

Just a moment... (2604026)

「水野さんはルミネとかで、いってみれば大衆に迎合した笑いはやりたくない。
じゃあ自分らでイベントやろうよっていう話やけど、それもやってない。
何もしてない。
頼むから俺と一緒にやってくれって頭下げるのもオレも意地があるからイヤやしね。
嫌々やっても面白いものができるわけないし、じゃ自分1人でやっていこうと思って」
という藤原光博は、ドラマや映画に出た経験があった吉本興業に
「仕事入れへんかな」
と俳優の仕事を頼み、無名の人たちと一緒にオーディションを受け、ドラマ、映画、舞台に出演し、くせのないサラリーマン役から、お得意の奇異で珍妙な演技まで幅広くこなした。
リットン調査団としての活動は年数回となって水野透と顔を合わせる機会が減ると藤原光博は、ときどきインターネットで
「リットン 水野」
を検索。
そして
「西新宿をチャリンコで走ってました」
という目撃情報などで生存確認。
一方、アルバイトを頑張る水野透は、
「体は正直ですからね…
この前も重いものを運ぼうと思って「これはアカン」と思ってピキッと来る前に荷物を置いたんです。
それでも3日ほど腰痛でバキバキでしたから。
ま、そんな現実もありますけど、なんとか走り続けたい。
それは思っています」
2001年、千原ジュニアはバイク事故に遭い、生死の境をさまよっているとき
夢の中でリットン調査団の2人に出会い、コント道具のような大きな花びらを顔の周りに装着した水野透と藤原光博が
「こっちにおいでよ」
「早く」
と笑顔出で手招きしているので、直感的に
「行ったらアカン」
と、その場に留まった、
するとゆっくりと意識が戻り、一命をとりとめた。

リットン調査団は、毎年、年末の深夜から早朝にかけて約5時間、生放送される「オールザッツ漫才」に、第1回(1990年)から14回連続出場していたが、水野透が、出ないといい出し、
東京から大阪にプロデューサーがやってきて
「リットンさんは、この番組の顔です」
と説得したが、水野透は
「去年出たときに違う風が吹いた」
といって断り、藤原光博は、
「わけのわからんこというて、ええカッコしよんねん」
2005年元日、ダウンタウンMCの深夜生放送番組で、目隠しされた状態でヒモを持ち、顔の上に落ちてくる金だらいをギリギリのところで止めるというゲームがあり、水野透はギリギリで止めたり、思い切り顔面に受けて出血したり、出血してスタジオから退出し、鼻の上に絆創膏を貼って復帰してスタジオは騒然させたりして大活躍。
翌2006年元日、そのゲームは「ハイパーミズノゴロシ」と名前を変え、山崎邦正が顔面を負傷。

2006年10月(~2009年9月)、東京メトロポリタンテレビジョンで「水野キングダム」がスタート。
水野透、46歳にして初の冠番組は、視聴者から問題を募集し、千原ジュニア、ケンドーコバヤシ、バッファロー吾郎、FUJIWARA、山崎邦正、宮川大輔、ほっしゃん、たむらけんじらが大喜利を行うバラエティ番組だった。
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