サッカー情報番組「三菱ダイヤモンド・サッカー」の司会などで活躍したスポーツアナウンサー・金子勝彦(かねこ かつひこ)さんが20日、肺炎のため横浜市戸塚区の病院で亡くなっていたことが明らかとなりました。88歳でした。
金子さんは1934年、神奈川県横浜市出身。中央大学卒業後、1957年に毎日放送にアナウンサーとして入社し、1964年に東京12チャンネルへと移籍。1968年から1988年にかけて放送されたサッカー情報番組「三菱ダイヤモンド・サッカー」に司会・実況として出演し、後の第9代日本サッカー協会会長・岡野俊一郎との共演で、黎明期の日本サッカー人気を盛り上げました。その後、2012年には放送界として初めて日本サッカー殿堂入りを果たし、近年はプレミアリーグ(J SPORTS)を中心に実況として出演していました。このたびの金子さんの訃報に、川淵三郎(86)は「サッカー中継では名実ともにナンバー1のアナウンサー」「金子さんのお声が懐かしく思い出されます。ご厚情に深い感謝を述べるとともに 謹んで哀悼の意を表します」と、故人を偲んでいました。
1934年8月30日、神奈川県横浜市出身。1957年に毎日放送(MBS)に入社し、1964年に東京12チャンネル(現・テレビ東京)に移籍。1968年に放送が開始された「三菱ダイヤモンド・サッカー」には、20年にわたり司会・実況を担当。番組オープニングの「サッカーを愛する皆さん、ごきげんいかがでしょうか?」の口上は、番組の名物となりました。また、1974年にはFIFAワールドカップ西ドイツ大会決勝戦の衛星生中継を実施、サッカーファンの間で伝説となっています。1994年に定年退職してからは、個人事務所を設立しCSテレビ放送のサッカー番組の司会・実況を担当。2002年には、長年の功績からJリーグより特別功労賞が授与され、2012年には放送人として初めて日本サッカー殿堂入りを果たしています。
1968年4月から1988年3月にかけて放送されたサッカー情報番組「三菱ダイヤモンド・サッカー」。三菱グループによる冠番組で、金子勝彦と岡野俊一郎を起用し、ヨーロッパの国内リーグ戦や、A代表による国際親善試合やFIFAワールドカップ予選などを放送していました。また、金子によるオープニングの「サッカーを愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか?」という口上が話題に。60年代後半から80年代後半にかけて、当時のサッカー少年たちのバイブル的番組として人気を博しました。なお、1988年の放送終了後、1993年4月から1996年9月には第2期が放送されています。