歴史の中に埋もれさせるには勿体ないバンドの筆頭、10cc
2016年9月12日 更新

歴史の中に埋もれさせるには勿体ないバンドの筆頭、10cc

日本では余り話題になることのない10ccですが、食わず嫌いならぬ聴かず嫌いをしている方が多いように思われます。10ccの全盛期は70年代ですが、リアルタイムでその時期を過ごされた方でもそのような方が少なくないようです。しかし、それは余りにも勿体ない!先ず彼らの「アイム・ノット・イン・ラヴ」を聴いてみてください。この1曲で10ccのファンになってしまうことを請け負います。

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10cc

1970年代を代表する名曲の一つと言われる「アイム・ノット・イン・ラヴ」をはじめ、「電話を切らないで」、「愛ゆえに」などのヒット曲で知られる10cc。
1972年にデビューし解散、再結成をし2012年には40周年ツアーをおこなった10cc。その絶頂期だった70年代の10ccを振り返ります。
10cc

10cc

イギリスのバンド10ccは、1972年8月4日にシングル「ドナ」でデビューしますが、この曲がいきなり全英2位の大ヒットとなります。
実は4人のメンバーは、10ccを結成する前にそれぞれが他のバンドやスタジオミュージシャンとして既に10年ものキャリアを持っていました。
「ドナ」のヒットによりメンバーは10ccとしての活動に専念することになります。

1973年3月発売の3枚目のシングル「ラバー・ブレッツ」が全英1位とまたまた大ヒットし、いよいよ同年7月にファースト・アルバム「10cc」を発売します。

デビュー当時のメンバーは
グレアム・グールドマン(Graham Gouldman):ベース、ギター、ボーカル
エリック・スチュワート(Eric Stewart):ボーカル、ギター、キーボード
ロル・クレーム(ロル・クリーム)(Lol Creme):ボーカル、ギター、キーボード、ギズモ
ケヴィン・ゴドレイ(ケヴィン・ゴドリー)(Kevin Godley):ボーカル、ドラム
です。
10cc

10cc

1973年リリース

【収録曲】
1.ラバー・ブレッツ "Rubber Bullets" (K. Godley, L. Creme, G. Gouldman)
2.ドナ "Donna" (K. Godley, L. Creme)
3.いけないジョニー "Johnny, Don't Do It" (K. Godley, L. Creme, G. Gouldman)
4.サンド・イン・マイ・フェイス "Sand in My Face" (K. Godley, L. Creme, G. Gouldman)
5.スピード・キルズ "Speed Kills" (E. Stewart, K. Godley, L. Creme, G. Gouldman)
6.ディーン・アンド・アイ "The Dean and I" (K. Godley, L. Creme)
7.船は夜消えるかい? "Ships Don't Disappear in the Night (Do They?)" (G. Gouldman, E. Stewart)
8.ホスピタル・ソング "The Hospital Song" (K. Godley, L. Creme)
9.ママにフレッシュ・エア "Fresh Air for My Mama" (K. Godley, L. Creme, E. Stewart)
10.ヘッドライン・ハスラー "Headline Hustler" (G. Gouldman, E. Stewart)
ファースト・アルバム「10cc」には、シングル発売された「ドナ(全英2位)」、「いけないジョニー」、「ラバー・ブレッツ(全英1位・全米73位)」、「ディーン・アンド・アイ(全英10位)」と4曲も収録されています。ファースト・アルバムにしてベストアルバムの趣です。
その後のレジェンドを感じさせる~山椒は小粒でピリリと辛い~珠玉の
つまった玉手箱!
アイデアたっぷりのキャッチーな曲ばかり・・・・
「ウィットとユーモアに富んだ」との当時の評論家達のコメントは
今聴いてもピタっとはまってます!

10cc Rubber Bullets

Sheet Music

1974年にリリースされたセカンド・アルバム「シート・ミュージック」は、ヒットシングル「ウォール・ストリート・シャッフル」と「シリー・ラブ」を収録しており、アルバムは、全英9位、全米81位となりました。

メンバーのケヴィン・ゴドレイは、10ccの気に入っているアルバムとして、また、グレアム・グールドマンは、10ccの最高傑作であると述べています。
シート・ミュージック

シート・ミュージック

1974年リリース

【収録曲】
1.ウォール・ストリート・シャッフル (The Wall Street Shuffle)
2.とってもイカしたイモ・バンド (The Worst Band in the World)
3.ホテル (Hotel)
4.オールド・ワイルド・メン (Old Wild Men)
5.時計じかけのクリープ (Clockwork Creep)
6.シリー・ラヴ (Silly Love)
7.ハリウッドのどこかで
8.サメディ男爵 (Baron Samedi)
9.踊ろうサクロイリアクを (The Sacro-Iliac)
10.オー・エフェンディ (Oh Effendi)
『シート・ミュージック』は大成功をおさめ、全英チャートに6ヶ月の間居座り、74年のアメリカ・ツアーへの道を開いた作品となりました。

1stシングルとなったのはセルフ・パロディのような『The Worst Band In The World』。そして続いてシングル・カットされたのが『The Wall Street Shuffle』です。この曲は独特のリズムとメロディをもつベースが曲をリードしていくという10ccの定番スタイルを確立したナンバーといっていいでしょう。一筋縄でいかないメロディもさすがブリティッシュ・ポップ職人です。

Wall Street Shuffle - 10cc

The Original Soundtrack

これを名曲と言わずして何を名曲を言えるでしょうか?といった高い評価を受けている「アイム・ノット・イン・ラヴ(全英1位・全米2位)」を含む10ccの代表作が1975年に発売されたアルバム「オリジナル・サウンドトラック」です。

「架空の映画のサウンドトラック」というコンセプトのもと、ロック・オペラ「パリの一夜」で始まる当時としては珍しい設定で作られています。
オリジナル・サウンドトラック

オリジナル・サウンドトラック

1975年リリース

【収録曲】
1. パリの一夜
2. アイム・ノット・イン・ラヴ
3. ゆすり
4. 2度目の最後の晩餐
5. ブランド・ニュー・デイ
6. フライング・ジャンク
7. 人生は野菜スープ
8. 我が愛のフィルム
本作品のハイライトは世界中で大ヒットし10ccの代表曲にもなった楽曲『I'm Not In Love』で発売当初にはかの有名なPaul McCartneyやElton Johnが直接電話をかけてきて称賛の言葉を贈ったと言う逸話も残っています。この楽曲の秀逸な所は楽器の様に聞こえる『アー』と歌うコーラス部分で長いループテープでダビングを何回も繰り返し624声(3人×13音階×16トラック)と言う途轍もなく分厚い音に仕上げている所です。このレコーディング技術は当初秘密とされており音楽関係者の間では『メロトロンを使用したのではないか?』と言う憶測が流れました。この様な事が出来たのも1968年と言う早い時期から自分たちだけの城Strawberry Studios(ネーミングはThe Beatlesの楽曲『Strawberry Fields Forever』から付けたそうです。)を持ち、時間や金銭的な事を気にせず好きな時に好きなだけレコーディングに没頭し技術を磨いてきた彼らだから出来た事だと思います。

I'M NOT IN LOVE - 10cc

いつ聴いても素晴らしい曲ですね。また、聴くたびに新たな発見がある曲でもあります。それは、しっかりと計算され、作りこまれているからでしょう。

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