祝20周年!「アトリエシリーズ」の原点、『マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜』をご紹介!
2018年3月5日 更新

祝20周年!「アトリエシリーズ」の原点、『マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜』をご紹介!

1997年ガストから発売された「マリーのアトリエ」は錬金術を題材とする新感覚RPGです。従来のファンタジーRPGに多く見られた世界を救うといった主題を避け、架空世界での日常生活に焦点をあてたことを特徴としています。 キャッチコピーは「世界を救うのはもうやめた!」

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武器屋の親父 声 - 立木文彦

町の誰も名前を知らない武器屋の親父。元は冒険者で、たくましい肉体をしているが、非常に陽気で趣味は「歌を歌う」こと。昔はあったが今は頭髪がないため、それをひどく気にしている。

~錬金術士の生活~

ボリュームの割に自由度の高い内容なのでプレイヤー次第ですが、基本的には錬金術の工房でアイテムを作ることを主軸にゲームは進行します。
プレイヤーはマリーを操作して、アイテムを作るために必要な知識、素材、設備などを集めてアイテムを作っていきます。
最初は錬金術士としての実力が低く設備も少ないので作れるものも少なく、レベルも低いので遠出もしづらく素材も集まらないですが、簡単な調合を繰り返して経験を積み、作ったアイテムを後述の酒場で売り渡すことによりお金を稼ぎ、冒険者を雇うことで遠くて危険な場所の素材集めも容易になります。

書物を買ったり図書室で読んだりすることでアイテムのレシピを集め、作れるものを増やしていきます。
書物やアイテムを作るために必要な設備は高額で、図書室は錬金術士として一定以上の実力がなければ入らせてもらえません。そのため最初から強力なアイテムを作って楽することはできないようになっています。
町の酒場には「○○を求めている」という依頼が張り出されており、錬金術で作ったアイテムを酒場のマスターに売り渡すことで銀貨(コール)を得ることができます。
モノによっては高額のコールが支払われるため、本の購入や冒険者の雇用のためには酒場で依頼をこなすことがほぼ必須なのです。

このように通常のRPGのように敵と戦って経験値を手に入れ、レベルを上げて強くなりお金を稼ぐのとは違い、調合を繰り返して錬金術士としての実力を上げ、作ったものを使ってお金を稼ぐことでマリーは成長していきます。
戦闘力に関しては普通のRPGのように戦ってレベルを上げることで強くなるのですが、ゲーム内期間が5年に決まっている上にマップを移動するたびに数日消費するため、ある程度効率的なプレイを心がけなければなりません。
やろうと思えば、5年の間を錬金術そっちのけで戦士としての修行に費やし、敵を倒しまくってレベルを上げマリー無双をすることだってできます。また、そのようなゲームコンセプトから外れた成長法を取ってもバッドエンドにならないエンディングまで用意されています。

~5年間を彩る様々な要素~

『マリーのアトリエ』サントラ

『マリーのアトリエ』サントラ

新しいシリーズとは、時代の流れによる機器進歩、ディスクにいれる圧縮要領、使える音源の関係で旧作と差が出てしまいますが、このプレステ音が当時のファンはたまらないでしょう。今聞いても良いものです。
ただ単に禁欲的に錬金術士の腕を磨くだけでは現在のような一大シリーズの原点にはなりえなかったことでしょう。(もちろんそういうプレイもできますが)
このゲームはサブキャラクターやそれに伴うイベントが豊富なのです。
また、様々なミニゲームが発生することも。
親友のシアをはじめ、ライバル的存在の優等生クライス、冒険者宿で出会う冒険者たち、武器屋の主人やアカデミー関係者など多くの人間と関わることになります。
彼らはそれぞれの生活・仕事をしているだけでなく各個にサブイベントが存在します。また仲がよくなれば個人的にアイテム製作の依頼を持ちかけてくることもあります。

キャラクター関連だけでなく、のみの市が開かれればレアなアイテムが購入できたり、騎士団が討伐の遠征に出かければモンスターのエンカウント率が低くなり遠出が楽になったりとゲーム進行の役に立つイベントが多いです。
また、ストーリーを進行していくと妖精さんを雇うことができるようになります。
妖精さんは雇うことでマリーの代わりに調合したり素材を集めてきてくれます。雇うには高額なお金がかかりますがプレイを大幅に楽にしてくれるのです。

素材を収集できる場所によってはボスがいることもあります。非常に強いのですが彼らを倒すことで強力な素材を手に入れたり、エンディングのフラグを立てることができます。

今更ですがマルチエンディングであり、プレイスタイルに合わせて変わるエンディングが魅力的です。一度クリアしても別の楽しみ方ができます。
一緒に冒険に出て友好度を上げた仲間は人物プロフィールと各種立ち絵を閲覧できるモードに登録されるというやりこみ要素もありました。

上記の要素は起こすも無視するも全てプレイヤーの自由!
これらのおかげで5年という年月のあちこちにアクセントがついています。
逆に5年間何もせずひたすら睡眠というプレイも可能で、相応のエンディングが用意されています。

その他の評価点

桜瀬琥姫さんによるキャラクターデザインはファンタジー色が強く、美麗で人気です。
前述の妖精さんやドラクエでいうスライムにあたる雑魚敵「ぷにぷに」はその可愛らしいデザインからシリーズのマスコット的存在になりました。

音楽も良質でした。のんびりとした安らげる曲が多い一方でボス曲はとてもかっこよかったり…。
また作曲者がメールプラーナと同じであるため、メールプラーナのアレンジBGMがおまけとして挿入されています。
ロードが皆無というところもポイントです。
また睡眠することで一気に期間を飛ばすこともでき、快適なテンポで遊べます。

~当時のCM~

CM ガスト 『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』

すごくシンプル。

~賛否両論点・問題点~

序盤から強力な敵の出る場所へ行ける

序盤から行ける材料採取地の一つ「ヴィラント山」は序盤から行ける割には道中含め強敵が出没し、序盤では用意をした上で向かってもあっさり全滅してしまう程。
ただし情報を聞いた時点で「危険なモンスターが出る」と忠告されるので、話を聞かない方に問題があるのですが。
また、年に2回騎士団がモンスター討伐を行ってくれます。
その月の間は一切モンスターが出なくなるので、その際に向かう事で安全に採取を行う事が出来ます。

シナリオ面での問題

サブイベントやボリュームが少なく薄味な感じがあります。
サブイベント自体はそれなりにあってもフラグをきちんと立ててないと途中でイベントがなくなってきてシナリオ面で飽きがきます。
その頃には大抵合成にのめりこんでいるので、余計なイベントが発生しない分、合成に集中できるという見かたもできます。

システム面での問題

正直、戦闘のバランスがいまいちです。
本作の戦闘では素早さが最重要視されており、素早さが高い方が先に攻撃できるようになっているので、序盤の低レベルキャラはリンチを喰らいやすく、レベル上昇と共に素早さが成長した後半になると、相手に攻撃の機会さえ与えないこともあります。
戦闘で貰える経験値がシミュレーションRPGのようなキャラ個別での入手方式である為、前述の通り素早さが低いキャラや打たれ弱く前線に出し辛いキャラは、愛が無いとかなり育ちにくいです。

~総評と感想~

それまでのRPGとは一線を画したゲーム性で話題となり、男女問わず一定のファンを獲得することに成功しました。
ガストという中小企業の認知度を上げ、後に続くアトリエシリーズの礎となる作品になりました。

いろんなアトリエをやりましたが、いまだに劣等生のマリーを見た時のインパクトにはかなわないですね。
錬金術に使うアイテムは、基本的には街の外に採取にいくのですが、錬金術士のマリーは非力。
護衛の冒険者を雇うにはお金がいるし、お金はアイテムを作って売って稼がないといけないし、
アイテムは……と、しばらくは勝手がわからずぐるぐるしたものです。

20年の時を経た今、調べてみて改めて完成度の高さに驚かされました。
最近の『アトリエシリーズ』と比較しても、調合と冒険を軸とした遊びの基本がほとんど変わっていません。
もちろん、遊びやすさや奥の深さ、世界観の広がりやグラフィックなどは作品を重ねるごとに劇的な進化を遂げています。アイテム調合においても、いかに効率よく作り、どうすればアイテムの効果を極められるかなど、求道的な魅力も増していきました。
しかし、材料を集めてアイテムを作り出す楽しさは一作目から変わっていないのです。ルーチンワーク…ではないですが、いい意味で変わらないアトリエらしさが受け継がれていきます。
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