2017年7月12日 更新
1993年にハリウッドで実写映画化されたスーパーマリオ
おそらく、現在最新鋭のテクノロジーを駆使したとしても、地雷臭しかしないであろうスーパーマリオの実写化映画化。それを1993年に実現したのだから、大したものです。B級感あふれるビジュアルながらも、劇中には元ネタの意図をくみ取った、心にくいギミックが盛りだくさん。そんな、今見ると意外に楽しめそうな、ハリウッド版スーパーマリオについて紹介していきます。
リオデジャネイロオリンピックの閉会式でも脚光を浴びたマリオ
2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピック。その閉会式におけるリオから東京への引き継ぎセレモニーで、スーパーマリオに扮した安倍晋三首相が登場し、大きな話題を呼びました。
世界が見守る五輪の舞台で、自国の内閣総理大臣が任天堂のイチゲームキャラに扮したこの「安倍マリオ」演出によって、日本人は改めて気づかされたことでしょう。マリオとは、国際的に通用する日本のポップアイコンなのだと。
1985年発売の『スーパーマリオブラザーズ』で、一躍、世界的人気キャラクターに
もともとは、1981年に発売されたアーケードゲーム『ドンキーコング』における主人公キャラクターとして誕生したマリオ。ファミコン黎明期の1985年にリリースされた『スーパーマリオブラザーズ』が世界各国で空前のブームになったことで、一躍、人気ゲームキャラクターとして認知されるようになります。
元・ビートルズのポール・マッカートニーが1990年に来日した際、マリオの生みの親・宮本茂を自ら食事に誘い、サインをねだったというのは有名な話。それほどまでに、マリオの名声は昔から世界的なのです。
ファミリーコンピュータ用ゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』(1985年発売)
キャッチコピーは「マリオが、ハリウッドを本気にさせちゃった。」だったハリウッド版マリオ
そんな世界的人気キャラクターであるがゆえ、2次利用されるのは、ある意味、宿命と言えば宿命。かくして、1993年。ハリウッドが総額50億円の制作費を投じて、実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』は完成。キャッチコピーはこんな感じでした。
「マリオが、ハリウッドを本気にさせちゃった。」
「映画のマリオは、やることでかい。」
「このヒゲオヤジが、超つよい。」
スーパーマリオ 魔界帝国の女神(1993年公開)
うたい文句からして何やら不穏な空気漂う本作。あらすじは以下の通りです。
<あらすじ>
6500年前、現在のアメリカ・ニューヨーク近辺に巨大隕石が落下します。この衝撃によって恐竜世界と人間世界は2つに分断。絶滅したと思われた恐竜は地下で生き延びて、独自の進化を遂げていったのでした。
時は流れて現代。ブルックリンで配管工を営むマリオとルイージの兄弟は、地下の下水路で化石発掘を行う調査チームのリーダー・デイジーと知り合います。デイジーに一目ぼれしたルイージは食事の約束を取り付け、兄・マリオとマリオの恋人・ダニエラと共にディナーを満喫。しかし、食事を終えて帰路につく最中、ダニエラとデイジーは謎の男たちに連れ去られてしまいます。犯人のあとを追うマリオとルイージ。たどり着いたのは、進化した人型の恐竜たちが暮らす地下都市「ダイノハッタン」。この都市をクーデターによって占拠したクッパ大王から愛する女性を取り戻すべく、兄弟の冒険は始まるのでした…。
名優デニス・ホッパーも出演!個性豊かな俳優陣
配管工の兄弟がお姫様をクッパから救うという元ネタのプロットはそのままに、隕石による世界の分断と「恐竜都市」の誕生という、なかなか独創的な設定を盛り込んでいる『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』。物語を盛り上げる出演俳優陣もけっこう豪華です。
マリオ・マリオ(演:ボブ・ホスキンス)
ニューヨーク・ブルックリンで配管業者「マリオブラザーズ配管サービス」を運営する中年のオヤジ。職人気質の頑固者で、多少融通の利かないところがあるものの、配管工としての腕は抜群。頼りになる「兄貴」として、弟・ルイージとともに活躍します。
ルイージ・マリオ(演:ジョン・レグイザモ)
ファミコン好き・オカルト好きなイマドキの若者。少々軟弱者の気質があるものの、心優しい青年で、作中ではヒロインのデイジーと惹かれ合います。
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