視聴率ナンバーワンの大河ドラマ「独眼竜政宗」を振り返ろう!
2021年3月7日 更新

視聴率ナンバーワンの大河ドラマ「独眼竜政宗」を振り返ろう!

歴代の大河ドラマの中で平均視聴率ナンバーワンを誇る「独眼竜政宗」。大河ドラマ全盛期の作品を振り返ってみましょう。

667 view

「独眼竜政宗」が放送された経緯

「独眼竜政宗」が放送されたのは1987年(昭和62年)です。

それまでの3年間、1984年から1986年は近代を舞台にしたドラマが放送されていました。1984年は第二次世界大戦を扱った「山河燃ゆ」、1985年は明治生まれの人物を主人公にした「春の波涛」、1986年は終戦後を舞台にした「いのち」です。

大河ドラマが近代になった代わりに水曜日に「NHK新大型時代劇」というドラマ枠ができ、こちらは好調でした。

「いのち」は視聴率も悪くなかったのですが、舞台が現代のため「連続テレビ小説と変わらない」といわれていました。やはり大河ドラマといえば歴史もの、というイメージが強かったんでしょうね。そこで近代シリーズは3作で終了となったのです。

そこで1988年は「徳川家康」以来4年ぶりに時代劇のドラマとして「独眼竜政宗」が放送されたんです。

満を持しての登場という感じですよね。平均視聴率は39.7%で2021年現在、大河ドラマの視聴率トップです。やはり視聴者の求めていたのはこれだったんでしょうね。この後高視聴率が続き「大河ドラマ全盛期」と呼ばれる時代がやってきます。

「独眼竜政宗」のキャスト

Amazon.co.jp: NHK大河ドラマ 独眼竜政宗 完全版 第一巻 [DVD]: 渡辺謙, 北大路欣也, 岩下志麻: DVD (2260345)

「独眼竜政宗」のキャストは以下の通りです。

伊達政宗:渡辺謙(幼年時代:藤間遼太 少年時代:嶋英二)
伊達照宗(政宗の父):北大路欣也
保春院(ほしゅんいん)(政宗の母):岩下志麻
愛姫(めごひめ)(政宗の正室):桜田淳子(少女時代:後藤久美子)
伊達小次郎(政宗の弟):岡本健一(少年時代:山ノ井隆信)
猫御前(ねこごぜん)(政宗の側室):秋吉久美子
五郎八姫(いろはひめ)’(政宗の長女):沢口靖子(少女時代:塙紀子)
伊達忠宗(政宗の次男):野村宏伸(少年時代:小林正幸)

伊達成実(政宗の家臣):三浦友和(少年時代:山上隆)
伊達実元(成実の父):竜雷太
片倉小十郎(政宗の守役):西郷輝彦(少年時代:江川芳文)
鬼庭左月(伊達家の重臣):いかりや長介

最上義光:原田芳雄
豊臣秀吉:勝新太郎
石田三成:奥田瑛二
徳川家康:津川雅彦

登場人物はイメージからキャスティングしたそうですが、新人俳優からベテラン俳優、アイドル、芸人と幅広いキャスティングですね。今見ても面白そうなので人気が出たのが分かります。

元々主演は西城秀樹さんをキャスティングしていたのですが、辞退されたため渡辺謙さんが抜擢されました。

渡辺謙さんは「山河燃ゆ」以来二度目の大河出演です。この頃渡辺謙さんは新進気鋭の俳優で、この作品がきっかけで国民的俳優となりました。

伊達政宗ははまり役だったのですが「渡辺謙=伊達政宗」のイメージが付きすぎてしまい、その後は苦労もされたのだとか。「ラストサムライ」でアカデミー賞の助演男優賞候補になった時「これでやっと伊達政宗から解放されるかな」と話していたそうです。

渡辺謙さんは1986年の連続テレビ小説「はね駒」に出演されていて「目がいい」といわれて抜擢されました。この作品では実際に右目を閉じて演技をしていたため、色々と苦労されたそうです。本番中にひっくり返った故tもあるのだとか。片目で演技をするなんてさすがプロという感じですよね。

脚本のジェームス三木さんは、俳優陣が豪華すぎて困ったこともあったそう。勝新太郎さんと岩下志麻さんのクレジットに順番を付けられないといいい、2人が同じ回に登場しないように脚本を書いたそうです。なかなかない苦労ですよね。

大河の常識を変えた斬新な演出も!

Amazon.co.jp: NHK大河ドラマ 独眼竜政宗 完全版 第弐集 [DVD]: 渡辺謙, 北大路欣也, 岩下志麻, 山岡荘八, ジェームス三木, 渡辺謙: DVD (2260348)

「独眼竜政宗」はキャスティング以外にも様々な工夫をされていて今までの大河の常識を変えています。

まずはオープニング。それまでのオープニングは風景などを映し出したものが多かったのですが、「独眼竜政宗」では青いトンネル風の風景の中に伊達政宗に扮した渡辺謙さんが登場し、レーザー光線や、逆光撮影など特殊効果を使った演出をされています。その時変わり兜をかぶっていたのですが、それはすべてレプリカではなく本物でした。

ハイテクな演出ですが昔の本物を使っているというのがまたいいですね。

このテーマソングも有名になり、今では他局で伊達政宗を特集するときなども使われています。伊達政宗といえばこの曲、というほど沁みついているんですね。

また、今ではオープニングの前に史実を説明するのが定番ですが、それが定着したのはこの「独眼竜政宗」なんです。今までも「獅子の時代」で同じ手法を使っていましたが、定着したのはこの作品からだったんですね。確かに最初に説明があると、歴史に詳しくない人でもドラマに入りやすいですね。

また、最も斬新な演出として伊達政宗本人の遺骨が映し出されました。1974年に発掘されたもので奇跡的に残っていたんです。これを第一話で紹介、そして最終回で発掘現場の映像と頭蓋骨が映し出され物語が終わりました。

こうした斬新な演出や計画もこのドラマの人気の秘密なんでしょうね。
8 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【伊達成実】日本人が昔から好きな「戦国武将」、そして彼らの生き様を表現した甲冑。

【伊達成実】日本人が昔から好きな「戦国武将」、そして彼らの生き様を表現した甲冑。

NHKが1987年(昭和62年)1月4日から12月13日に放送した大河ドラマ「独眼流政宗」を覚えておりますか?主演の渡辺謙さんをはじめ、勝新太郎さんや八千草薫さん、岩下志麻さん・・・俳優陣も恐ろしく豪華でした。多くの日本人は戦国時代が好き。生き抜こうとする彼らの生き様が好き。そんな生き抜く魂を甲冑で表現した武将がいます。伊達成実(だて しげざね 1568年~1646年)です。
山崎敬子 | 3,101 view
大河ドラマ高平均視聴率トップ10!

大河ドラマ高平均視聴率トップ10!

1963年の放送開始から1990年代までの38作品を勝手にランキング。平均視聴率の良かった10作品を紹介します。
大河ドラマで複数回主演を演じた7人の俳優

大河ドラマで複数回主演を演じた7人の俳優

1963年から始まったNHK大河ドラマ。1990年代までの38作品に主人公として出演した7人の俳優に注目してみました。
「西郷どん」は初回視聴率ワースト2位でした!では、歴代最高視聴率の大河はどの作品?

「西郷どん」は初回視聴率ワースト2位でした!では、歴代最高視聴率の大河はどの作品?

鈴木亮平主演のNHK大河ドラマ『西郷どん』の初回視聴率が、歴代ワースト2位となる15.4%だと分かりました。今のところ、数字の上では結果を残せなかったわけですが、では逆に、歴代最高視聴率の大河ドラマとは、いったい、何なのでしょうか?今回ランキング形式で、トップ10から紹介していきます。
こじへい | 6,352 view
コミカルな雰囲気漂う歴史シミュレーションゲーム「独眼竜政宗」

コミカルな雰囲気漂う歴史シミュレーションゲーム「独眼竜政宗」

言わずと知れた仙台藩の礎を築いた伊達政宗を主人公にしたシミュレーションゲーム。信長の野望と比べるとコミカルで家臣の小十郎とのやり取りが面白い。マルチエンディングなのでやり込み要素も高いゲームです。
ほうみん | 7,048 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト