進化とともに様変わりを続けていく「自転車」の歴史を振り返る。
2016年10月31日 更新

進化とともに様変わりを続けていく「自転車」の歴史を振り返る。

時代とともに進化し、様変わりを続ける自転車。私たちが子供の頃はフラッシャー自転車や多段階変速自転車。そこからマウンテンバイクやママチャリなどの流れ。近年ではロードバイクや電動自転車等、生活スタイルや技術進化によって支持される自転車も変わってきますよね。図鑑で見た「前輪が大きな自転車」など、古い時代の自転車について振り返ってみます。

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自転車の歴史

自転車の起源については下記Wikipediaをはじめ様々な説がありますが、いつ誰が発明したのかが明確にはなっていないようです。

ただ、おおむね19世紀初頭のヨーロッパで生まれたとされているようです。
とすれば、自転車の歴史はおよそ200年ということになりますね、意外と短く感じるかもしれません。
自転車の歴史、特に黎明期の記録については現在もヨーロッパ各国を中心に資料の発掘と検証が続けられており、長らく定説とされてきたものを覆す研究も提示されている。また二輪の自転車よりも三輪以上の自転車がより早く製作されていたと考えられている。
芳虎『東京日本橋風景』(明治3年)

芳虎『東京日本橋風景』(明治3年)

明治3年とありますので、1870年頃に描かれた絵ですね。
自転車が日本にやって来たのは、開国した明治時代になってからということでしょうか。

二輪自転車の祖先!地面を蹴って進む「ドライジーネ」(1813年or1817年)

いくつもの文献で確認することが出来ますが、1817年にドイツのカール・フォン・ドライスによって発明された木製の乗り物「ドライジーネ」は、前輪の向きを変えることができるハンドルと、前後同じ直径の二つの車輪を備えていました。
走り方はなんと足で直接地面を蹴って走るというものでしたが、ハンドルを動かして自由に曲がることが出来、時速15kmで走行出来たのです。
ドライジーネ(1817年)

ドライジーネ(1817年)

車体も車輪も全て木製。
搭乗者はサドルに跨がってハンドルバーで前輪を操舵しながら地面を蹴って進む乗り物。

ペダルの元祖!「ベロシペード」の登場(1839年)

1839年、スコットランドの鍛冶屋カークパトリック・マクミランがペダルによる駆動装置を発明。
これまでは足で地面を蹴って前進していた自転車から、はじめて足が地面を離れた瞬間でした。

後輪を駆動させるために前輪より後輪の方が大きく、ハンドルのグリップを回すことで前輪にブレーキがかけられるようになっています。
ベロシペード(1839年)

ベロシペード(1839年)

多様なデザインがあり、2輪・3輪・4輪車があります。発明者にちなんで「マクラミン型」とも。
2輪車は後に「ペニー・ファージング型」となって極端に大きな前輪と小さな後輪を備え、自転車ペダルで前輪を直接駆動することに。
ベロシペードはラテン語で「早足」を意味します。
ちなみにフランス語で自転車は「ベロ(vélo)」です。

前輪にペダルを取り付けた2輪ベロシペード「ミショー型」がフランスで登場、初の量産へ(1861年)

1861年、フランスのパリで馬車職人をしていたミショー親子による発明で、2輪ベロシペードの前輪にペダルが取り付けられました。

1867年には年間1,000台を生産し「ミショー型ベロシペード」として普及することとなります。
ただし木製の車輪に鉄の輪を巻きつけたもので、ヨーロッパの石畳の道では乗り心地が悪く、イギリスではボーンシェーカー(骨揺り)などと呼ばれました。
ミショー型ベロシペード(1867年)

ミショー型ベロシペード(1867年)

ベロシペード製造の代表的な会社としてピエール・ミショーがあります。
これはベロシペードの大量生産をおこなった初の会社であり1867年から1870年にかけて製造。
アメリカでは1868年から1869年にかけて流行しました。

スピードを追及して前輪が巨大化「ペニー・ファージング型自転車」(1970年代)

1870年頃、英国のジェームズ・スターレーが、スピードを追求するために前輪を巨大化させたペニー・ファージング型自転車を発売し好評を博したため、多くのメーカーが追随。

前輪は拡大を続け、直径が1.5メートルを超えるものも出現しました。しかし極端に重心位置が高いため安定性が悪く、乗車中は乗員の足がまったく地面に届かないことなどにより日常用としては運用が困難であり、転倒すれば高所より頭から落ちるような危険な乗り物でした。
ペニー・ファージング型自転車(1870年代)

ペニー・ファージング型自転車(1870年代)

オーディナリー、日本ではダルマ自転車とも。
日本の鍛冶職人たちはその形態を真似て手工業規模ながら国産化を試みたそうですが、当時の鍛冶の技術的限界により、国産品はペニー・ファージングを特徴づける機械工学的要素までは再現できていなかったようです。
私たちが幼いころ、図鑑や絵本などで見た記憶のある古い自転車といえばこの「ペニー・ファージング型自転車」だったのではないでしょうか。

当時はまだチェーンがないため、スピードを出そうとすれば1回転でより多くの距離を進むことが出来る径の大きな車輪にするしか方法がなく、いまとなっては「!?」と感じてしまうほどに車輪が巨大化していったのでしょうね。
イギリスの自転車産業発展の元となったペニー・ファージン...

イギリスの自転車産業発展の元となったペニー・ファージング型自転車

ペニー・ファージングという名前は直径の大きく異なる前後輪をイギリスの1ペニー硬貨とファージング(1/4ペニー)硬貨に見立てて名づけられました。
初めてペニー・ファージングの技術的特徴を備えた自転車は、1869年にワイヤースポークホイールの特許を取得したフランスのウジェーヌ・マイヤー (Eugène Meyer) 。
その後1870年頃に、ジェームズ・スターレーとウィリアム・ヒルマンが設立した Coventry Machinists Co. から発表されたアリエル号 (Ariel) がヒット商品となりました。

他の自転車製造者もこれに追従して急速に普及、1880年頃が最盛期となります。
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