タレントをアーティスト志向、女優志向で売り出す傾向が主流となっていた日本に、再びアイドルの灯を点してくれたのがモーニング娘。
同作品は、彼女たちのオフィシャルストーリーとして出版された。メンバーの新加入・卒業、新ユニット誕生に再編成……。大企業のごとく“人事異動”を繰り返し、化学反応を起こしてきたハロープロジェクトだが、本作ではそんなドタバタを包み隠さず描いている。つんく氏に振り回されながらも成長していく娘たちの姿に感動を覚えずにはいられない。
一方、モーニング娘には「その後、何かとやらかした」メンバーが多く、そこを踏まえて読んでみるとさらに面白味が増す。
とくに印象的なのは、矢口真里が「LOVEマシーン」において、「セクシービーム!」と叫ぶ担当を命じられるシーン。作中の彼女は「なんで私が?」と感想を漏らしているが、あの事件を知った今なら「あなたしかいませんよ」と誰もが断言できるだろう。つんく氏は人を見抜く天才である。
同作品の連載スタート時は、すでに第4期のメンバー構成であったが、福田明日香が登場する回想シーンも存在。初期のファンにもうれしいサプライズが用意されている。
同作品は、彼女たちのオフィシャルストーリーとして出版された。メンバーの新加入・卒業、新ユニット誕生に再編成……。大企業のごとく“人事異動”を繰り返し、化学反応を起こしてきたハロープロジェクトだが、本作ではそんなドタバタを包み隠さず描いている。つんく氏に振り回されながらも成長していく娘たちの姿に感動を覚えずにはいられない。
一方、モーニング娘には「その後、何かとやらかした」メンバーが多く、そこを踏まえて読んでみるとさらに面白味が増す。
とくに印象的なのは、矢口真里が「LOVEマシーン」において、「セクシービーム!」と叫ぶ担当を命じられるシーン。作中の彼女は「なんで私が?」と感想を漏らしているが、あの事件を知った今なら「あなたしかいませんよ」と誰もが断言できるだろう。つんく氏は人を見抜く天才である。
同作品の連載スタート時は、すでに第4期のメンバー構成であったが、福田明日香が登場する回想シーンも存在。初期のファンにもうれしいサプライズが用意されている。
アイドルコミック まとめ
失われた時代と呼ばれる90年代は、アイドル黄金期の副産物である。
崇高な理想は大衆化し、そこに個性がなければ、アイドルはアイドルでいられなくなった。だからこそ、この時代のアイドルコミックには、それなりの趣向が凝らされているし、作り手のクリエイティビティーを感じさせるものが多い(秀逸がどうかは別として)。
ただ、そこまでしなければならない必死さは、時として失笑を買うものだ。当時、大人気だったアイドルの今と照らし合わせながら、「黒歴史」を楽しむことをおすすめしたい。
崇高な理想は大衆化し、そこに個性がなければ、アイドルはアイドルでいられなくなった。だからこそ、この時代のアイドルコミックには、それなりの趣向が凝らされているし、作り手のクリエイティビティーを感じさせるものが多い(秀逸がどうかは別として)。
ただ、そこまでしなければならない必死さは、時として失笑を買うものだ。当時、大人気だったアイドルの今と照らし合わせながら、「黒歴史」を楽しむことをおすすめしたい。