1980年代の【F1】と言えばホンダのエンジンを載せた【1988年 McLaren Honda MP4/4】
2015年9月17日 更新

1980年代の【F1】と言えばホンダのエンジンを載せた【1988年 McLaren Honda MP4/4】

1988年シーズン開幕戦から最終戦まで使用され、圧倒的な強さで全16戦中15勝を記録した【1988年 McLaren Honda MP4/4】を振り返る。

9,681 view

ホンダのF1の歴史

RA271(1964年)

RA271(1964年)

ホンダのF1参戦の歴史は、シャーシ、エンジン含め全て自社製造しフルワークス体制でチームとして参戦した第1期、既存チームにエンジンを供給するという「エンジンサプライヤー」の形をとった第2期、当初エンジンのみを供給し、後にフルワークス体制のホンダF1チームに移行した第3期、エンジンとエネルギー回生システム(ERS)をパッケージしたパワーユニットのサプライヤーとなる第4期に分かれる。

エンジンサプライヤーの形をとった第2期を振り返る

McLaren Honda MP4/4

McLaren Honda MP4/4

1980年代の日本国内のF1ブームでは、当時人気を博したドライバー、アイルトン・セナと蜜月関係を結び、「F1のホンダ」として大いに知名度を高めた。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/5a/28fcdd64b7af59c358a4ce68caab0a02.jpg (647983)

1988年にホンダエンジンを搭載したマクラーレンが16戦15勝するなど、その当時ホンダのエンジンが最も高性能であり、コンストラクターは6年連続、ドライバーは5年連続でホンダエンジン搭載車が獲得したことから、ホンダエンジンなくしては総合優勝を狙えないとまで言われた。
RA168Eエンジン

RA168Eエンジン

現実的にはHondaのV6ターボエンジン「RA168E」の性能に負うところが大きかったと言える。

McLaren Honda MP4/4 (1988 late) @ Twin Ring Motegi , 11 July 2012 - YouTube

88年はターボF1時代がついに終わりを告げる年でもあった。

88年はターボF1時代がついに終わりを告げる年でもあった。翌年からは3.5リッターNAエンジンへと変更されることが決まっていたからだ。77年に登場した1.5リッターターボエンジンは80年代末にその頂点に達し、1400馬力を超える恐るべきパワーを発生させていた。86年には予選時のターボブーストが無限大にセットされ、ブースト圧は実に7バール超まで達するほどになっていたのだ。この強烈なエンジンは予選のわずか1回のアタックラップでブローしてしまうほどであった。またこの強烈なパワーを路面に伝えるため、マシンは異常な性格を持たねばならなかった。この際限ないパワーウォーズはF1マシンをモンスター化させ、少々危険とも言えるような状況を生み出してしまっていた。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/82/Honda_RA168E_engine_Honda_Collection_Hall.jpg (647991)

これを危惧したFIA(国際自動車連盟)は87年にブースト圧を4バールに制限。そして89年からの3.5リッターNA化を発表。つまりターボエンジンの命は88年までと宣言されてしまったのだ。ターボ最終年となった88年はさらにターボエンジンに厳しく、ブースト圧は2.5バール、それまで195リットルだった燃料制限も150リットルにまで引き下げられたのだ。ターボは空気を無理矢理圧縮して燃焼させるため、パワーは上がるものの消費燃料も多い。45リットルもの削減はターボエンジンに引導を渡したのと同じことだった。しかしHondaはこれを逆手に取り、研究開発の進んでいた低燃費ハイパフォーマンス技術を駆使し、不可能と言われたターボ締め出しレギュレーションを味方に引き入れ、競走相手のいないスーパーエンジンで他を圧倒したのだ。
http://www.honda.co.jp/Racing/gallery/images/detail/mp44/img03L.jpg (647993)

Hondaのテクノロジーを駆使してスーパーエンジンを作り上げたとは言え、88年レギュレーションによって前年よりもエンジンパワーははるかに落ち、さらにレース燃料消費量がギリギリの苦しさであることには変わりなかった。従って燃料セーブのためにもエアロダイナミクス効率の向上、ドラッグの軽減は絶対条件。マクラーレンはこのMP4/4によって遅ればせながら新しいエアロ時代への第一歩を踏み出したのだ。
http://www.honda.co.jp/Racing/gallery/images/detail/mp44/img04L.jpg (647995)

鈴鹿ファン感謝デー「マクラーレン・ホンダ MP4/4、MP4/5、MP4/6同時走行」 - YouTube

20 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

セナ以来30年ぶりの快挙!ホンダエンジン搭載車両でフェルスタッペンがF1ワールドチャンピオンに!!

セナ以来30年ぶりの快挙!ホンダエンジン搭載車両でフェルスタッペンがF1ワールドチャンピオンに!!

12日に開催されたF1シリーズ最終戦アブダビGP決勝にて、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(24・オランダ)が勝利し、オランダ人初のF1ワールドチャンピオンとなりました。
隣人速報 | 861 view
【永久保存版】“ホンダ F1”13年ぶりの勝利を特集する『auto sport 8/2号 No.1511』刊行!

【永久保存版】“ホンダ F1”13年ぶりの勝利を特集する『auto sport 8/2号 No.1511』刊行!

株式会社三栄は、本日『auto sport(オートスポーツ ) 8/2号 No.1511』を発売しました。
元F1のミカ・サロが日本人妻と離婚、金髪美女と再婚していた

元F1のミカ・サロが日本人妻と離婚、金髪美女と再婚していた

1990年代から2000年代にF1に参戦したミカ・サロの驚きの人生。彼の日本との関わり、日本人妻との出会いと結婚。そして海外で話題になった女性との長年にわたる不倫と離婚について。現在のミカ・サロと再婚した妻についても、画像を交えてお伝えします。
没後30年となるアイルトン・セナに敬意を表したモデルも!レーシングカーのレゴ®ブロック新商品5種が発売決定!!

没後30年となるアイルトン・セナに敬意を表したモデルも!レーシングカーのレゴ®ブロック新商品5種が発売決定!!

レゴジャパンより、「BMW」「マクラーレン・レーシング&セナ・ブランド」「メルセデス AMG ペトロナス フォーミュラ1チーム」とコラボレートした全5種のレーシングカー商品(レゴ®テクニック、レゴ®アイコン、レゴ®スピードチャンピオン)が発売されます。
隣人速報 | 401 view
2024年に登場?ホンダ新型「プレリュード」が22年ぶりに復活!実車が公開される!!

2024年に登場?ホンダ新型「プレリュード」が22年ぶりに復活!実車が公開される!!

ホンダの米国法人は、「ジャパンモビリティショー2023」にて世界初公開された新型「プレリュード コンセプト」が、南カリフォルニア・トーランスの「アメリカン ホンダ コレクション ホール」で展示された旨を公式Instagramアカウントにて発表しました。
隣人速報 | 621 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト