1年足らずで製造中止…伝説的な失敗飲料『タブクリア』
発売前から「コカ・コーラが出すまったく新しい飲料」というCMで煽りまくったが、不人気により1年足らずで製造中止になってしまった悲しき歴史について振り返る。
タブ(Tab)の透明版だから、タブクリア(TaB clear)
ダイエットブームの流れに乗り、砂糖や果糖の代わりに人工甘味料・サッカリンが使用されているのが特徴。
(厳密にはゼロカロリーではなく、超低カロリーである。)
タブ(Tab)
それが、タブ(Tab)である。
なお、TaBという名称に意味はなくアルファベットを無作為に発生させた中から選ばれたという。
ペプシコ社の『ダイエットクリスタルペプシ』に対抗して作られた『タブクリア』
タブでは甘味料としてサッカリンを使用していたが、タブクリアではダイエットクリスタルペプシと同じアスパルテームが使用された。
(アメリカでは「TaB COLA」という、甘味料にサッカリンを使用したTab CLEARのオリジナルも存在するらしい。)
クリスタルペプシと、ダイエットクリスタルペプシ
社運を賭けて開発したものの1年ちょっとで販売終了となった。
話題になった日本での大々的な宣伝活動
発売する前から「コカ・コーラがまったく新しい飲料を発売する」とCMを放送。
具体的な商品PRを行わずに『謎』をウリにしたCMは狙い通り大きな話題となった。
CMにはイメージキャラクターとして、政治評論家の俵孝太郎を起用。
俵孝太郎は、当時クイズ番組『マジカル頭脳パワー!!』で所ジョージに次ぐ2位のトップ賞回数を誇り、ご意見番的・知的な解答者として知名度が高かった。
俵孝太郎(たわら こうたろう)
1953年3月 東京大学文学部倫理学科卒業。
産経新聞に入社後、論説委員を務めた後退社しフリーに。
政治評論を得意とするかたわら、文化放送・フジテレビのニュースキャスターを務めた。
【動画】タブクリア(TaB clear)テレビCM
【動画】アメリカでのタブクリア(TaB clear)テレビCM
だが、『タブクリア』は売れなかった…
人工甘味料の後味が問題だと思ったコカ・コーラ社は一部エリア限定で果糖を加えたタブクリアの改良版を発売している。
こうなると「ノンシュガー」というウリもぶっ飛び、なんでこの商品を開発したのかという感じになってしまう。
『タブクリア』が失敗に終わった理由。
【その1】馴染めなかった人工甘味料の味。
そのため、「美味しくない」や「まずい」という意見が多かった。
果糖を加えた改良版タブクリアにおいても、その後味の悪さは拭えなかったという。
日本では1993年3月に発売開始。
他にもイギリスなど各国で同時期に発売されたが、いずれも不評のため1年足らずで製造中止となっている。