『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔!退廃的な近未来社会を描いたサイバーパンクSF作品
2017年1月30日 更新

『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔!退廃的な近未来社会を描いたサイバーパンクSF作品

『ブレードランナー』(1982年)はサイバーパンクSFというジャンルを世に知らしめたエポック・メイクな作品です。本作が提示した猥雑でアジア的な近未来世界のイメージは1980年代にSF界で台頭したサイバーパンクムーブメントと共鳴し、小説・映画は元よりアニメ・マンガ・ゲームなど後の様々なメディアのSF作品にも決定的な影響を与えました。ブレードランナーのストーリーをおさらいしましょう。

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『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔

『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔

『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔

『ブレードランナー』(原題:Blade Runner)は、1982年公開のアメリカ映画。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(原題:Do androids dream of electric sheep?)を原作としている。

SF映画の金字塔として評され、1993年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。全米週末興行収入成績初登場第2位(1982年6月25日-27日付)。

本作が提示した猥雑でアジア的な近未来世界のイメージは1980年代にSF界で台頭したサイバーパンクムーブメントと共鳴し、小説・映画は元よりアニメ・マンガ・ゲームなど後の様々なメディアのSF作品にも決定的な影響を与えることとなった。

出典 ブレードランナー - Wikipedia
フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も同様に作品(小説)自体はサイバーパンクとは見なされていないが、これをアレンジして映像化した映画『ブレードランナー』はサイバーパンクのイメージの源流のひとつと見なされており、「サイバーパンクとは『ブレードランナー』のような退廃的な近未来社会を描いた作品である」と形容されることもある。

『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔 Blu-Ray - YouTube

『ブレードランナー』(1982年)予告編 Blade Runner 30th Anniversary Trailer - YouTube

『ブレードランナー』はサイバーパンクSFの傑作:退廃的な近未来世界のイメージと遺伝子工学の進化によるレプリカント(人造人間)の登場

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『ブレードランナー』はサイバーパンクSF作品の傑作:退廃的な近未来世界のイメージと遺伝子工学の進化によるレプリカント(人造人間)を通じて、生命についての哲学的な命題を扱った

80年代にサイバーパンク作品が台頭してくる

典型的なサイバーパンク作品では、人体や意識を機械的ないし生物工学的に拡張し、それらのギミックが普遍化した世界・社会において個人や集団がより大規模な構造(ネットワーク)に接続ないし取り込まれた状況(または取り込まれてゆく過程)などの描写を主題のひとつの軸とした。

さらに主人公の言動や作品自体のテーマを構造・機構・体制に対する反発(いわゆるパンク)や反社会性を主題のもう一つの軸とする点、これらを内包する社会や経済・政治などを俯瞰するメタ的な視野が提供され描写が成されることで作品をサイバーかつパンクたらしめ、既存のSF作品と区別され成立した。

サイバーパンク作品では、人体へのコンピュータや機械・臓器などの埋め込み(サイバーウェア、インプラントなどと言う)によって機能や意識を拡張する人体改造的な概念や、サイバースペース等と呼ばれるネットワーク空間(仮想空間、仮想社会)などを小道具として登場させる作品も多く、また代表作の幾つかでは退廃的で暴力的な近未来社会を舞台として疲弊しきったテクノロジーを描いていたため、単にそのスタイルのみを真似てこれに倣うフォロアー的な作品がサイバーパンクを名乗ることがあるが、これらのガジェットは要素の一部に過ぎず、パンク思想やメタ視点等の最も中核的な部分を扱うことのない作品は、あくまでフォロワーに過ぎない。
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レプリカント(人造人間)のヒロイン「レイチェル」と人間の主人公「デッカード」の恋愛も描かれる

一方、1990年代に入りインターネットの商用利用解禁や、ITバブルによるパーソナルコンピュータや携帯電話などの普及によってこれらが身近なものとなり陳腐化すると、サイバーパンク・ムーブメントの存在感や刺激は相対的に後退し、沈静化する。

しかしこれは言い換えれば、90年代以降は、サイバーパンクの着想が大衆的に広く浸透し、あえてジャンル化する意義が見いだせないほど当たり前なものになった時代でもあるということである。さらにインターネットの普及、ユビキタス社会の進展により、サイバーパンク的な感覚は着実に現実に浸透しつつある。

『ブレードランナー』のストーリー

2019年、地球環境の悪化により人類の大半は宇宙に移住...

2019年、地球環境の悪化により人類の大半は宇宙に移住し、地球に残った人々は人口過密の高層ビル群が立ち並ぶ都市部での生活を強いられていた。

日本語が多い理由は、リドリー・スコットが来日した際に訪れた新宿歌舞伎町の様子をヒントにしたとされている。このことが日本人観客の興味をひくことになり、これらのシーンへのオマージュ・議論が生まれることになった。
近未来SF映画の金字塔としてその名を永遠に刻むであろう本作は、「最後のアナログSF映画」とも言われる。つまり、デジタル処理が一切施されていないのだ。CGなどまだなかった時代に、気が遠くなるような繊細な模型やセット作り、根気強いテイクの積み重ねといった“人間の力”だけで仕上げた「奇跡的な作品」でもある。

私は決してセットや舞台に妥協しない。セットは景観(ランドスケープ)だ。私の作品のすべてだ。景観と舞台はキャラクターだ。

監督はリドリー・スコット。『エイリアン』(1979)で映画監督としての評価を得ていたイギリス人にして完全主義者。
リドリー・スコットが来日した際に訪れた新宿歌舞伎町の様...

リドリー・スコットが来日した際に訪れた新宿歌舞伎町の様子などは作品作りのヒントになっている

Blade Runner - Opening Titles (HQ) - YouTube

The opening titles of one of my favorite Sci-fi movies, straight from the Blu-ray disc. One of the most evocative openings in a sci-fi film that I can remember.
超高層ビルの間を飛び交うエア・タクシー

超高層ビルの間を飛び交うエア・タクシー

一方、遺伝子工学の進化により、人間にきわめて酷似したレプリカント(人造人間)が次々に製造され、人間の代替として宇宙開拓の最前線に投入され、過酷な労働を強いられていた。

それに反発した6匹のレプリカントが脱走し、スペースシャトルを奪って地球に逃亡してきた。そのうち2匹が事故で死に、残る4人が人間に紛れてどこかに棲息しているという。

ハリソン・フォード演じる主人公、リック・デッカード

人間そっくりなレプリカントを処刑するという自らの職に疑...

人間そっくりなレプリカントを処刑するという自らの職に疑問を抱き、ブレードランナーをリタイアしていたデッカード

リック・デッカード 本作の主人公 ブレードランナー(演...

リック・デッカード 本作の主人公 ブレードランナー(演:ハリソン・フォード)

レプリカントは、外見上は本物の人間と全く見分けがつかないが、過去の人生経験が無いために「感情移入」する能力が欠如していた。

ところが製造から数年経てば彼らにも感情が芽生え、人間に反旗を翻す事態にまで発展した。

しばしば反乱を起こし人間社会に紛れ込む彼等を「処刑」するために結成されたのが、専任捜査官“ブレードランナー”である。
近未来的な高層ビルが立ち並ぶ景観の中に猥雑でアジア的な...

近未来的な高層ビルが立ち並ぶ景観の中に猥雑でアジア的な日常風景が溶け込んでいる

リック・デッカード(演:ハリソン・フォード)

リック・デッカード(演:ハリソン・フォード)

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