90年代、一躍注目を浴びた「上九一色村」
90年代に一躍注目を浴びた山梨県・上九一色村。皆さんもその名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?あれから20年以上経過した現在、村が現在どうなっているか皆さんご存知でしょうか?この記事では、90年代後半以降の上九一色村について書いてみたいと思います。
標識に残る「上九一色村」
90年代後半、テーマパークを誘致。
90年代後半、村のイメージアップのためにテーマパークの誘致が行われました。その名も「富士ガリバー王国」。おとぎの国のガリバーをテーマとし、30万平米を超える敷地で1997年7月にオープンしました。
こちらが横たわるガリバー像。
富士ガリバー王国の目玉は、ガリバー島に横たわる45メートルに及ぶガリバー。その他、ワラビーやトナカイといった動物たちと触れ合える牧場なども設置され、一躍注目を浴びていました。
様々な角度から見たガリバー。
経営悪化、そして閉鎖へ。
富士ガリバー王国で再起を図った上九一色村でしたが、交通機関でのアクセスの不便さや富士急ハイランドと競合したこともあり、集客は苦戦。さらに、1999年に実質的な経営母体であった新潟中央銀行が経営破綻するなどしたため資金繰りが悪化。2001年10月に閉鎖することとなりました。
こちらは上九一色村に存在したホテル。
※富士ガリバー王国ではありません。
※富士ガリバー王国ではありません。
上九一色村、消滅へ。
上述の通り、テーマパークの誘致による再興に失敗した上九一色村。施設の閉鎖に伴い、周辺自治体への分割・編入の話が持ち上がりました。そして2005年、上九一色村の北部が甲府市と、南部が富士河口湖町と合併することが決まり、2006年2月をもって上九一色村の名前は消滅することとなりました。
下敷きを作ってPR活動をしていた時期もありました。
閉鎖後の富士ガリバー王国は?
一方、閉鎖後の富士ガリバー王国ですが、その跡地は廃墟と化し「ほんとにあった!呪いのビデオ」の撮影に使用されるなど、心霊スポットとしても有名に。「ザ・ドッグラン」という施設が跡地にオープンしたこともあるものの、それも短期間で閉鎖しています。
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その後は施設の経営権が他の会社に譲渡され、大型リゾートホテルの建設などが検討されましたが、その会社が倒産。さらに経営権が別の会社に渡ったものの、富士ガリバー王国跡地の再利用については不透明な状態が続いています。果たして今後、旧上九一色村がどのように再興していくのか注視していきたいところです。
今となっては貴重な上九一色村のナンバープレート。