1986年のジャズ需要
ジャズは素晴らしい!とは言っても市場は小さい。にも拘らず1986年、日本ではやたらとジャズがもてはやされました。32,000人を集めたマウント・フジ・ジャズ・フェスティバル’86ウィズ・ブルーノートを始め、全国各地で行われたサマー・ジャズ・フェスティバルの数は実に40を数え、入場者数は30万人を超えています!
Mt.FUJIジャズ・フェスティバル’86 ウィズ・ブルーノート
フレディ・ハバード(tp)、ウディ・ショウ(tp)、ケニー・ギャレット(as)、バスター・ウィリアムス(b)、シダー・ウォルトン(p)、ビリー・ヒギンス(ds)、ミシェル・ペトルチアーニ(p)、ジャッキー・マクリーン(as)
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26年ぶりに上映された「真夏の夜のジャズ(ルイ・アームストロング他)」、ハービー・ハンコック等が出演した「ラウンド・ミッドナイト」といったジャズ映画をはじめ、スピルバーグの「カラー・パープル」、「ビギナーズ」、「波光きらめく果て」などジャズが使われた映画が多く公開されています。邦画でも「ジャズ大名」、「キャバレー」といったジャズをテーマとした映画がありました。
そして、CMにも多くのジャズが使われているんです。しかも大物。今となってはレジェンドと呼ばれる偉大なジャズメンが、名曲中の名曲が日本のCMに登場していたんです。今日ではちょっと考えられないジャズを使ったCMをご紹介します。
そして、CMにも多くのジャズが使われているんです。しかも大物。今となってはレジェンドと呼ばれる偉大なジャズメンが、名曲中の名曲が日本のCMに登場していたんです。今日ではちょっと考えられないジャズを使ったCMをご紹介します。
ロン・カーター
ウイスキーとジャズは相性が良い。だからでしょうか、サントリーはよくジャズを使っています。1986年はロン・カーターを。しかも曲だけでなく本人も出演させるという力の入れようです。
サントリーウィスキーホワイトCM ロン・カーター
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ロン・カーター自身がカッコイイうえに、使われた曲がまた印象的ということで、このCMによって一気に日本での認知度があがりました。
CMに使用された曲を含むロン・カーターのアルバム「ザ・マン・ウィズ・ザ・ベース」はCD部門のトップに輝くという驚異的な売り上げを記録しています。
CMに使用された曲を含むロン・カーターのアルバム「ザ・マン・ウィズ・ザ・ベース」はCD部門のトップに輝くという驚異的な売り上げを記録しています。
ザ・マン・ウィズ・ザ・ベース
1. 36414
2. NYスリック
3. いつか王子様が
4. 12+12
5. ソング・フォー・ユー
6. ダブル・ベース
7. エピストロフィー
8. アー・リオ
9. スペインの地
2. NYスリック
3. いつか王子様が
4. 12+12
5. ソング・フォー・ユー
6. ダブル・ベース
7. エピストロフィー
8. アー・リオ
9. スペインの地
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CMは2バージョンあり、1曲目と6曲目が使われています。アルバムはこの2曲以外はMilestoneというレーベルから出ていたアルバム(1976年~80年)の国内編集盤です。70年代後半のロン・カーターを知るには、てっとり早くて良いアルバムです。
サントリーは他にもクラーク・テリー、ガッド・ギャングを使ってCMを作っています。また、負けじとニッカは加古隆を、キリンビールは日野皓正と坂田明を使ったCMがテレビを賑わせました!
サントリーは他にもクラーク・テリー、ガッド・ギャングを使ってCMを作っています。また、負けじとニッカは加古隆を、キリンビールは日野皓正と坂田明を使ったCMがテレビを賑わせました!
ルイ・アームストロング
曲名は知らんけど聞いたことがある。誰が歌ってるのか分からんが、この曲は知っとる。ジャズとしては、おそらく日本においてもっともよく知られている曲のひとつであろうと思われる「この素晴らしき世界」。ホンダのシビックのCMに使われました。
1986 HONDA CIVIC Ad
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ね?聴き覚えがあるでしょう?歌っているのはルイ・アームストロング。1901年8月4日生まれで、1971年7月6日に69歳で亡くなっていますから本人の出演は叶いません。しかし、改めてこの曲を聴きファンになった方は多かったようです。
ルイ・アームストロングはトランペッターですが、個性的な声で歌手としても成功し、サッチモの相性で愛されました。
ルイ・アームストロングはトランペッターですが、個性的な声で歌手としても成功し、サッチモの相性で愛されました。
この素晴らしき世界
1.この素晴らしき世界
2.キャバレー
3.ザ・ホーム・ファイアー
4.ドリーム・ア・リトル・ドリーム・オブ・ミー
5.ギヴ・ミー・ユア・キッス
6.ザ・サンシャイン・オブ・ラヴ
7.ハロー・ブラザー
8.ゼア・マスト・ビー・ア・ウェイ
9.ファンタスティック・ザッツ・ユー
10.アイ・ゲス・アイル・ゲット・ザ・ペーパーズ・アンド・ゴー・ホーム
11.ヘルザポッピン
2.キャバレー
3.ザ・ホーム・ファイアー
4.ドリーム・ア・リトル・ドリーム・オブ・ミー
5.ギヴ・ミー・ユア・キッス
6.ザ・サンシャイン・オブ・ラヴ
7.ハロー・ブラザー
8.ゼア・マスト・ビー・ア・ウェイ
9.ファンタスティック・ザッツ・ユー
10.アイ・ゲス・アイル・ゲット・ザ・ペーパーズ・アンド・ゴー・ホーム
11.ヘルザポッピン
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「この素晴らしき世界」は、1967年に世界的なメガヒットとなった曲です。作詞・作曲は、G・ダグラスとジョージ・デヴィッド・ワイスの2人です。
世界中で多くのミュージシャンがカバーしている名曲で、日本でも五輪真弓、小林桂、東京スカパラダイスオーケストラ、中島美嘉、BEGIN、平井堅、本田美奈子、槇原敬之、八代亜紀、渡辺美里、ASKA、MONGOL800、THE MODSなどが歌っています。
世界中で多くのミュージシャンがカバーしている名曲で、日本でも五輪真弓、小林桂、東京スカパラダイスオーケストラ、中島美嘉、BEGIN、平井堅、本田美奈子、槇原敬之、八代亜紀、渡辺美里、ASKA、MONGOL800、THE MODSなどが歌っています。
キース・ジャレット
同じくホンダのレジェンドに起用された曲はキース・ジャレットの「ケルン、1975年1月24日(パートI)」。名盤中の名盤、アルバム「ザ・ケルン・コンサート」の中の1曲ですが、これ名盤には違いありませんが、果たして名曲と言っていいものかどうか。と言うのも、これキース・ジャレットのピアノ・ソロによる完全即興演奏なんですよね。
ザ・ケルン・コンサート
1.ケルン、1975年1月24日(パートI)
2.ケルン、1975年1月24日(パートIIA)
3.ケルン、1975年1月24日(パートIIB)
4.ケルン、1975年1月24日(パートIIC)
2.ケルン、1975年1月24日(パートIIA)
3.ケルン、1975年1月24日(パートIIB)
4.ケルン、1975年1月24日(パートIIC)
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1975年に行われたライブですが、名曲というよりも名演というべきものでしょう。そして、これをジャズというには疑問符がつきます。音楽的には「クラシック音楽のカデンツァに、ジャズの音階とテクニックを持ち込んだ内容」ということになるそうですが、まぁ、よく分からんですね。
しかし、この曲は美しい。いえ、美しすぎます。ジャズであろうとなかろうと美しい。地球上に存在するもっとも美しい音楽のひとつです。CMに使われているのは冒頭の部分のみですが、それでもその美しさ、気品のようなものは十分に感じ取ることができます。
しかし、この曲は美しい。いえ、美しすぎます。ジャズであろうとなかろうと美しい。地球上に存在するもっとも美しい音楽のひとつです。CMに使われているのは冒頭の部分のみですが、それでもその美しさ、気品のようなものは十分に感じ取ることができます。