再びモルジアナ役に
撮影現場に戻ったノンナですが、映画の撮影は難航していました。ラーラは、天才ゆえに努力をすることをせず、様々な取り巻きと連日遊び歩き、ミロノフとの踊りも息が合いません。ミロノフは映画監督のレオ・リジンスキーと、ラーラとノンナについて話をします。ミロノフは改めてノンナの存在の大きさを感じていました。再テストをすることになりましたが、ラーラは女優になると宣言して撮影現場から立ち去り、ノンナが主役として映画は撮影されることになります。
via ameblo.jp
フランスへの招待
映画が成功し、ノンナとミロノフはパリ・オペラ座のバレエ団から客員として招待されます。そこでノンナは初めてモダン・バレエを目にして驚きます。ソビエトのクラシック・バレエとは異なり、自由奔放なモダン・バレエに戸惑いながら、オペラ座のクレール・マチューとロベールのペアから、代表作「ミラージュ」を教わり、彼らには「アラベスク」を教えて、どちらのペアでも2つの作品が踊れるまでになりましたが、マチューは病に倒れてしまいます。白血病で危篤のマチューに代わり舞台に立つことで、ノンナはマチューの遺志を継いで踊りつづけていくことを決意します。
フランスから戻ったノンナは、映画「アラベスク」の功績を評価され、ウラノワ特別賞を受賞します。
フランスから戻ったノンナは、映画「アラベスク」の功績を評価され、ウラノワ特別賞を受賞します。
第2部 ヴェータの登場
レニングラード・バレエ学校の最上級生の8年生になったノンナですが、ミロノフは地方からヴェータ(スヴェトラナ・エフレモア)を連れてきて熱心に指導します。まだまだミロノフの指導を受けたいと思っていたノンナは不安を感じます。ヴェータは1度見た踊りは完璧に踊れるという才能を持っていました。ノンナの親友アーシャのデビュー公演で、急きょ代役でヴェータが黒鳥を踊ることになります。ソビエトを訪れた政治家の接待として「アラベスク」を踊ることになっていたノンナとミロノフですが、ミロノフはヴェータの用事で呼び出され踊ることができなくなってしまいます。
ミロノフの代役としてノンナと一緒に「アラベスク」を踊ったのは、エーディク(エドゥアルド・ルキン)でした。エーディクはソビエトでは自分はドゥミ・キャラクテール(個性的なダンサー)としてしか見られないことに不満を感じていました。ミロノフの代役に立ったエーディクは、独自の解釈でミロノフとは全く違う踊りを披露します。それを知ったミロノフは、翌日一切の跳躍を排除して踊り、エーディクはミロノフに対して敗北感を味わうことになります。ノンナは、ミロノフの踊りに動揺し、足を捻挫してしまい、そのまま足が動かなくなってしまいます。
エーディクの亡命
精神的な問題で足が動かなくなったままのノンナが、卒業公演で踊ろうと考えていた「せむしの仔馬」をヴェータが踊ることを知り、さらにショックを受けます。エーディクはこのままソビエトにいては、自分の望む踊りができないと考え、ノンナに一緒に亡命しないかと誘いかけます。ミロノフから離れて、自由に踊らないかと言われたノンナは、一緒に北欧公演についていくことにします。しかし空港でミロノフの姿を見たノンナは、無意識のうちに自分の足で立ち上がり、ミロノフの元に歩き出していました。
一方ヴェータは、独学でバレエを練習するために、人の踊りを見て覚えていたことが仇となり、代役しかできないダンサーになってしまっていたと、レニングラードを去っていきます。
一方ヴェータは、独学でバレエを練習するために、人の踊りを見て覚えていたことが仇となり、代役しかできないダンサーになってしまっていたと、レニングラードを去っていきます。
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ソビエトに残ることを決めたノンナは、学校の制度が試験的に9年制になったことで、最上級生の9年制として、ミロノフの再来と言われる同級生のレミル・ブロフとパートナーを組むことになります。レミルと組んでコンクールに出場することになりますが、新しく来た副校長のザカレフスキーは、ノンナが以前「瀕死の白鳥」で失敗したことから、キャラクター・ダンサーとして出場することを提案します。ミロノフはその意見に強硬に反対し、ノンナは苦手なロマンチック・バレエの極致「ラ・シルフィード」を踊ることになります。
「ラ・シルフィード」とノンナの苦悩
副校長ザカレフスキーのつてで、バレエピアニストのカリン・ルービツという女性がノンナの教室にやってきます。カリンは事あるごとにノンナを馬鹿にしたり、ミロノフを誘惑するようけしかけたりします。そのたびにノンナは動揺しますが、ノンナが「ラ・シルフィード」を踊ることになると、同性愛者のカリンの恋人だった女性が、得意とした演目だったと語ります。その女性は亡くなっていますが、ノンナとは比べ物にならない華奢で繊細なダンサーだったと聞かされ、自信のないノンナはさらに動揺してしまいます。
コンクールの出番が迫る中、ノンナは持ってきたはずのブレスレットがないことに気付き、一度は落ち着いた心が再び不安に襲われます。ミロノフは、取り乱すノンナに自分の金のネックレスをブレスレットの代わりに巻き、ノンナを落ち着かせます。無心に踊るノンナの「シルフィード」を見たカリンは、動揺して途中でピアノの演奏を止めてしまいます。審査員たちは戸惑いますが、ノンナは伴奏の無いまま踊りつづけます。コンクールの会場には、ノンナの手首の金鎖の音がサラサラと鳴っていました。
コンクールの最中に、途中で演奏を止めてしまったカリンは、ベルリンに帰ることになりますが、心惹かれていたノンナを銃で脅して連れ帰ろうとします。その場面を見たミロノフが、ノンナを守ろうと飛び出したことで、カリンは思わずミロノフを撃ってしまいます。ノンナは、命を取り留めたミロノフの看病に、かいがいしく働きます。カリンに脅されている場所に、なぜミロノフが現れたのか、ノンナが質問しますが、ミロノフは「一眠りして目が覚めたら話したいことがあるから、そばにいてくれ」とだけ話し、眠りにつきます。穏やかな時間がノンナとミロノフの間に流れていました。