手塚ロリ?
『プライム・ローズ』は、手塚治虫による日本のSF漫画作品。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に1982年7月9日号から1983年6月3日号まで連載された。
女性主人公、それも露出の多いコスチュームの少女の主人公は、当時のいわゆるロリコンブームの影響ともいわれますが、同年新年号から連載開始された同誌の「あんどろトリオ」が突出しているくらいで、ほかに一般漫画誌のかぎりは目立ったものは見当りません。しかし、同年はのちにロリコン二大誌と言われた「レモンピープル」と「漫画ブリッコ」(ただしこちらのロリコン路線化は翌年から)の創刊の年でもあり、同人誌の抗争まで耳に入れていたと言われる手塚氏の精通ぶりから考えて、そういった影響によるものではないとは言いきれないし、直接の影響関係をともかくとすれば、そういった時代を反映したものであるとは言えるかも知れません。
いつの時代か どの場所か
強大な国家グロマンが軍事力でククリットを打ち負かし支配権を握り、16年が経ったところから物語は始まります。
タロ
身分違いの交際をエミヤの父に嫌がられ、まだ対象年齢ではないのに強制労働に徴用されてしまう。
ピラール
パーティーでのダンスの相手をエミヤにきつく断られ、嫌われている。
強制労働のコロニーにタロを救いに来たエミヤを案内するが、
タロは脱走。二人が駆けつけるのが間に合わず、タロは目の前で殺される。
「殿下ッ きっとあんた殺してやるわ 覚えてらっしゃい!!」
数奇な出自
グロマンのククリット支配がなったとき、両国の王室は“平和”の証として生まれたばかりの第三王子と第三王女を人質として交換したのです。それがエミヤとピラールだったのです。つまりエミヤはククリットの人間でありながらグロマン人。ピラールはグロマンの人間でありながらククリット人というわけです。
また、タロが徴用されてしまった日、エミヤは浮浪者のようなナリの、しかし眼光鋭い不思議な老人に出逢っていました。彼はエミヤに、彼女がグロマン人であること、グロマン人の身体は危険に際して硬化するなど強靭であることを教えます。
その彼の手引きで、彼女は当局に業界を追放された、かつての有名漫画家を訪ねます。
漫画家はグロマンがククリットに行った侵略と虐殺を作品に描いたため、当局に追われているのです。学校の教科書は侵略を「解放」で「悪者退治」、虐殺を「平和のためのほんのチョットした犠牲」と教えているのでした。
二人が話しているところに、グロマンの殺し屋たちが乗り込んできます。高層ビルから突き落とされ漫画家は殺されますが、身体を硬化したエミヤは助かります。
それから、エミヤは友人の紹介で偶然、教科書出版社の人間と知り合います。彼はエミヤがククリットの味方のグロマン人であることを知ると、彼女に教科書をつくっているコンピューターの破壊を懇願します。一旦は断ったエミヤでしたが、虐殺の現場の廃虚を見せられ、また彼がそのたった3人の生き残りの一人だと知り、コンピューターの破壊を決行します。
師との修業
ジンバ
剣もスポーツではなく、生き残るための術として。
彼は盗み出したグロマン王の印璽を隠しており、エミヤに彼女のほんとうの父のことを教える。代々のグロマン王は宇宙の悪魔に忠誠を誓い不可思議な能力をグロマン人に受けてきたが、エミヤの父十七代グロマン王はそれが滅びの道だと悟り、ククリットとの平和を築こうとした。ところが側近のゴールダは王と王妃を殺害し、自分が十八代の王となるとククリットを侵略したのだという。
エミヤはジンバこそが、ほんとうは自分の父ではないのかと問うが、彼は否定する。
別れ、そして石になったエミヤ
—そして、一年の月日が経ちます。
未来の日本人
そしてそのあと、ピラールにスパイの嫌疑をかけられた彼は、“弟子”のブーボーとともに、強制労働のもっとも過酷な地区に送られたのです、、
ブンレツとタンバラ・ガイ
—彼の名は胆原文烈(ブンレツ)。
タンバラ・ガイは、彼の兄、胆原凱。
ガイはタイムパトロールの一員。千葉の九十九里浜とアメリカのダラスがまちごと一万年後の未来に飛ばされた事件を追っていた。
ブンレツは帰らない兄を追って、養成学校の1年生でありながら、無断無免許でタイムマシンを使い、先ほどこの時代に到着したのだが、タイムマシンは失ってしまったのである。
ガイはコロニーに送られたククリット人の反抗地下組織のリーダーとなっていたのでした。
そしてブンレツは、一万年後に飛ばされたまちの真実を聞かされます。ククリットは九十九里浜の日本人の「成れの果て」だったのです。“日本人同胞”のためにガイはコロニーのククリット人たちを率いて施設を占拠。ついでブンレツとともにククリットのまちに潜入し、石像と化したエミヤを奪取。ククリットの印璽を近づけることで、一年間石のままだったエミヤを元の姿に戻します。