「PQエンジェルス」とは?
「PQエンジェルス」の作者はあの「美少女戦士セーラームーン」の武内直子先生。セーラームーンといえばアニメも大ヒットし今もとにかく人気すぎる作品ですよね。そんな「美少女戦士セーラームーン」の連載が惜しまれつつも終了し、期待の次回作として連載が始まったのが「PQエンジェルス」です。
武内直子先生の作品ですから、やっぱり面白い!そしてキャラクターが可愛い!人気が出ない訳ないのですがある理由から打ち切りになってしまいました。
しかし!その打ち切りになったならないの前に、まず設定に衝撃が走ります。なんとこの主人公の女の子たちの真の姿はゴキブリなんです。こんなに可愛いのに!?少女漫画なのに!?テラフォーマーズもびっくりの設定なのですが、詳しくみていきましょう。
美少女の正体はゴキブリ!気になるあらすじとキャラクター
1999年8月、空港に来ていた王子と王河は、奇妙なゴキブリにキスされてしまう。閃光と共に少女が出現したが、慌てて立ち去られた。
王子たちが帰宅すると、隣地にいつの間にか和風御殿が建っており、先ほど空港で会った不思議な少女ぴいなっつ(P)と、きゅうり(Q)が引っ越しの挨拶に来た。
更にPとQは、王子の通う黄金虫学院に転入してきた。
PとQは、学園生活を楽しみつつも、くのいちバンクの襲撃を撃退してきたが、元帥から行方不明の女王を探せとの指令が到達した。
「奇妙なゴキブリにキス」というゾゾッとする文章が気になりますが、つまり主人公の二人は宇宙人で、本当の姿がゴキブリっぽい宇宙生物なのです。そして人間とキスをすることで主人公たちも人間の姿になるという訳です。
かなりぶっ飛んだ設定なのですがそこはさすが武内先生というべきでしょうか。少女漫画雑誌でこの設定が許されたのは、やはりセーラームーンの成功があったからかもしれません。
可愛くてスタイル抜群で魅力的な女の子を描く武内先生ですが、「人がバンバン死ぬ漫画を描きたい」と発言したりする一面があります。「セーラームーン」では止められたそうですが、アニメ版ではセーラー戦士がバンバン途中で死にましたよね。トラウマになっている方も多いことでしょう。
先生が描く女の子はとにかく可愛いですし、連載当時も「ぎゃーゴキブリなんて!」という抵抗感もなく普通に受け入れられていたようですよ。
PQエンジェルスのリアルタイムファンって居ないのかねー。うちPQエンジェルスリアルタイムで見ててまじ好きだった。打ちきり?はショックだったけど。けどキュウリまじ可愛かったしあのゴキブリをモチーフしたのがたまらなくキモ可愛くて好きだった。百合っぽさも。単行本ならないのかな。
— マユ🥩 (@Mayutney) December 19, 2011
主人公はこの二人!
フイレン人の女の子。14歳。
日本での名前は、落花生ぴい子(らっかせい・ぴいこ)。東京都港区にある私立黄金虫学院中等部に転入する。女王を守る「鯱鉾ONIWABAN」(しゃちほこおにわばん)という親衛隊の隊員で、指令を受け日本で行方不明の女王を探している。選抜試験に過去最高の成績で合格したりと実は優秀。明るくて、ちょっと軽率な性格が玉にキズ。
『きゅうり・キシュ(コードネーム・Q)』
「鯱鉾ONIWABAN」の隊員でPのパートナー、同じくフイレン人の女の子。14歳。日本では、苦瓜きゅう子(にがうり・きゅうこ)と名乗り、Pと同じクラスに転入する。性格はしっかり者。知的で日本について良く勉強しており知識も豊富。
「フイレン」というのがゴキブリのこと。二人とも戦闘時は人間の姿ですが、たしかに触覚にゴキブリ感がありますね。
二人は「フイレン三原則」を守って生活していて、この三原則というのが「第一条 人間に危害を加えてはならない」「第二条 自己を守り仲間を守ること」「第三条 人間を愛してはならない」の三点。もし破ると罰則があるのですが、最後の「人間を愛してはならない」が少女漫画的に破られそうな予感!
名前が個性的すぎるキャラクターたち
『羽毛増王子(はげまし・おうじ)』
Pのクラスメイトで羽毛増兄弟の弟。
花に水をやりお世話をするなど心優しい性格の少年。何度もPとQの不思議な行動を目撃したことで、二人を宇宙人ではないかと疑う。アメリカに住む両親は殺虫剤会社に勤務。
羽毛増兄弟の兄、王河(おうが)、鳥兜星詩留(とりかぶと・せしる)、除虫菊くのいち(じょちゅうぎく・くのいち)などなどなど。武内先生はどんな風にネーミングしているのでしょう(笑)
「PQエンジェルス」が打ち切りになった理由とは?
どちゃくそ懐かしいモノが実家から出土した。(PQエンジェルス) pic.twitter.com/qRd3pGU8eR
— 京助 (@k____ky) May 11, 2016
その理由というのが講談社による原稿紛失事件とファンレター未着事件。
1998年に武内直子先生が集英社の月刊漫画雑誌「ヤングユー」で連載を始めます。担当から「何を描いてもいいよ」と言われ、武内先生はエッセイコミック「武内直子姫の社会復帰ぱーんち!」をスタートさせました。その中で原稿紛失事件とファンレター未着事件について描かれています。
なんでも、編集部側の原稿紛失事件とファンレター未着事件への対応が後手後手だったため、武内直子先生の怒りが爆発。なかよし編集部との確執が深まってしまいます。元々「セーラームーン」の連載終了で燃え尽き症候群に陥っていたのもあり、武内先生は心身ともにボロボロになってしまいました。
そこで「PQエンジェルス」の連載を打ち切って現場を離れます。その後、旦那さんである冨樫義博先生の元でリハビリを行い、漫画家としての自信を取り戻して「ヤングユー」で復帰しました。ちなみにこのリハビリがきっかけでお二人は結婚したそうですよ。
武内直子先生にしてみれば「PQエンジェルス」の連載をまだまだ続けたかったのかもしれません。これだけ面白い設定ですから、もし続いていればもっと人気が出て話題になっていたでしょう。なんだかとてももったいないですよね。
なんやかんやでその後も「なかよし」で連載スタート
しかし、2002年に発表された「ラブ・ウィッチ」は「PQエンジェルス」と同じく数カ月で打ち切り。2005年に発表された「とき☆めか!」は全11話で完結していますが、途中で半年間の休載に入っています。
確執は解決してるのかな?と、ちょっと気になってしまいますね。
今後も単行本化はしない模様…幻の作品に
みくしのメニューバーに「東京PQ」っていう文字を発見し、ふと「PQエンジェルス」が読みたい念に駆られたんですがどこに行ったら読めますか。
— まぐみ(Φ _ Φ) (@magmi) May 9, 2008
当時の付録を大切に保管しているファンも多くいますから、どうにかして読めるようになるといいですよね。
2019/7/22 08:52
大事な所が端折られていますが、その後講談社側が原稿を紛失した事等を当時の担当を交えて正式に謝罪した為に和解されたのですよ。