縦ノリより横ノリを目指したバンド「BO GUMBOS」は昭和の終わりを告げるようにやって来た
2016年9月8日 更新

縦ノリより横ノリを目指したバンド「BO GUMBOS」は昭和の終わりを告げるようにやって来た

アメリカ南部の都市、ニューオリンズ。そこに生を受けた「ドクター・ジョン」というミュージシャンがいる。2016年2月現在、75歳になる彼が1972年発表した4枚目のアルバム「Gumbo」。「ゴッタ煮スープ」を意味するそのアルバム名に由来するバンド「BO GUMBOS」は、アメリカ南部の血を強く受け継ぎならも、バンド名通りゴッタ煮感に溢れる音楽を残してくれた。昭和が終わろうしていたときにデビューたのは何かの象徴だったのだろうか。

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ギター・ボーカル兼MC担当。バンドの顔でもあり、才能に溢れていた。亡くなったことが惜しまれてならない。
川上恭生(キーボード・ギター・ボーカル 1957年12月23日‐)愛称はDr.kyOn。熊本県出身、大阪育ち。
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アコーディオンを持って、どんとと掛け合う演奏は見事。どんとの大学の先輩でもあった。
岡地明(ドラム 1957年9月24日‐)後に岡地曙裕と改名。愛知県出身。吾妻光良 & The Swinging Boppersのドラマーとしても活躍中。
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「BO GUMBOS」の音楽を支えたリズム隊の一人。アクセサリーだらけだった彼が髪を振り乱して叩く姿は格好良かった。所属していたバンドが休止中で、一時的に助っ人に入っただけだったが。。。
永井利充(ベース・ボーカル 1961年10月23日‐)愛称はDr.TOSH?。東京都出身。
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ちょっと変わった帽子を被っていて、ステージ上を動き回っていた。「ローザ・ルクセンブルク」の頃から、どんとと一緒にバンドをやっていた。

ライブでしか演奏されない曲「ポケットの中」

「BO GUMBOS」にはアルバム未収録でライブでしか演奏されない曲があった。曲名は「ポケットの中」。今でも彼らの代表作の一つだと思っているが、ライブを大切にしていた彼らの想いが込められた曲だったのだろう。なお、その後、発表されたライブアルバムにはこの曲も収録されている。
当時、個人的なことでちょっと壁にぶち当たった状態だったが、この曲を聞いて自分の身を確かめるようなことが多かったように思う。

BO GUMBOS / ポケットの中 - YouTube

”Live at 1989.7.18 大宮市民会館 元のテープが劣化してたため、画像乱れます。ぷりぷり。”

デビュー当時の貴重なライブ音源。

音楽性の変容とバンドの解散

しかし、これまでの圧倒的なバンドイメージから逃れる事ができず、暗中模索する中、1993年に沖縄録音された4th「Bo Gumbo Radio Show」や5th「Go」での沖縄民謡やカリブ風サウンドを披露、また、1994年から連続して古今東西のロックンローラー達に捧げた超名曲カヴァー・アルバムを出すなど、ボ・ガンボスは音楽性の変容へと向かっていきました。特に、カバー3作目の「The Jungle Beat Goes On」は、ワールド・ミュージック満載のアルバム仕立てになっており、フェラ・クティのアフロ・ビートに始まり、日本版コンゴ、そしてどんとによる三線が登場している。これらの多様な音楽性を披露することによって、彼らは何より音楽を体で楽しむことを教えてくれました。しかし、これからのバンドの将来に不安を感じたどんとは、京都の神社にて「解散」の託宣を受け、1995年の解散ツアーでもって、ライヴ・バンド、ボ・ガンボスは解散してしまった。その理由も理由だが、どんと自身が自分の音楽を模索する中で、沖縄への憧れを強く感じ、また安息の地である沖縄に自由を求めていたことが一番の理由だったのでしょう。解散のラストツアー前にリリースされたライヴ音源からのベストアルバム「ずいきの涙」は、ボ・ガンボスの初期の曲を中心に収録されており、同時発売された最後のオリジナル・アルバム「Go Go King Live!」とは対照的な内容となっている。前者の方がファンからの支持は強く、やはりボ・ガンボスは初期のライヴバンドのイメージから脱却できなかったが、数々の名曲を残した事実は変わることなく、こうして作品が再発されて聴き受け継がれてゆくのでしょう。

どんとのMCと歌詞の内容が凄かった

どんとが作った音楽やその発言は、とても率直で、社会の弱者に向かって、単純に応援するというよりも、自分で立ち上がって行動を促すようなものが多かった。そんな彼のインタビュー等をまとまたのが下記の本。
そして、デビュー・アルバム「ボ&ガンボ」。やはりこれが彼らの最高傑作だと思う。残念なことに、「BO GUMBOS」はデビュー時に完成されていて、その後は、変容していくしかなったように感じられてならない。

どんとの魂 | 本 | Amazon.co.jp

ローザ・ルクセンブルグ、ボ・ガンボス、ソロ…

貴重な写真や関係者取材などで綴るどんとの魅力

今も熱烈なファンが多いどんとは、今年1月で没後15年。ニュー・ウェイヴをルーツに持ち、強烈な個性を発散させたバンド、ローザ・ルクセンブルグでデビュー。その後、ニュー・オーリンズの音楽をポップに展開したボ・ガンボスでブレイク、そして沖縄でのソロ活動へと至るどんとの足跡を、貴重な写真、関係者の最新インタヴュー、ミュージック・マガジンのアーカイヴなどでたどります。

◆写真でたどるどんとの歩み
◆インタヴュー~Dr.kyOn/永井利充/小嶋さちほ ほか
◆どんとと私~友部正人、大久保ノブオ(ポカスカジャン)
◆どんとの愛聴盤を小嶋さちほが紹介
◆全アルバム/映像作品ガイド
◆ミュージック・マガジンの全関連記事のほか、他誌でのインタヴューも掲載するアーカイヴ

■ どんとフォト・ストーリー~どんとの祭り(小山守)
■ 友部正人が語るどんととの交流(志田歩)
■ 大久保ノブオ(ポカスカジャン)が語るどんとの魅力(松永良平)
■ Dr.kyOn ロング・インタヴュー(今井智子)
■ 永井利充とどんと、“おもてなし”の世界
■ 小嶋さちほがどんとと過ごした沖縄(真保みゆき)
■ どんとが愛した音楽(小嶋さちほ)
■ 現場のスタッフが見た、ローザ~ボ・ガンボス、そしてどんと
□ マネージャー、瀬戸英夫の場合(湯浅学)
□ ディレクター、名村武の場合(志田歩)
■ 全アルバム/映像作品ガイド(岡村詩野、小川真一、小野島大、久保太郎、小林慎一郎、小山守、斉木小太郎、志田歩、松永良平、三田真)
■ どんとは死なない(斉木小太郎)
■ どんと関連記事アーカイヴ
ほか

Amazon.co.jp: BO GUMBOS : ボ&ガンボ - 音楽

1989年に発表されたデビュー・アルバム。彼ら憧れの地であったニューオリンズでの録音、ボ・ディドリーやネヴィル・ブラザーズらが参加。今は亡きどんとの歌声がいきづいている名盤。

メディア掲載レビューほか
ロック・バンド、BO GUMBOSのファースト・アルバム。「魚ごっこ」「トンネルぬけて」他、全12曲を収録。 (C)RS
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