『ウルトラセブン』以降の低迷
前作『ウルトラセブン』終了後、円谷プロは大人向けの『マイティジャック』や『怪奇大作戦』などを作っていったが、実質的に失敗に終わった。海外のSFやアメコミヒーローのテレビドラマは大人も普通に見ていたのに対し、日本の特撮作品は子供向けという印象がぬぐえなかったのである。
『帰ってきたウルトラマン』とは?
大人向けの特撮作品が作られている一方、子供向けの特撮作品は不足していた。当時はビデオなどもなく、子供達は雑誌や各地で行われていたライブショーでしかウルトラシリーズに触れることができず、新作の需要が高まっていたのである。そのため円谷プロとTBSは実験的に再編集+新撮モノの帯番組『ウルトラファイト』を放送したが、これは成功し、ついに完全新作『帰ってきたウルトラマン』が制作されることとなったのである。
当初は初代ウルトラマンが帰ってくる設定であったため、『帰ってきたウルトラマン』というタイトルがつけられたが、スポンサーの都合でこの設定は没となり、最終的に別人ということになった。変身アイテムが無くピンチにならないと変身できなかったり、怪獣のデザインなども凝っていたり、当初は比較的ハードな作りであったが、徐々に子供向けの要素も強くなった。この子供向け要素は第2期ウルトラシリーズで基本的に受け継がれていくことになる。
『帰ってきたウルトラマン』で主人公の郷秀樹を演じたのは団時朗さん
長唄の師匠である日本人の母とイギリス系アメリカ人の父との間に生まれたハーフ。1966年、母が知り合いである大映の三隅研次監督に頼み、勝新太郎主演の『酔いどれ博士』に端役で出演する。同年に髙島屋と提携したピエール・カルダンのスーツを一度に3着購入するほどファッションに対しての想いが強いこともあって、1967年3月に平安高等学校を卒業するとただちに上京し、セントラルファッションに所属する。同年5月に前田美波里と共演した資生堂サンオイルのテレビCM、続いて同社の男性化粧品「MG5」のテレビCMでファッションモデルとして注目される。以降はファッション雑誌、男性誌のファッションページ、ファッションショーにて活躍し、イタリア・ローマの大御所デザイナーアンジェロ・リトリコの日本に於けるイメージ・キャラクターにも選ばれた。
【ウルトラマン大百科・帰ってきたウルトラマン】大好きだったウルトラマンシリーズを「超能力・必殺技」「戦った怪獣・宇宙人」「地球防衛軍」などで振り返ろう。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
『帰ってきたウルトラマン』が去った後の地球には『ウルトラマンA(エース)』が登場
帰ってきたウルトラマンが去った後の地球に現れた新たな敵・異次元人ヤプールや、そのヤプールが送り出す怪獣以上の強敵・超獣と戦うウルトラマンAと、超獣攻撃隊・TACの活躍を描く。
主人公の北斗星司と南夕子による男女合体変身など、多くの新機軸が盛り込まれた。組織的なレギュラー悪役が設定されたのはシリーズ初である。