まったく姿を見せなくなった伸輔が唐突に中梅楼を訪れた。親に勘当され手切れ金として渡された2千円という大金を紫の好きに使っていいと言う。「これで借金を返済し、自由の身となるのもいい」と言う伸輔に意外な言葉が返ってきた。
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廓を覗こうとすると、そこには菊川が待ちかまえていた。「ここには若さんなんて人はいない!ただの信さんて客がいるだけさ。あんたは床の間にキレイな花を咲かせたんだ、それで十分じゃないのかい?」会わせてくれない菊川に、「私が心底惚れたのは若さんだけ。意地張ったけど惚れたのは若さんだけ!」
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「今更、あれがホントこれが嘘って言ってなんになんのさ!あんたは吉原の嘘で練り上げられたお人形さ!あんたに淫売のホントなんてわかってたまるかってんだい!あんたの気休めのために酷いことをしようとしてんのはどっちなんだい!」そして、もう伸輔には妹分のお花という恋女房がいると告げます。「あんたは100年に一度の幸せモンだってね。ここには幸せモンには用はないんだよ!」ただ立ちつくすしかできない紫だった。
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月日が流れ、紫は馴染み客の坪坂と一緒になることにし、吉原を去る事となった。ちょうど2人を乗せた人力車が吉原を出ようとした頃、お春が倒した火が原因で吉原中が炎上する。背中越しに火事を見た紫は人力車を降りる。行くなとの願いをこめて肩を掴む坪坂。
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花魁道中
Oiran Parade from "Yoshiwara Enjo"
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花魁が禿や振袖新造などを引き連れて揚屋や引手茶屋まで練り歩くこと。今日でも歌舞伎や各地の祭りの催し物として再現されることがある。
三枚歯の重くて高い黒塗下駄で八文字(はちもんじ)に歩くもので、吉原は「外八文字」(踏み出す足が外側をまわる)。京嶋原と大坂新町は「太夫道中」。「内八文字」(足が内側を回る)で歩く。きちんと八文字で歩けるようになるには3年かかったともいわれる。
わたし推し!
「畜生!なんで私はいっつも皆の踏み台にされなきゃなんないんだよ!お父もお母もあいつらも、どこまで私に痛い思いさせりゃ気が済むんだよ!どこまで重しかけりゃ気が済むんだよ!」新聞紙にかき集めた小銭を包む菊川。
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稼ぎが悪いと品川に住み替えになったが、そこの客に身請けされ所帯を持つと幸せそうな笑顔を見せた菊川。幸せは長く続かず、亭主に若い女と浮気されて離婚し、最下層の長屋女郎にまで身を落としました。
元亭主が怪我で働けなくなった、と浮気相手が図々しくも廓に金の無心にやってきた時のシーン。
「帰れ!」と、どやしつけたあと、その浮気相手の後姿を見て「ちょっと待ってな!」。
畳の下に隠した小銭を渡してやろうと畳を持ち上げますが、畳が落ちて腕を挟んでしまいます。
その時、いつも強気で明るく、廓のみんなを盛り立てていた菊川が初めて泣き言を言い涙します。
美しすぎるレズシーンや艶やかな花魁道中、衝撃的な死に様など、見どころ盛りだくさんの「吉原炎上」ですが、私的にはこの菊ちゃんの血反吐を吐くような、搾り出すような叫びが1番印象的でした。
元亭主が怪我で働けなくなった、と浮気相手が図々しくも廓に金の無心にやってきた時のシーン。
「帰れ!」と、どやしつけたあと、その浮気相手の後姿を見て「ちょっと待ってな!」。
畳の下に隠した小銭を渡してやろうと畳を持ち上げますが、畳が落ちて腕を挟んでしまいます。
その時、いつも強気で明るく、廓のみんなを盛り立てていた菊川が初めて泣き言を言い涙します。
美しすぎるレズシーンや艶やかな花魁道中、衝撃的な死に様など、見どころ盛りだくさんの「吉原炎上」ですが、私的にはこの菊ちゃんの血反吐を吐くような、搾り出すような叫びが1番印象的でした。