【修羅の門】全日本異種格闘技選手権・不破北斗との試合を振り返る!
2020年4月29日 更新

【修羅の門】全日本異種格闘技選手権・不破北斗との試合を振り返る!

今回の記事は、第二部の終わりで同門対決となる九十九と不破北斗との試合を振り返っていきたいと思います。全日本異種格闘技選手権の準決勝で起きた番狂わせの様子も合わせてピックアップしていきますので、ぜひ記事をご覧になってください。

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『修羅の門』とは?

『修羅の門』

『修羅の門』

分野 :格闘漫画
作者 :川原正敏
掲載誌:少年月刊マガジン
発表号:1987年5月号
    ~1996年12月号
巻数 :全31巻
『修羅の門』(しゅらのもん)は、川原正敏による日本の漫画作品。千年に亘り不敗を誇るとされる架空の古武術・陸奥圓明流の継承者である陸奥九十九(むつ つくも)を主人公とし、陸奥圓明流が地上最強であることを証明するため、彼が様々な強敵達と戦う様を描く格闘漫画。

準決勝の第ニ試合で起きた番狂わせ

https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156640848185 (2184627)

第一試合の九十九と片山の試合は、神の領域にまで踏み込んだ戦いぶりをみせ、九十九が決勝に勝ち進みました。
第二試合は、「生きる武神」とも呼ばれる神武館館長・龍造寺徹心と無名選手の対決となり、この試合は徹心が勝ち、すんなりと決勝進出を決めると思われていましたが、試合が始まると、周囲の予想を裏切るような白熱した試合展開になったのです。
徹心が重厚な正拳を打ち出すと、それに合わせて無名選手は九十九が羽山・飛田選でみせた蛇破山をつかって反撃しました。無名選手が「不破圓明流・裏蛇破山・朔光」と技名を告げると周囲がどよめき始めます。準決勝で徹心の対戦相手になったのは、九十九が継ぐ陸奥の技の分派となる不破圓明流をつかう不破北斗ということが明らかになりました。
これで本腰を入れた徹心は、神武館の空手の技にはない組み技・投げ技や圓明流の技まで不破に仕掛けようとします。この猛攻に対し、不破は「猫でも抱いて日向ぼっこするのがお似合いになるようにするつもりだったが、気がかわった。死ね。」と言い、一切の躊躇をせず、圓明流の技を振るいます。たちまちに徹心の分が悪くなっていき、不破に追い詰められる展開になっていきました。
生ける武神の一撃

生ける武神の一撃

何か覚悟を決めた様子の徹心は正拳の打つ構えをとって、不破の攻撃を待っている様子。徹心は不破が間合いを詰めてくるのを待ち、攻撃してくる瞬間を見切ることで一撃必殺の正拳を打ち込むつもりでいるのです。不破も徹心の狙いを察し、間合いを詰められないでいます。
不破の攻撃に対して、その後に反応し、不破の攻撃が当たる前に徹心の正拳を打ち込むという図式となるために徹心には不利。しかし、数十年に渡って現役の格闘家である徹心がまとう格や気迫といった要素が不破を躊躇させていました。
意を決した不破は、徹心の狙いと同じであろう正拳を打ち込んできます。待ち構えていた徹心も正拳を打ち、結果として、不破は徹心の正拳によって後方に吹き飛びます。後から放ったにもかかわらず、徹心の正拳は、不破を仕留めたかのように見えました。しかし、不破は正拳をもらった胸を押さえながらも立ち上がり、不破の指は徹心の鮮血に染まっていました。
不破は正拳を打ちましたが、途中で狙いを変え、正拳から指を伸ばして徹心の目をえぐっていたのです。振り向いた徹心は左目から血を流しており、その目は永遠に光りを失ってしまったようです。さすがの徹心もこれ以上戦う意志はなく、自らの意志で舞台を降りたため、不破が決勝戦に進出することになりました。
こうして大会の準決勝・第二回戦は幕を閉じ、九十九の決勝戦の相手は徹心だと思われていましたが、圓明流同士の同門対決が実現する運びとなったのです。

陸奥九十九VS 不破北斗

試合ではなく殺し合い

試合ではなく殺し合い

九十九は試合の開始前、舞台に立つ審判に対して、開始の合図をしたら舞台から降りるように言い、さらに「これから始まるのは試合ではなく殺し合いだから」と続きます。
人殺しの技をつかい、凄惨になることが予想される両者の戦いはこうして幕を開けました。
決勝戦を見守る神武館の天才・海堂は対戦する両者をこのように表現します。
九十九は「人を斬ることを最大の目的としながらも、見る者に清冽な感動を与えることができる」と。それに対し、不破のことを「人を大量に殺傷することを目的に作られたマシンガンのよう」と言います。
試合が始まると、九十九は激戦続きだったことが信じられない動きをして、不破を圧倒して見せるのでした。常軌を逸したパワー・スピード・テクニックをみせる九十九でしたが、それでも不破に致命傷となる攻撃を極められず、不破は余裕の表情を浮かべています。
陸奥にない不破の技

陸奥にない不破の技

不破は九十九に、陸奥を超えるために編み出した不破の独自の技の存在を伝えると、試合の流れは大きく変わります。不破は陸奥の左袖を掴むと、九十九は右の正拳を放ちます。その正拳をかわした不破は右袖も掴んで、後方に倒れ込み、九十九に巴投げをする流れで腹部に右足をかけようとします。しかし、九十九は右足を不破の左足に絡ませても投げられないような体制を作ります。
巴投げが失敗したかのような体制で二人は倒れこんでしまうのですが、不破が「不破圓明流・神威」と言うと、不破の体に覆いかぶさっていた九十九は吐血するのでした。
不破圓明流の神威は、右足で虎砲を放つといったもので、腕の数倍の筋力がある足で打つことでパワーは大きくなります。さらに巴投げを装って仕掛けることで、投げられることを防ぐため、足を絡めてしまうといった行為が、逆に自分自身の体を固定してしまうことになってしまうのです。
これで試合は決まり、舞台から降りようとする北斗。しかし、九十九は立ち上がって戦いを続ける意思を表します。
九十九は「あまい…本気で勝つ気なら倒れているときに頭を踏みつぶすくらいはしなければダメだ」と言います。不破は「口だけは達者だな。」「しかし、その体でなにができる…しかも、人を殺せぬ男が。」と返すのでした。
兄を殺した九十九

兄を殺した九十九

ここで九十九は人を殺めた経験があることが明らかになり、その相手はじつの兄だといいます。九十九の兄は冬弥といい、武術家としての才能にも優れていて、九十九にとっては超えられない壁として大きな存在でした。しかし、冬弥は九十九のことを龍の化身と話し、「九十九ほど武の神様に愛されたやつはいない」と言います。
ある日、陸奥の名を継ぐ者を決めるため、真剣勝負をする冬弥と九十九。しかし、冬弥は強く、九十九はただただ圧倒されるのみでした。そして、勝負が決しようとしたそのとき、九十九は龍の化身とも見える動きをみせ、手のひらで頭部を地面に押しあてた状態から、ヒザを落とす陸奥圓明流・岩颪を極めてしまうのでした。この技を受けたことで、残念ながら、冬弥はそのまま死んでしまいました。
圓明流同士の戦い

圓明流同士の戦い

九十九は不破に言います。
「人を殺すなんて簡単に口にするんじゃない。」
「お前は人を殺したことがあるのか…」
「ないから、死んだか分からず戦いを止めた…」
それに対して、不破は「人は不死身ではありえない…お前が立ち続けるなら、お前が死ぬまで攻め続けよう。」と言います。
そこで九十九は「死ぬのはお前だ。」と返して、彼の中で何かが目覚めるのでした。

激しい攻防をみせる圓明流同士の戦い。果たして、どのような結末を迎えるのでしょうか。
良いところではありますが、今回の記事はここで締め括りたいと思います。もし続きが気になるようであれば、ぜひ原作コミックを読んでご自身の目で結末を見届けてください。

『修羅の門』第二部を読み直そう

残念ながら『修羅の門』はアニメ化されていませんので、原作コミックを読んで試合展開を楽しんでください。
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