映画について
名カメラマン故・篠田昇氏のカメラは柔らかな時折ピンぼけしながらも、四月の柔らかな光の中で戸惑いながら生活する一人の少女の姿をおさめてゆく。
身の回りに起きる出来事は本当に些細な出来事なのだが、彼女の繊細な心の動きというフィルターを通ると、なんだか分からないけど大きな大きな大事件のようにも思えてくるのが不思議だ。
新しい友達ができたり、映画館で痴漢に遭遇したり、桜吹雪の中を自転車で走り抜ける。ただそれだけで豊穣な時間を過ごす事ができる。
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映画は1時間ちょっとしかない。しかも、事件らしい事件は何も起きない。唯一あるのは卯月が何か秘密を持っているらしい事、ただそれだけ。
やがて、その秘密とやらが東京に先に出てきた先輩の事が好きな事。その先輩を追いかけて東京に出てきた事。その先輩が家の近くの本屋でバイトしている事。そんな事が少しずつ見えてくる。
こうやってみてみると、この映画はストーキングの映画なのだ。人を好きになるっていうことは人をストーカーにするのだ。かわいい女の子がストーカーだからかわいく映っているが、中年のオッサンが同じ事をしたら犯罪者に間違われるな、なんて思いながら、このかわいらしいストーキング映画にドギマギする。
「武蔵野大学」について
・主人公・卯月が通う大学の名称は「武蔵野大学」である。公開当時、「武蔵野大学」は存在しておらず、架空の大学であった。
・公開から5年後の2003年、武蔵野女子大学が武蔵野大学に名称変更し、「武蔵野大学」は実在する大学名となった。
・入学式のロケ地は成蹊大学である。
映画「四月物語」は、柔らかな春のイメージが主人公とマッチしています。また、主人公が新しい生活に不安になったり、恋をしている気持ちが表情から伝わります。そして、物語は淡々と描かれ、観ていてとても居心地がいいです。
映画のラストシーンが終わっても、これから色々と楽しいことが起りそうな雰囲気を残した作品です。是非ご覧ください。
映画のラストシーンが終わっても、これから色々と楽しいことが起りそうな雰囲気を残した作品です。是非ご覧ください。
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