脱脂粉乳は、牛乳の乳脂肪分や水分を除き粉末状にしたもの。食糧事情が厳しい終戦直後、米国の民間団体や国連児童基金(ユニセフ)から援助物資として送られ、各地の学校給食で出された。
貴重な栄養源だったが「においが独特で味は薄い。目をつぶって我慢して飲んだ」と増田さん。
大阪府の寺山美喜子さん(59)も「ぬるくなるとまずさが増すので、給食が始まると一気に飲んでいた。でも残す子はおらず、お代わりをする子もいた」
子どもの栄養改善を目的にした学校給食法の成立(1954年)や酪農業の振興などを背景に、1960年頃から脱脂粉乳に代わり、生乳100%の牛乳の普及が進んだ。