日本古来の性風俗とは?江戸時代に開花した吉原遊廓とはどんなもの??
2021年11月17日 更新

日本古来の性風俗とは?江戸時代に開花した吉原遊廓とはどんなもの??

「人類最古の職業」とも言われる売春。今回は奈良時代からあった売春の歴史を読み解くコラムです。ご堪能下さい。

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吉原遊廓にやってきた少女たちが一人前になるには? そこではどんなことが行われていたのか?

吉原遊廓の遊女たちの大半は、貧しい家の娘が妓楼(遊女を置いて客を遊ばせる家)から親に前払いされた給金を返済するために働きました。女郎(遊女)見習いから始まり、それを禿(かむろ)と言いました。禿になる少女には二つのパターンがあったそうです。ちなみに禿(はげ)と書くのは毛も生え揃わない少女だったことからの当て字だそうです。

ひとつ目は、貧しい漁村や山村の娘が家庭の生活苦から吉原遊廓の女郎部屋に売られるパターン。少女たちの売買を斡旋する人たちを女衒(ぜげん)と呼びました。少女たちの容姿や潜在能力を見極めて、上玉、並玉、下玉と格付けして、値段や売り先を決めていたのだそうです。

南野陽子 寒椿【予告編】

1992年に公開された宮尾登美子原作の映画。土佐の社交場、陽暉楼を舞台に繰り広げられる愛憎の物語です。当時人気絶頂のアイドル、南野陽子の濡れ場があると話題になった映画です。
もうひとつは、女郎がこっそり生んだ娘がそのまま女郎屋に引き取られて禿になるパターンです。避妊具も確立していない時代、遊女たちの妊娠は珍しくなかったそうです。ほとんどの遊女は堕胎を選んでいましたが、子供を生んでそのまま禿にさせたりすることもあったのだそうです。

禿の少女たちは、最上位にいる太夫(花魁)などの下について先輩遊女たちの日々の雑用をしたりしながら、吉原遊女としての立ち振舞いを学びました。また先輩遊女は暇なときに禿たちに三味線や舞など芸の稽古をつけていたそうです。

富と権力を象徴する場でもあった吉原遊廓 それを引き立たせるために遊女たちは存在したのです

吉原遊廓の遊女たちを大きく分けると、修行中の「禿」、見習いの「新造(しんぞう)」、そして、最高級の地位である「花魁(太夫とほぼ同義)」となります。原則として27歳(数え年)で奉公を終えると「年季明け」を迎え、裕福な武家や商家に身請けされたりしました。身請けされなかった遊女たちは、そのまま遊郭の中で番頭になったり芸事などを担当したり裏方として働いたそうです。これが今の時代にも残っている芸者の原形となります。

太夫は最高位の遊女で、吉原でもわずかな人数しかいませんでした。太夫と遊ぶためには様々なしきたりを経ることが必要で、大きな店では茶屋(今で言う料亭)を通して取り次いでもらわなくてはなりませんでした。このために、まずお客は茶屋で豪勢に遊ぶことが前提だったそうです。
『歴史雑学BOOK 図解 吉原遊廓 花魁の秘密 』

『歴史雑学BOOK 図解 吉原遊廓 花魁の秘密 』

太夫が呼べると、座敷では太夫は上座に座り、客は常に下座に座ったそうです。遊女を呼ぶのに遊女のほうがおもてなしされるというのが凄いですよね。一回目の座敷では、遊女は客とは離れたところに座り、客と口も聞かずに飲食もしなかったそうで、この時に客は品定めをされて、ふさわしくないと判断されたらその遊女とは付き合うことができなかったそうです。客はたくさんの芸者を呼んで、派手に遊ぶことによって財力を示す必要がありました。ここまでして高級遊女を手にしたいと思わせる何かがあったのでしょう。きっとそれは客の財力や権力をアピールする場所でもあったのかもしれません。

今回は吉原遊廓がどんなところだったかを簡単に紹介しましたが、まだまだ沢山のしきたりがあります。江戸時代の遊郭の資料はたくさんあるので、次回紹介してみたいと思います。
また吉原遊廓を題材にした映画もたくさんあるので、一度は観てみるのもいいかもしれません。昔の日本の女性の権利って本当になかったってことが分かります。と同時に、不合理な時代でも、したたかに力強く生きていこうとした女性たちの生きざまには頭が上がらないってものですよね。

トダカユースケ《プロフィール》

大学卒業後、英知出版勤務。「べっぴん」「ビデオボーイ」「すっぴん」「Dr.ピカソ」編集部などで勤務。その他にも三和出版、マクセル出版など編集畑を渡り歩く。アイドル写真集を30タイトル以上制作。

出版社勤務を辞めた後、IT関連企業に入り、アイドルDVDのメーカーを立ち上げ50タイトル以上の作品を制作。独立後、携帯コンテンツ、電子書籍、ローカルテレビ、企業広告などの制作を行っている。
トダカユースケ氏

トダカユースケ氏

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