やすしくんと横山やすしの死去が重なり、不謹慎だとバッシング
1995年12月に放送された「やすしくん」では、その「月光号」を操縦するやすしくんが、機体が次々と壊れるハプニングに遭遇。もう助からないと悟り「日本一の漫才師、死ぬ!」と自ら飛び降りるという内容が放送された。
しかし、その後まもなく、横山やすし本人が死去してしまい、遺族からの批判を受け、マスコミがコントを不謹慎だとバッシングを強めていく。ダウンタウンは弱いものイジメで笑いを取っているなどの図式が構築され、コントはセスナの回を最後に新作は制作されず、終了した。
週刊誌を発端にした松ちゃんの毛じらみ事件など、スキャンダルをも笑いに変える松ちゃんだったが、人の生死が関係したこのバッシングでは、やはりコント終了を選択するしかなかったのだろう。
やっさんは生前「死ぬときはこれで落ちたるねん。要するに空飛ぶ棺桶やがな」と話し、周囲を爆笑させていたが、思わぬ形でこの発言が具体化してしまった。
やすしくん ダウンタウンごっつええ感じ
ベストセラー「遺書」で語った『ザ・テレビ演芸』の裏話
《遺書より抜粋》
チンピラはお前じや、というツッコミを入れられないほど、彼はわめき散らした。オレは何度も手が出そうになったが、とりあえずガマンすることにした (殴っといたらよかった)。番組が終わってからも、漫才とはこういうもんだとお説教が続いた。
ただ、何もオレはこの場をかりて、横山やすしの悪口を書きたいわけではない。師匠と言われる人たちの多くは、「あんなもん漫才じやない」とか「漫才とは……」などとわけの分からんこだわりのようなものを持っている。それに対して、オレは怒りを感じるのだ。
もともと漫才とは、そんなこ難しいものではないのだ。舞台の上で、二人がおもしろい会話をする、それだけのことなのだ。
チンピラの立ち話でおおいに結構だ。チンピラが立ち話をしているので、聞いてみたらおもしろかった。最高やないか! それこそオレの目指す漫才なのである。
間が悪い、テンポがどうした……関係ない。笑えるか笑えないかがいちばん大事なことであり、テクニックは後からついてくるものである。
個人的には誰か勇気のある若手芸人がコント「ひとしくん」を制作してくれたら面白いのにと思っている。
※リンク切れの場合がございます。