「おろち」
おろち
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ホラー漫画家として有名な楳図かずお先生。そのホラーの表現は多様でスプラッターで視覚を刺激したり、SFで壮大な恐怖を描いたりします。こちらの「おろち」では、やはり恐ろしいのは人間の心理、ということに行き着いています。それも誰もが持つであろう心の歪みをとても丁寧で描いており、ホラー漫画と一括りには出来ない上質な作品です。
ストーリーテラー・おろち
おろち
謎の少女おろちが様々な人間たちの愛憎をただひたすら観察する物語。おろちはあくまで傍観者です。不老不死なので人の一生を観察することもできます。
ナース姿のおろち
またある時は家政婦、養女として観察対象者の生活に潜り込みます。
おろちの能力
他人の額に手をかざすと他人の記憶を操作することができます。そのためすんなりと他人の家に上がり込むこともできます。
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寝ている人の額に手をかざすと、その人がみている夢を覗くことができます。
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指を指し出すだけで屈強な男をなぎ倒せます。
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おろちの血を垂らすと死んだ人間が生き返ります。
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100年に一度訪れる眠り
おろちは１００年に一度睡魔に襲われます。ここで眠らないと普通の人間のように年をとり死にます。
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このように様々な能力を持つおろちですが、物語に直接関わることはありません。おろちが観察するのは普通の人々であり、特に家族という親密な関係から生まれる感情です。
「おろち」の全9エピソードの中からいくつかあらすじをご紹介します。
「おろち」の全9エピソードの中からいくつかあらすじをご紹介します。
姉妹
３コマ目・エミ（左）／ルミ（右）
おろちが訪れた龍神家の美人姉妹。この時１７歳と1６歳です。そして２人は１８歳になることを異常に恐れています。
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エミとルミの母の遺体（手前）
おろちが口を覆うほどの醜い姿の母親。実は龍神家の娘は18歳になるとこの世のものとは思えないほど醜くなるという運命でした。
そして妹のルミは母からある真実を聞かされます。
そして妹のルミは母からある真実を聞かされます。
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おかしくなる姉と献身的に尽くす妹
母の遺言は「妹だけ龍神家の娘ではない」ということだとルミから聞いたため、エミはおかしくなり自ら顔を焼き、妹を一生離さないと決めます。ところがルミがずっと秘密にしてきた本当の遺言がありました。
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骨
千恵（左）
不幸な生い立ちの千恵は大人になり結婚したことで、ようやく幸せになれました。ところが千恵の夫が死亡。泣きくれる千恵を見ておろちは…
おろちの力で不完全な体で蘇った夫
千恵のためを思って夫を生き返らせたおろちですが、千恵の本意は別にありました。
成瀬梨々
1969～1970年「週刊少年サンデー」で連載。
文庫版全４巻、ビッグコミックスペシャル楳図パーフェクション！全４巻。