ガサラキ
『ボトムズ』の高橋良輔監督が20世紀末の世に問うたリアルロボットアニメ。自衛隊派兵など現実の日本に直結する政治・経済の問題にも深く踏みこんだ意欲作である。みどころは特務自衛隊の直立二足型兵器“タクティカルアーマー(TA)”と古くから伝わる骨嵬(くがい)を結ぶ関係。この2つを関連づけてデザインした出渕裕のメカデザインは、実に見事だ。餓沙羅鬼(がさらき)の謎は主役のユウシロウとミハルを結びつけていき、その行く末も興味をひく。サブタイトルに短歌を採用し、能を舞うと怪現象が起きるなど全体は和風テイスト。これに軍事的なリアル描写が合わさり、兵器としてのロボットに独特の存在感が生まれている。
本作の本質は、主人公・ユウシロウがヒロイン・ミハルと共に自分自身や「ガサラキ(餓沙羅鬼)」と呼ばれる存在の謎にせまる伝奇サスペンスであり、この伝奇としての部分を盛り上げるため、各話冒頭のサブタイトルに和歌を用いたり、ユウシロウがトランス状態に入るために能を舞う(「物依せ」の儀式)など和風の味わいを盛り込んでいる。
豪和一族の中でユウシロウだけが名をカタカナ表記をされていることも重要な伏線となっている。
あらすじ
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「骨嵬(くがい)」と呼ばれる鎧の巨人をロボットのように操ることができる一族だった。中でも嵬の能力者は、唯一「骨嵬」の操縦が行えた者として利用され続けていたのである。
※骨嵬は、ガサラキの降臨によってもたらされたとされる武具もしくは神器 。
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このアニメでは、2つの話が併走します。1つめの物語は、ユウシロウとヒロイン・ミハルとが自らの出自と「ガサラキ(餓沙羅鬼)」の謎に翻弄される様子が描かれています。そして2つめは、日本とアメリカの物語で、世界的な政情不安と食料不足の中、アメリカが穀物の輸出停止を宣言した事によりクーデターが起きます。
ユウシロウとミハル、二人が使用するメカニックについて
豪和ユウシロウ
表向きは豪和兄弟の四男だが、実際には空知の孫に死亡した憂四郎の記憶を移した存在。民間人ながらタクティカル・アーマーの操縦者として特務自衛隊に出向しており、特自では便宜上「大尉」の肩書きを与えられている。「嵬(かい)」と呼ばれるシャーマンの素質を持つユウシロウは、「餓沙羅(がさら)の舞」を舞うことによって強大な力を呼び出すことができ、そのための実験材料として扱われている。家族にも実験材料としか見なされていないため、感情を押し殺した部分があり、あまり明るい表情を見せない。
ミハルとの出逢いを契機に自分の出生の秘密を知ったユウシロウは、一度は豪和や特自から離れるものの、国際情勢や嵬としての運命から逃れられず度々戦闘の日々に引き戻されてしまった(12話、21話)。平安時代に生きていた前世の自分がそうであったように、戦いの道具として利用されていたユウシロウとミハルだったが、最後には自分の手で未来を選び取り、永く自分たちを苛んできた悲しい運命から脱して、限りある命を精一杯生きようとする。
ミハルとの出逢いを契機に自分の出生の秘密を知ったユウシロウは、一度は豪和や特自から離れるものの、国際情勢や嵬としての運命から逃れられず度々戦闘の日々に引き戻されてしまった(12話、21話)。平安時代に生きていた前世の自分がそうであったように、戦いの道具として利用されていたユウシロウとミハルだったが、最後には自分の手で未来を選び取り、永く自分たちを苛んできた悲しい運命から脱して、限りある命を精一杯生きようとする。
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ユウシロウが使用するTA「壱七式戦術甲冑 雷電(ライデン)」
豪和総研が総力を挙げて開発した新型二足歩行型兵器。ひとつのコンピューターに全システムを制御させるのではなく、腕、足といったパーツごとにコンピューターを搭載させることで複雑な駆動システムの制御に成功した。つまり搭乗者は、その末端のコンピューターを更に統括するマスターコンピューターに指示を与えるだけでいいのだ。その方法は極めて簡略化されており、音声入力システムを採用することで刻々と変化する戦況にフレキシブルに対応できるようになっている。
ただし誰でも扱えるものではなく、100%のポテンシャルを引き出すのはユウシロウのような「嵬(かい)」に操縦させるか、嵬をひとりでも戦場に投入して、その能力を他の操縦者に波及(機能相転移)させるしかない。
もともと「骨嵬(くがい)」と呼ばれるオリジナルの巨大な鎧人形を復元させることが研究の目的だったが、骨嵬から抽出したサンプルが人工筋肉の特性を秘めていたため、タクティカル・アーマーの開発計画がスタート。100%の骨嵬の復元が難しいと判断された現在では、復元計画が一時凍結されタクティカル・アーマーの量産化が進められるようになる。ユウシロウがいるとTAの能力が上がる。
武器:スモークディスチャージャー、アルムブラスト、リフティングウインチ。
ただし誰でも扱えるものではなく、100%のポテンシャルを引き出すのはユウシロウのような「嵬(かい)」に操縦させるか、嵬をひとりでも戦場に投入して、その能力を他の操縦者に波及(機能相転移)させるしかない。
もともと「骨嵬(くがい)」と呼ばれるオリジナルの巨大な鎧人形を復元させることが研究の目的だったが、骨嵬から抽出したサンプルが人工筋肉の特性を秘めていたため、タクティカル・アーマーの開発計画がスタート。100%の骨嵬の復元が難しいと判断された現在では、復元計画が一時凍結されタクティカル・アーマーの量産化が進められるようになる。ユウシロウがいるとTAの能力が上がる。
武器:スモークディスチャージャー、アルムブラスト、リフティングウインチ。
そんなユウシロウがある日、「飢沙羅の舞」の実験の途中に謎の少女ミハルと精神接触した事が物語の展開に繋がっていく
ミハル
ユウシロウと同じ能力を持つ少女。シンボルではインヴィテイター(嵬)として実験に利用され、戦闘に於いては鈴蘭のマークの入ったイシュタルに搭乗。インヴィテイターとしての卓越した戦闘能力を発揮する。
1話で餓沙羅の舞いを舞っていたユウシロウと精神接触により出逢い、ベギルスタンの石窟教会で初めて生身のユウシロウと再会する。実はユウシロウとミハルは前世でも同じ境遇にあり、やはり嵬として利用される存在だった。淡い想いを抱きながらも悲しい運命に翻弄され、成就させることなく果てた前世を引きずっていたミハルは、現世でもユウシロウと邂逅し、共に惹かれあう存在となる。そして共に行動するうちに深い絆でユウシロウと結ばれた彼女は、ついに24話でシンボルとの決別を決心。父親のように世話をしてくれた評議員のメスに別れを告げ、ユウシロウの元に戻ってきた。
幼い頃からインヴィテイターとして育てられ、実験に利用されてきたため、感情の起伏がほとんどなく、常に険しい表情をしている。芯の強い性格も、悲しい境遇がそうさせてしまったのである。だがメスとの別れの際には、無意識に涙を流し、彼女の変化を体現した。
1話で餓沙羅の舞いを舞っていたユウシロウと精神接触により出逢い、ベギルスタンの石窟教会で初めて生身のユウシロウと再会する。実はユウシロウとミハルは前世でも同じ境遇にあり、やはり嵬として利用される存在だった。淡い想いを抱きながらも悲しい運命に翻弄され、成就させることなく果てた前世を引きずっていたミハルは、現世でもユウシロウと邂逅し、共に惹かれあう存在となる。そして共に行動するうちに深い絆でユウシロウと結ばれた彼女は、ついに24話でシンボルとの決別を決心。父親のように世話をしてくれた評議員のメスに別れを告げ、ユウシロウの元に戻ってきた。
幼い頃からインヴィテイターとして育てられ、実験に利用されてきたため、感情の起伏がほとんどなく、常に険しい表情をしている。芯の強い性格も、悲しい境遇がそうさせてしまったのである。だがメスとの別れの際には、無意識に涙を流し、彼女の変化を体現した。