●流行語:新人類
・受賞者:清原和博、工藤公康、渡辺久信(いずれも西武ライオンズ)
・受賞者:清原和博、工藤公康、渡辺久信(いずれも西武ライオンズ)
古い世代とは違う、まったく新しい価値観のもとに行動する若者群を新人類と名付けたのは、『朝日ジャーナル』編集長の筑紫哲也。旧人類からすると、新人類は自分勝手、無感覚、シニカルというような、マイナスイメージが強かった。ところが、物おじしない、クヨクヨしない、明るい部分だけを見るというような新人類らしいパーソナリティで大活躍したのが、ライオンズの3選手。これにより、新人類のイメージは一新された。
1987年
◆新語:マルサ
・受賞者:伊丹十三、宮本信子
・受賞者:伊丹十三、宮本信子
国税査察官は、査察の査を○で囲った“マルサ”と通称される。映画「マルサの女」は女性査察官を主人公にして大ヒットした。土地投機、株高、財テクと、大企業から個人まで、マネーゲームに参加することが当たり前のような社会風潮の中、それができない庶民は、悪賢く儲ける人物を摘発するマルサに拍手喝采した。
●流行語:懲りない○○
・受賞者:安部譲二
・受賞者:安部譲二
安部譲二の『塀の中の懲りない面々』は、刑務所という特異なモチーフと登場するユニークな人物群によりベストセラーとなった。この題名に触発されたわけではないのだろうが、この年も多くの“懲りない”事件が続発。汚職、詐欺から盗難事件まで、新聞を飾る事件の数々を目にすると、人々は“懲りない○○”と言うようになった。
1988年
◆新語:ペレストロイカ
・受賞者:ソロビエフ・ニコラエビッチ(駐日ソビエト連邦特命全権大使)
・受賞者:ソロビエフ・ニコラエビッチ(駐日ソビエト連邦特命全権大使)
via bookshelf.co.jp
ソビエト共産党のゴルバチョフ書記長が打ち上げたソ連の改革政策(ペレストロイカ)は、世界中から好感をもって迎えられ、その成否は注目を集めた。日本においても、一日として新聞に「ペレストロイカ」の文字が無い日はなかったほど。国内改革にも「行政のペレストロイカ」というように使われ、外来語としては異例の定着ぶりであった。
●流行語:今宵はここまでに(いたしとうござりまする)
・受賞者:若尾文子
・受賞者:若尾文子
この年、大ウケした流行語。会社の会議、学生のサークル、宴会、はては教室でも、時間の終了を婉曲に告げる時に好んで使われた。発信元はNHK大河ドラマ「武田信玄」。番組の最後に、若尾文子が語るモノローグの締めのセリフであった。
1989年
◆新語:セクシャルハラスメント
・受賞者:河本和子(弁護士)
・受賞者:河本和子(弁護士)
via ssl.jinji.go.jp
欧米ではすでに社会問題化していた「セクシャルハラスメント」だが、日本では“西船橋駅転落事件”の判決が出たこの年、一気にスポットライトを浴びた。この事件は、酒に酔った男性がしつこく女性にからみ、避けようとした女性がはずみで酔漢を転落死させてしまったものだが、その酔漢には、そして多くの男性の中にも、抜き難い“女性軽視”の発想があることが判決で指摘された。日本で初のセクシャルハラスメント裁判と言われ、河本は弁護人として活躍した。